おひとりさまの終の棲家「シェアハウス」を選ぶ人が増加している!?

公開日: 2021年07月30日

更新日: 2022年04月08日

  • 介護・高齢者施設

老後の生活を考えた時、一人暮らしには色々な問題が生じます。
おひとりさまのシニアが暮らす場所として、シェアハウスという選択は可能なのでしょうか。

ここでは、おひとりさまシニアがシェアハウスに暮らすメリットと、デメリットを見ていきます。
もしシェアハウスに住むとしたら、どんな点に注意すべきか、という点も考えていきましょう。

おひとりさまの単身世帯の増加と抱える問題

日本では近年高齢化が進んでいますが、その中でも一人暮らしの人、いわゆる「おひとりさま」が増加しています。
内閣府の令和2年版高齢社会白書によると、65歳以上の単独世帯は約592万(平成27年)で、その数は年々増えているのです。

65歳以上の人口に占めるその割合は、男性で13.3%、女性で21.1%。 今では高齢のおひとりさまは、珍しくないといってよいでしょう。
おひとりさまが増加した原因としては、子供を持たない家庭が増えたことや、昔とは違い親族とのつながりが薄れて頼れる人がいない、等が考えられます。
しかし、高齢の一人暮らしは、孤独死や、認知症の進行・老後資金の不足など様々なトラブルが起こりやすく、社会問題にもなっているのです。

シニアでもシェアハウスに住むことは可能?

リビングや風呂、台所などを共有して生活するシェアハウス。
若者向けと思われがちのシェアハウスですが、最近では、高齢者向けのシェアハウスが増加しているのです。
これは、国土交通省が「終身建物賃貸借制度」についての省令を改正したことが背景にあります。
この制度は、高齢者が亡くなるまで安定して暮らせる賃貸住宅を確保するための施策ですが、床面積やバリアフリー基準が大きく緩和されたため、この制度を利用した高齢者向けシェアハウスも作りやすくなったのです。

また、多世代型シェアハウスといって、若い世代と共に高齢者が暮らすシェアハウスも増えています。
おひとりさまシニアの受け皿として、シェアハウスはまだ認知度が低いのですが、選択肢の一つとして検討できるようになってきているのです。

有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅とは何が違う?

おひとりさまのシニアが老後の住まいとして検討する場所としては、シェアハウスの他に有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅なども挙げられます。
これらの施設と、高齢者向けシェアハウスとはどのように異なるのでしょうか。

有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の場合、食事や清掃・洗濯・見守りなどのサービスがついていることがあり、また必要があれば介護サービスを受けることもできます。
シェアハウスの場合はこのようなサービスがない分、生活費の負担が軽いというのが大きな違いです。
ただし、シェアハウスの場合、家事のような身の回りのことはすべて自分でやらなくてはいけません。
したがって、入居の対象となるのは基本的に自分で自分のことはできる元気な高齢者に限られています。

おひとりさまシニアがシェアハウスに住むメリット・デメリットとは

メリット

出費を抑えた生活ができる

シェアハウスの場合、通常の賃貸マンションよりも家賃が安いため、現在一人で賃貸に住んでいるのならば出費を抑えることができます。
また、敷金礼金がなく、家具や台所用品なども設置されていることがあるので、引っ越す際も初期費用が節約できるのです。
敷金や家賃はかなり大きな出費となるので、これを抑えた分を貯蓄にまわせば、老後資金の足しにできます。
病気で入院した時や介護施設に入る時などには、まとまったお金が必要となるので、それに備えておきたい人には大きなメリットとなるでしょう。

孤独感の解消

シェアハウスの大きな利点は、寂しさを感じなくて済むという点です。
通常の賃貸マンションなら、ドアを閉めてしまえば誰とも話をせずに一日が終わってしまいます。
しかし、シェアハウスの場合、リビングや台所で自然と同居者と顔を合わせざるを得ません。
そうすれば、おしゃべりをしたり、一緒に料理をすることもできますね。
シェアハウスによっては、ラウンジが設けられていて一緒にテレビを見ることができたり、イベントが開催されるところもあります。

入居者間での安否の確認や助け合いができる

急な病気やケガなどは、高齢者にはつきものです。
何かあった時に、いち早く自身の異常に気付いてもらえるのは同居しているからこそ得られる最大のメリットといえるでしょう。
いつも部屋から出てくる時間に姿が見えない、と同居者が気付いてくれれば、声をかけてもらえます。
体調の悪い時には、お互いに助け合い、必要があれば救急車を呼んでもらうこともできるでしょう。
自然な形でお互いに見守りができる、というのはシェアハウスの大きな利点です。

デメリット

人間関係で悩むことも

シェアハウスならではの大きなデメリットは、人間関係で悩む可能性があるという点です。
異なる価値観の人と共同で生活していくのですから、生活の仕方や物の考え方でぶつかってしまうこともあるでしょう。
夜何時まで起きているのか、ということから始まって、掃除の仕方・物音への感じ方の違い等、人それぞれの価値観があるので、どうしても自分の思い通りにならないこともでてきます。
顔を合わせることが自然と多くなるので、一緒に過ごす中でお付き合いの仕方に悩むこともあるかもしれません。

介護サービスが受けられない

シェアハウスの場合は、自分で自分のことができる、というのが入居の条件となります。
介護が必要な人は、基本的に入居することができません。
例えば、高齢になると足腰が弱って、入浴に介助が必要だったり自分で料理や掃除をすることが難しくなる人もいます。
シェアハウスでは、このような人の世話まではしてもらえず、介護従事者に来てもらおうと思っても来客に制限が設けられている場合があるのです。
つまり、シェアハウスに入居した時は元気でも、その後、介護が必要になれば施設等に移る可能性を考えておく必要があります。

バリアフリーに施設が対応していない場合も

高齢者向けのシェアハウスであっても、もともと介護を想定した施設ではないため、バリアフリーになっていない場合がある点も注意が必要です。
老人ホームやその他の介護施設と比べると、バリアフリーという点では劣るのが、シェアハウスのデメリットと言えます。

例えば、老人ホーム等では段差をなくし、廊下の手すりやエレベーター等が設置してあるのを見かけますね。
しかし、シェアハウスの場合は、そこまではしていない可能性があるのです。
シェアハウスに入居する前には、どの程度のバリアフリーになっているか事前の確認が必要でしょう。

おひとりさまシニアがシェアハウスに住む際の注意点

年齢・性別に関する制限があるか

シェアハウスによっては、年齢や性別の制限が設けられている所もあります。
この制限に引っかかってしまうと入居できないので、事前に必ず調べておきましょう。

例えば、40代・50代まで、という所もあれば、年齢制限なしという所も。
高齢者向けとはっきり明記してある所なら安心ですが、そうでなければ確認が必要です。

また、年齢制限がないところでも、あまりにも若い人ばかりの所では、なじめないかもしれません。
男性専用または女性専用の所が安心、という人なら、そのようなタイプのシェアハウスを探しましょう。

プライベート空間が確保できているか

シェアハウスといっても間取りは様々で、きちんとした個室がある所ばかりではありません。
個室といっても鍵が付いていなかったり、外から覗きやすい場所に部屋があったりすると落ち着かないものです。
人の気配がある、というのはシェアハウスの利点ではありますが、一人になりたい時もあるでしょう。
どんなに仲良くなったとしても、もともとは他人同士なので、プライバシーが守れる場所は必要です。

また、女性専用のシェアハウスでは、異性の来客が入れないようにする規則を設けている所もあります。
このようなプライバシーへの配慮がどの程度あるのか確認しておきましょう。

人付き合いに前向きであるか

シェアハウスを検討する際には、借りる部屋のことだけではなく、自分自身の性格についてもチェックする必要があります。
自分がどのくらい人付き合いにに前向きであるのか、振り返ってみましょう。

これまで自由な一人暮らしを楽しんできたおひとりさまにとって、毎日同じ空間で同じ人と顔をあわせる生活には慣れが必要です。
他人とそのような関係性を持つことが、どのくらいストレスになるのか、想像してみる必要があるでしょう。
人によっては、他人とのかかわりが全く気にならず、むしろ楽しみ、という人もいます。
しかし、価値観のずれやちょっと迷惑なことがあった時、うまく対処できるかどうか自分をしっかり顧みたほうがよいかもしれません。

おひとりさまシニアがシェアハウスへの入居を検討するなら

おひとりさまのシニアがシェアハウスで生活することには、大きなメリットがあります。
老後の不安を、様々な点で解消できる可能性があるのです。
しかし、シェアハウスというのは他人との共同生活なので、トラブルも考えられます。

また、年齢が進むにつれ、足腰が弱ればシェアハウスには住めなくなるかもしれません。
シェアハウスは、おひとりさまシニアの暮らし方として、一つの大きな選択肢となるでしょう。
しかし、そのデメリットや注意点を知った上で、物件の検討をすることが大切です。

ご自身の将来に不安を抱えるおひとりさまの方へ

おひとりさまがシェアハウスに入居することで、お互いに助け合い、不安を軽減することができるでしょう。
とはいえ、ご家族やご親戚とのつながりが希薄であり、自分の身に万が一のことがあった時に頼れる人がいないという方もいらっしゃるはずです。
そのような場合には、身元保証をしてくれる会社や団体を頼りにしてみるのはいかがでしょうか。

現在は様々な身元保証の会社や団体がありますが、特におすすめなのが身元保証相談士協会
身元保証相談士協会は、まわりに頼れる人がいないおひとりさまの老後のお手伝いや、亡くなった後の葬儀・供養を執り行う専門家団体です。
また、生活必需品の購入代行や入院の手続き、緊急時の駆けつけなども幅広くサポートしてくれますよ。
ご自身の将来に不安を感じるという方は、ぜひ一度相談してみるとよいかもしれません。

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