介護保険制度を詳しく解説!利用できる主なサービスや利用方法は?

公開日: 2022年04月08日

更新日: 2022年05月20日

  • 介護・高齢者施設

介護保険とは、どのような制度なのでしょうか。 ここでは介護保険の対象となる人や、サービスの主な内容について解説します。
介護サービスを利用したい時に、どう手続きをするのかという点も気になりますね。
手続きの手順や、注意点についても見ていきましょう。 また、介護保険料の納め方についても、年齢別に説明します。

介護保険とは

介護が必要になった時、支えとなるのが介護保険です。 一定額の介護費用を支給してもらい、少ない自己負担で様々なサービスを受けることができます。
例えば、排せつや入浴などの介護、高齢者施設の利用、自宅で自立して生活するためのリフォームなどに介護保険を使えるのです。
日本では、40歳からすべての人が公的な介護保険に加入し、介護保険料の支払いが始まります。 この制度によって、介護が必要な高齢者やそれを支える家族の負担を社会全体で分け合うことができるのです。

介護保険サービスの対象者

65歳以降(第1号被保険者)の方

65歳以上の高齢者は、介護保険から支給を受けて、少ない自己負担でサービスを利用できます。 ただし、支給を受けられるのは、自治体から「要支援」または「要介護」という認定を受けた人だけです。
要支援とは、ほとんどのことは自分でできるけれど、家事などの日常生活に支援が必要な人のこと。 要介護とは、認知症や身体の障害で、介護が必要になった状態です。
要支援は1と2、要介護は1~5までのランクに分けられており、それぞれ介護度の高さによって受けられるサービスが決まっています。
本人が居住している市町村に介護認定の申請をすると、聞き取り調査が行われ、主治医の意見も参考にして、この介護度の認定を行うのです。
なお、本人の状況によっては支援等は必要ないとされ、認定外となる場合があります。

40~64歳(第2号被保険者)の方

65歳以上の人が介護保険の第1号保険者と呼ばれる一方、40歳から64歳の人は第2号被保険者と呼ばれます。 この年齢の人々は高齢者ではありませんが、介護保険サービスを利用できる場合があるのです。
老化に伴う特定の疾患が原因で、要支援や要介護の状態になった時には、第2号被保険者も介護保険の適用を受けられます。
ただし、この特定疾患は16種類と定められており、それ以外は対象となりません。 特定疾患には、初老期における認知症や脳血管障害、糖尿病の合併症、末期がん、変形性関節症、関節リウマチなどが含まれます。

40歳未満の方

介護保険に加入できるのは、40歳からです。
従って、40歳未満の人は介護が必要になっても、介護保険によるサービスを受けることはできません

受けられる主なサービス

介護の相談・ケアプランの作成

介護認定を受けると、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談をし、ケアプランを作ってもらうことになります。
ケアマネジャーとは、介護サービスに詳しい専門家で、介護事業所との契約や介護保険受給の申請なども手伝ってくれる人です。
ケアマネジャーは、本人の自宅を訪問して家族と共に話し合い、どのような介護・支援のサービスが必要か考えてくれます。
この介護の計画が、ケアプランと呼ばれるものです。 ケアプランに従って、介護サービスの契約が行われますが、ケアマネジャーはその後も介護にかかわる相談に乗ってくれます。

自宅で受けられるサービス

自宅で受けられるサービスとしては、訪問介護が挙げられます。 食事や排せつ、入浴の介助を行う身体介護と、本人の食事の調理・清掃・洗濯などを行う生活援助です。
また、訪問入浴といって介護職員と看護師が訪問し、専用のバスタブを使って入浴させてくれるサービスもあります。
自宅のバスタブでは介助しにくい寝たきりの人でも、入浴できるようになりますよ。 その他、看護師が訪問して医療行為を行う訪問看護があり、カテーテルや在宅酸素の管理などもしてもらえます。
訪問リハビリといって、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などが自宅でリハビリをしてくれるサービスもあるのです。

福祉用具の利用に関するサービス

介護に必要な便利な用具をレンタル、または購入できるサービスです。 介護保険でレンタルできるものは「福祉用具」という名称で、13品目が指定されています。
例えば、寝た姿勢から背中を持ち上げて座る姿勢にできる電動の介護用ベッド。 床ずれ防止用具・体位変換機・自動排せつ処理装置なども、寝たきりの人とその介護者にとって役に立つ用具です。
要介護者の移動を安全に楽にするための、手すり・スロープ・歩行器・歩行補助杖・車いすなども含まれます。 認知症の人が徘徊する場合は、それを感知する器具もありますよ。
福祉用具の利用はレンタルが基本ですが、入浴用のいすなどは直接肌に触れるものなので、介護保険を使って購入することもできます。

施設等で生活する際に利用できるサービス

自宅ではなく、介護施設を使って支援・介護を受けられるサービスもあります。 例えば、デイサービスといって、日帰りで施設での介護を受けられるものです。
要支援の人なら、リハビリができるデイケアというものもあります。 また、病気があって看護が必要な人が通える療養通所介護、認知症の人が通える認知症対応型通所介護というものもあるのです。
前述したのは、日帰りの施設ですが、宿泊して介護を受けられる施設もあります。 一つは短期間の宿泊で、ショートステイと呼ばれるものです。
長期間、生活する介護施設では特別養護老人ホームや介護老人保健施設などが挙げられます。

訪問・通い・宿泊を組み合わせるサービス

自宅での訪問介護と、施設への通所・短期の宿泊を組み合わせて利用できるサービスもあります。 小規模多機能型居宅介護というものです。
地域内にある小規模の施設で、通所の人数はおおむね15名以下、宿泊は9名以下と決められています。 少人数で家庭的な雰囲気の中で、介護が行われているのが特徴です。
スタッフも他の利用者も顔なじみなので、宿泊する際も安心感があるのが利点といえるでしょう。 その他、看護小規模多機能型居宅介護といって、訪問看護も組み合わせ可能なサービスがあります。

介護保険サービスの利用方法

①市区町村への申請

介護サービスを利用したいと思った時は、まず介護認定を受けなくてはなりません。 介護認定の申請は、市町村の窓口で行います。
一般的には、高齢者支援課や福祉課などといった名称の窓口で相談するとよいでしょう。 申請の際は、本人の介護保険被保険者証や身分証明書を持参します。
この申請そのものは、本人ではなく家族でも行えますが、本人が居住している自治体の窓口でないとできません。
また、市町村の窓口以外に、近所にある地域包括支援センターで申請を受け付けてくれる場合もあります。

②要介護認定の調査・判定

申請を行うと、市町村から調査員が派遣され、自宅で聞き取り調査が行われます。 本人や家族から話を聞いて、本人の心身の状況を把握し報告書が作られるのです。
また、自治体から主治医に意見書の提出が依頼されます。 これらの調査をもとに、介護認定調査会という専門家による審査が行われ、介護度が決まるのです。

③認定結果の通知

市町村が介護度を認定すると、認定結果通知書が送られてきます。 認定の結果は、要支援1または2、要介護1~5の7段階で、数字が大きいほうが介護度が高いという認定です。
この通知は、原則的に介護認定の申請をしてから30日以内に行うということになっています。

④ケアプランの作成

実際に介護サービスを受ける前には、ケアプランという計画を立てます。 介護度によって受けられるサービスは異なり、また本人にとって必要なサービスは何か検討する必要があるからです。
このケアプランは、要支援の人の場合、地域包括支援センターで作成してもらいます。
「介護予防ケアプラン」または「介護予防サービス計画」と呼ばれるものです。 要介護の人で在宅でのサービスを希望する場合は、まず居宅支援事業所と契約をします。
居宅支援事業所は、市町村でいくつか紹介してもらえるので、その中から選びましょう。 この居宅支援事業所に所属するケアマネジャーに、ケアプランの作成を依頼します。
これは「介護サービス計画書」とも呼ばれるものです。 一方、施設への入所をする場合は、直接施設に申し込むことになっています。

⑤サービスの利用開始

介護サービスを行っている事業所(訪問介護事業所やデイケア等)と契約が済めば、サービスが開始されます。 この時、介護被保険者証と、介護保険負担割合証を見せることが必要です。
介護保険の負担割合は、所得に応じて決まります。 基本的には1割負担ですが、所得によっては2割または3割になることもあるのです。
なお、40歳から64歳の人は、すべて1割負担となります。 介護保険負担割合証は、要支援・要介護の認定を受けた人に対して、毎年6月から7月頃に送られてくるので、忘れずに保管しておくようにしましょう。

介護保険料の支払方法

65歳以降(第1号被保険者)の方

65歳以上の方の場合、特別徴収と普通徴収の二種類の方法があります。 どちらになるかは、年金の受給状況などで決まり、自分で選ぶことはできません。
特別徴収とは、年金から直接介護保険料を差し引いて市町村に納入する方法です。 この場合、自分で保険料を納める必要がありません。
一方、普通徴収の場合、その年の6月から次の年の3月まで、10回に分けて納付します。 納付書が送られてくるので銀行やコンビニで支払いますが、口座振替ができる市町村もありますよ。
65歳に達したばかりの年度、他の市町村から転居した年度は普通徴収になります。 また、年金の受給額が年間で18万円以下の人、年金を担保にお金を借りている人なども普通徴収の対象です。
普通徴収以外の人は、特別徴収となります。

40~64歳(第2号被保険者)の方

40歳から64歳までの人は、健康保険料と共に介護保険料を納めることになります。 正確には「40歳の誕生日の前日が含まれる月」から、徴収が始まるのです。
従って、1月1日生まれの人は、前年の12月から介護保険料を徴収されます。 1月2日から31日生まれの人は、1月からということになりますね。
なお、健康保険料と同じく、介護保険料も扶養家族の分は支払う必要がありません。 ただし、扶養家族が40歳から64歳までの人で、自分自身はそれ以外の場合は、扶養家族分の保険料を求められることがあります。

介護保険制度については基本的な知識を持っておきたい

若いうちは、自分自身も親も介護とは無縁と思うかもしれません。 しかし、介護保険料の徴収は40歳から始まり、場合によっては介護サービスを利用することがあるかもしれないのです。
いざという時のために、介護保険の制度については、基本的な仕組みを把握しておきましょう。
せっかく保険料を払っているのですから、使える対象やサービスの内容、利用方法もきちんとチェックしておきたいものです。

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