介護疲れによる介護うつとは?原因や対策について解説します!

公開日: 2022年06月27日

更新日: 2022年06月27日

  • 介護・高齢者施設

介護をしている人の中には、その大変さからうつ病を発症することがあります。
介護うつとは、どのようなものなのでしょうか。

ここでは、その症状や原因について解説していきます。
また、一般的な治療法についても見ていきましょう。

更に、介護うつに陥らないようにするには、どうしたらよいか、その予防の方法についてもご紹介します。

介護うつとは?

家族の介護をしているうちに心身の負担が重なり、うつ病を発症してしまうことがあります。
これが、介護うつと呼ばれるものです。

うつ病というのは、落ち込みや不安、不眠などを伴う病ですが、様々なストレスがきっかけとなって発症すると言われています。
時には、自殺などの深刻な結果につながる病気です。

ただし、介護うつはうつ病の中でも改善しやすく、発症を回避しやすいともいわれています。
原因が比較的はっきりしており、対処のターゲットが限られているからです。

介護の中では体力を使うことが多く、また認知症への対応に悩むなど、様々な苦労があるでしょう。
このようなストレスを上手く発散できないと、うつを発症してしまうことになるのです。

特に、真面目で責任感の強い人、1人で介護をしている人などは介護うつになる危険性が高いといわれています。

介護うつになると

食欲不振

介護うつの症状の一つとして、食欲不振があげられます。
気分が落ち込んで食事がとれない、食べても少ししか喉を通らないなどの症状があるのです。

食事をとれないことで、だんだんとやせてしまう人もいます。
栄養が不足するので、更に体調を崩してしまうことにも繋がりかねません。

睡眠障害

うつの典型的な症状としては、睡眠障害が挙げられます。
寝つきが悪く、寝ても夜中に目が覚めてしまう、朝早くに目が覚めてしまって十分に休めないという症状があるのです。

このような状況を放置してしまうと、体力も気力も更に削られてしまう可能性があります。

疲労感や倦怠感

過剰な疲労感、倦怠感は、介護うつの症状の一つかもしれません。
そもそも介護は体力を使うので疲れるものではありますが、うつのせいで疲れやだるさが更に増すこともあります。

きちんと休んでも疲労感や倦怠感が取れないときは、うつを疑う必要があるでしょう。

思考障害

うつになると、思考にも障害が現れることがあります。
それまで楽しいと思ったことでも楽しめず、ネガティブな考え方に陥りやすくなるのです。

その結果、自己否定感や逃避したい気持ちが高まり、時には自殺願望が生じることもあります。

焦燥感や不安感

介護うつの症状としては、焦燥感や不安感も挙げられます。
訳もなく焦るような感じや、不安な気持ちに襲われて、いてもたってもいられないと感じる症状です。

この症状のせいでイライラして、介護の相手や周囲の人にきつく当たってしまう場合もあります。
また、突然、泣き出してしまうような人もいるのです。

このような症状が見られる時は、うつ病の発症を疑う必要があるでしょう。

介護うつの原因

精神的な負担

介護をする中では精神的な負担が大きくなり、それがうつの原因になることがあります。
例えば、昼も夜も頻繁にトイレ介助に追われて気が休まらないという人もいますね。

介護に時間を取られて、ゆっくりと自分の好きなことをする時間が持てず、ストレスが溜まる人もいるでしょう。
また、特に認知症の人の場合、徘徊が心配でずっと気を張っていることが負担になっている例もあります。

物を取られたという妄想で責められて、精神的に追い詰められる人もいます。
このような毎日が続くと心が疲れてしまい、うつ病に繋がることもあるのです。

身体的な負担

身体的な疲れも、うつ病の原因になります。
疲労がたまると、精神的にもまいってしまうことがあるのです。

例えば、高齢者の身体を支えて、トイレや入浴の介助をするのは、かなりの肉体労働ですね。
特に、夜間、何度も介助が必要な場合、睡眠不足にもなります。

このようなことが重なると、身体的な疲れが溜まり、結果的にうつ病につながることがあるのです。
特に親や配偶者の介護をする人は、自分自身も中高年に差し掛かり、体力が衰える世代。

無理をすることで、身体だけでなく、心も折れてしまうことがあるのです。

経済的な負担

介護が原因で経済的に困窮し、それがうつ病の発症につながってしまうことがあります。
お金の不安が精神的な負担となり、追い詰められてしまうのです。

介護サービスの利用や病院での治療には、お金がかかります。
介護保険や健康保険である程度は賄えますが、本人の年金や貯蓄では足りなくなることもあるのです。

また、介護のために家族が離職する例もあります。
その結果、経済的に不安定になり、時には生活が成り立たなくなることも。

このようなお金の不安は心を重くし、うつ病の発症にもつながる可能性があります。

介護うつの治療法

薬による治療

うつ病になってしまったかもしれないと思った時は、迷わず専門医の診察を受け、薬を出してもらいましょう。
うつ病と診断が下りれば、薬の処方を受けることができます。

抗うつ薬を飲むことで症状をやわらげ、それ以上の悪化を防ぐことができるでしょう。
睡眠導入剤等の服用で、睡眠を改善し、身体を休められるようになるかもしれません。

うつ病は誰でもかかる可能性のある病気で、神経科・精神科に通うことは決して恥ずかしいことではないのです。
受診を迷う場合、まずはかかりつけの内科、心療内科で相談するのもよいでしょう。

カウンセリングによる治療

うつ病の治療には、薬物療法の他にカウンセリングという方法もあります。
悩みや不安を医師やカウンセラーに聞いてもらい、心の整理をすることで、うつ病を治療するものです。

時間はかかりますが、家族との関係や自分自身の心の問題を見つめなおし、うつの原因そのものに迫る治療といえるでしょう。
カウンセリングと言えば、一般的に1時間に数千円から1万円以上の費用が掛かるものですが、医療機関によっては保険治療としてカウンセリングを受けられる場合もありますよ。

休養(レスパイト)

介護うつへの対処としては、介護から一旦離れて休息をとることも必要です。
そのためには、介護サービスにおけるレスパイトケアと呼ばれるものを利用できます。

これは、在宅で介護を行っている家族を休ませるために、介護を受けている人を一時的に施設に預けるものです。
デイサービスという日帰りの施設で日中だけ見てもらう、ショートステイで短期間の宿泊をしてもらうということも可能となります。

また、介護を受ける人の体調に問題がある時は、入院させることを検討する場合もあるでしょう。
なお、介護者のうつ病が重い時は、レスパイトではなく老人ホーム等の施設入所も考える必要があります。

介護うつの予防法

介護サービスを利用する

介護うつの予防には、介護のプロやサービスを利用することで、負担の軽減を図ることが有効といえます。
自分だけで抱え込んでしまうと、ストレスや疲れが溜まってしまうからです。

例えば、ホームヘルパーに来てもらって、本人の食事や身の回りの世話をしてもらうことが挙げられます。
デイサービスやショートステイの利用も検討したいものです。

これらのサービスは、介護保険を利用すれば1割~3割の自己負担で利用できます。
介護認定を受けて要支援・要介護と認められれば、利用可能なサービスが見つかるはずです。

介護から離れる時間を確保することは、介護うつの予防のために大切なこと。
心身の負担を軽くし、リフレッシュできる時間を作ることで、余裕をもって本人と向き合えるようになるかもしれません。

介護用品や福祉用具を利用する

介護の負担を減らすためには、便利な介護用品・福祉用具の利用も有効です。
介護者の身体の負担を減らすことは、うつの予防にもなるでしょう。

例えば、電動のベッドがあれば、食事やトイレの際にボタン一つで高齢者の身体を支えて座る姿勢にしてくれます。
床ずれ防止用のマットレスを利用すれば、頻繁な体位交換が不要になるでしょう。

寝たままで排せつを処理してくれる装置などもあり、これらは介護保険を利用してレンタルできる可能性があります。
身体介助で疲れてしまう時には、このような介護用品の利用も考えましょう。

施設の利用を検討する

介護で疲れきってしまうようなら、本人を施設に入所させることも検討しなくてはなりません。
うつになってしまえば世話がうまくできず、共倒れになってしまうこともあるからです。

老人ホームというと高額の費用がかかるところもありますが、特別養護老人ホームのように費用負担が軽い施設もあります。
介護のプロが面倒を見てくれるので、本人にとっても快適な生活に繋がる可能性もあるのです。

施設入所には抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、介護を施設に任せてしまうことで本人とゆったり向き合う時間をもてるようになる人もいます。

相談先を増やす

介護の大変さを一人で抱え込むのは、危険なことです。
家族・友人などにも、隠さず話せるようにしておくことが、介護うつの予防には必要でしょう。

家族に介護が必要になったことを隠す人もいますが、誰でも通る道なので恥ずかしがる必要はありません。
話を聞いてもらえるだけで気持ちが軽くなり、アドバイスや手助けをもらえる可能性があります。

また、介護をめぐる問題で困った時には、市町村の相談窓口、地域包括支援センター等で話をしてみましょう。
最近では高齢者への様々な公的支援があるので、必要な援助を得られる可能性があります。

お住いの自治体に、どのような相談先があるか調べておきましょう。

介護うつを防ぐには一人で抱え込まないことが大切

介護というのは、誰にとっても心身ともに負担が大きいもの。
家族のためだからといって、疲れないわけではありません。

疲れ切って介護うつになってしまえば、自分も本人も更に大変な思いをすることになります。
しんどいと思ったら、早めに対処を考えたいものです。

介護サービスの利用や相談先を増やすことで、介護の負担を減らし心身の健康を保つことがより良い介護に繋がります。
そのためには、「自分一人で抱え込まない」という心構えが必要といえるでしょう。

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