知っておきたい介護サービスを解説!種類・利用方法・費用負担など

公開日: 2022年03月28日

更新日: 2022年04月08日

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高齢になって心身に不調が生じた時、介護サービスを利用すれば、生活が楽になり家族の負担も減ります。
この介護サービスには、どのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、様々な介護サービスの種類を紹介しつつ、その利用方法も確認していきたいと思います。 また、介護保険を使った場合の費用負担や、介護保険外のサービスについてもご紹介しましょう。

介護サービスとは

障害者や高齢者などで介護の必要な人が、介護保険を使って受けられるサービスのことです。 身体が不自由になった時、あるいは認知症になった時に、生活上の様々なサービスを一部負担だけで受けられます。
介護保険とは、40歳になると誰でも加入することになっている公的な保険です。

介護サービスの例としては、排せつや入浴の介助の他、施設の利用、自宅のリフォーム、福祉用具のレンタルなどが挙げられます。

介護サービスの利用方法

要介護認定の申請

介護サービスを使うためには、まず介護認定を受ける必要があります。 現在の心身の状況を判定して、介護や支援が必要だということを証明してもらうのです。 まずは本人が住んでいる市町村の窓口で、認定を受けたいと申請しましょう。 その際は、介護保険被保険者証を持っていくことが必要です。

認定調査・主治医意見書

申請を行うと、認定調査員が本人と会って聞き取り調査を行います。 心身の状況を確認するための調査で、行う場所は現在住んでいる自宅や施設です。
また、市町村が本人の主治医に意見書の作成を依頼し、主治医がいない人は、市町村が指定した医師が意見書を作ります。 なお、この意見書の作成には、お金はかかりません。

審査判定

認定調査の結果と医師の意見書の一部の項目に基づいて、要介護度の判定が行われます。 これは一次判定と呼ばれるものです。
その結果と主治医意見書を元にして、介護認定審査会が二次判定を行います。 これによって、要介護度が決定するのです。

認定・通知

各市町村では、介護認定審査会の判定に基づいて介護認定を行い、通知をします。 申請から30日以内に通知されるのが、原則です。
認定のランクは、要支援・要介護・非該当(介護などの必要性が認められないということ)の3つに分かれます。 要支援は1~2、要介護は1~5に分かれており、数字が大きいほうが介護度が高いものです。

介護(介護予防)サービス計画書の作成

介護認定を受けた後は、実際にどのようなサービスを受けるか計画を立てることになります。 この計画はケアプランと呼ばれているものです。 要支援の人は、ケアプランを地域包括支援センターで作ってもらいます。 要介護の人は、居宅介護支援事業所でケアマネージャーに作ってもらいましょう。

介護サービス利用の開始

ケアプランに基づいて、訪問介護などの事業所と契約が行われます。 事業所との契約も、ケアマネージャーが手伝ってくれますよ。 このようにして、実際にサービスが開始され、利用することができます。

介護サービスの負担費用

介護保険を利用してサービスを受ける場合、自己負担は1割から3割です。 基本的には1割ですが、一定以上の所得があると2割、または3割となることもあります。
また、介護保険には支給限度額が設定されていることにも注意が必要です。 この限度額を超えてしまった場合は、全額を自分で負担しなくてはなりません。 支給限度額は、受けるサービスの内容や要介護度によって異なっています。 分かりにくい部分なので、どれだけの費用負担が必要か、担当のケアマネージャー等にしっかり確認しましょう。

介護サービスの種類と受けられる内容

自宅に訪問

訪問介護

自宅で生活している人のところに介護スタッフが訪問して、世話をしてくれるものです。 訪問介護には、身体介護と生活援助が含まれますが、その他に通院のために車で送迎するサービスを行っている事業所もあります。
身体介護では、排せつや入浴・食事の介助、生活援助では買い物や掃除洗濯など、本人の日常生活に必要な援助を行うものです。 ただし、あくまで本人のためのもので、家族の分の家事までは行わないので注意しましょう。

訪問入浴

利用者の自宅に専用の浴槽を持ち込み、入浴介助をするサービスです。 寝たきりの人などは、手助けをしたとしても自宅の浴室で入浴するのが難しいため、このようなサービスを利用するとよいでしょう。
2人の介護スタッフが入浴介助をしますが、看護師も付き添って健康チェックをしてから入浴するので安心です。 居間などに組み立て式の浴槽を持ち込み、横になった状態でお湯につかり身体を洗ってもらえます。

施設に通う

通所介護(デイサービス)

自宅で生活しながら、日帰りで介護施設を利用するものです。 自宅と施設の間の移動は、車などで送迎が行われます。 デイサービスの施設では、身体介護を受けられるほか、食事の提供やレクリエーションなども行われていますよ。
できるだけ自宅での生活が続けられるように、支援するサービスのひとつです。 なお、要介護の人が対象で、要支援の人はデイサービスの利用はできません。

通所リハビリ

通所リハビリテーションの施設は、デイケアとも呼ばれます。 食事や入浴など、日常生活の支援を行うと同時に、リハビリや看護師による健康観察なども行われるものです。
衰えた身体機能を回復させたい人、入院中に病院で行っていたリハビリを継続したい人などに向いています。 デイサービスと異なるのは、医療やリハビリの機能があるという点です。 対象となるのは、要介護の人だけでなく、要支援の人も含まれます。

施設等で生活

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)

自宅での生活が難しくなった高齢者が入居できる、公的な老人ホームです。 特別養護老人ホームを略して「特養」とも呼ばれます。 食事や入浴、排せつなどの介護が行われ、リハビリや健康管理もしてもらえる施設です。

なお、特養には、基本的に要介護3以上の人しか入居できませんが、要介護1~2の人でも特別な事情があれば、利用できる場合があります。 民間の老人ホームと比較すると料金が安いので人気があり、待機中の人も多くなかなか入居できないのが実情です。

介護老人保健施設(老健)

介護が必要な高齢者が、リハビリなどを受けながら生活できる公的施設です。 特別養護老人ホームとは異なり、身体機能を回復して自宅生活に戻ることを目的としています。
そのため、入居できる期間は原則として3か月です。 公的な施設で費用負担は軽いので人気がありますが、特養ほど入りにくいということはありません。 入居できるのは、病状の安定した要介護1から5の人です。

地域密着型サービス

認知症対応型共同生活保護(グループホーム)

5人から9人の少人数で生活する、認知症の人のための居住施設です。 専門のスタッフと共に、家庭的な雰囲気の中で暮らすことができます。 認知症の人は環境の変化が苦手なことが多く、大きな施設ではなじめないことも多いのです。
その点、少人数のグループホームなら、落ち着いて生活できる可能性があります。 グループホームを利用できるのは要支援2、または要介護の人です。

地域密着型介護老人施設入居者生活保護

特別養護老人ホームの中でも、地域に密着した小規模のものです。 定員は29人までで、アットホームな雰囲気の施設といえます。
地域密着型なので、設置されている市町村に住民票のある人しか使えないという点が、従来の特養との違いです。 この施設を使えるのは、普通の特養と同じく、基本的に要介護3以上の人だけとなります。

福祉用具を使う

福祉用具貸与

自宅で介護を受けている人が、できるだけ在宅のまま生活を続けられるよう、便利な用具をレンタルできるサービスです。 介護保険の適用となる用具は、はっきりと種類が決まっており、指定業者が適切な用具を選ぶお手伝いをしながら貸与・設置を行います。

例えば、電動で背中の部分が持ち上がって、寝た姿勢からの起き上がりを楽にする介護用ベッドなどもありますよ。 室内での移動を安全にするための手すりや、歩行杖なども含めて13種類が指定されています。

特定福祉用具販売

福祉用具の中でもレンタルになじまないものは、購入に介護保険を使えることがあります。 排せつや入浴で使用する、直接肌に触れるものです。 例えば、ポータブルトイレや入浴用のいすなど5つの品目が指定されています。 福祉用具専門の業者から購入し、介護保険を利用すれば1割負担(10万円が上限)ですみますよ。

訪問・通い・宿泊を組み合わせる

小規模多機能型居宅介護

基本的に自宅で生活しつつ、訪問介護・施設に通っての介護・ショートステイを組み合わせて援助をしてもらうための施設です。 一つの施設で、登録されている利用者は29人まで、施設通所は15人程度、宿泊は9人程度とされています。 少ない人数を相手にしているため、目が届きやすいだけでなく、必要な時にはショートステイを使えるのが利点です。
普段通っている施設への宿泊なので、利用者も慣れており抵抗が少ないかもしれません。

看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)

小規模多機能型居宅介護による訪問介護や施設通所、ショートステイに加えて、訪問看護が行われるものです。
必要に応じて自宅に看護師が訪問し、医療行為を行います。 病気で入院していた人が退院したのち、体調が安定しない場合。 あるいは、終末期における自宅での看取りなどにも使われることがあります。 介護だけでなく、看護が必要な人が利用するサービスです。

介護保険が適用されないサービス

介護保険が使えるサービスは、種類と対象になる要介護度がはっきり決まっており、それ以外には使えません。

しかし、介護サービスの中には介護保険を使わず誰でも利用できるものがあり、これを「介護保険外サービス」と呼びます。 なお、介護保険外の場合は、当然ながら全額自己負担となるので注意しましょう。

家事代行

介護保険での生活支援は、利用者本人の分だけという制限があります。 従って、掃除や調理も本人の分だけということになってしまいますね。
例えば、家族の分の食事の支度、家族の部屋の掃除、ペットのための世話などもしてもらおうと思うと、介護保険外の家事代行サービスを利用するしかありません。 また、介護保険内では、年末年始の大掃除や正月の料理などはしてもらえないのです。

このような家事を代行し、特に高齢者への対応をしてくれる業者があるので探してみましょう。

通院の付き添い

通院の際も、介護保険外サービスで付き添いを依頼することができます。 病院までの移動が大変な高齢者は多く、車でないと移動できなかったり、電車やバス等での移動に手伝いが必要なこともあるでしょう。

また、認知症の人の場合、待ち時間や診察・会計の際に付き添いがいないと大変です。 一人暮らしの人や家族が忙しい人の場合は、このようなサービスを利用して付き添ってもらうとよいでしょう。

買い物の同行・代行

心身に不具合のある高齢者にとって、買い物は大変な作業です。 お店まで移動し、買ったものを持ち運ぶのに苦労する人も少なくありません。

介護保険外のサービスではこのような高齢者のために、買い物を代行してくれるものがあります。 また、自分で買うものを選びたいという人のために、付き添ってくれるサービスもありますよ。

介護サービスを上手に使って高齢者と家族の負担を減らそう

最近では、介護保険を使った様々な介護サービスが展開されています。 いわゆる老人ホームへの入居だけでなく、自宅での生活を支える様々なしくみができているのですね。

老後の生活を支えるために、また家族への負担を減らすためにも、介護サービスを上手に使いたいものです。 制度の仕組みが分かりにくい部分もありますが、困った時は自治体や最寄りの地域包括センター等で相談しましょう。

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