おひとりさまの年金平均額はいくら?老後資金の増やし方を解説!

公開日: 2021年07月28日

更新日: 2022年04月08日

  • くらし全般

老後の生活に頼りにするのは年金。
おひとりさまの場合、どのくらいもらえるのか、年金の平均額を確認していきましょう。
また、一般におひとりさまにとってどのくらい生活費が必要なのか、という点も気になりますね。
もらえる年金と生活費を見比べて、足りない老後資金を確保する必要もあります。 おひとりさまのために、老後資金の作り方についても解説します。

おひとりさまとは?

一人で暮らしている中高年を、おひとりさまと呼ぶことがあります。
独身のまま50代、60代を過ぎて、一人で暮らしている人もいるでしょう。
その他、結婚はしたものの、配偶者と別れた人もいます。
配偶者と死別した後、子供と同居せず一人暮らしをしている人もいますね。
高齢化や核家族化が進む今の日本では、このようなおひとりさまが増えています。
総務省の統計によると、平成27年度では65歳以上の一人暮らしの人は約592万人
この数は、2040年には896万人を超えるだろうと予測されています。

年金とは?

公的年金

公的年金とは、国が運営している年金の制度のことです。
大きく分けて、国民年金と厚生年金の二つがあります。
国民年金は、日本在住の20歳以上60歳未満の全ての国民が加入するもので、年金保険料は自分で支払う形です。
一方、厚生年金とは企業等の正社員や公務員が加入するもので、自分の払うべき保険料に企業等が上乗せをし、給料から自動的に支払ってくれます。
つまり、国民年金の加入者よりも厚生年金加入者の方が多くの保険料を納めているため、もらえる年金も多いのです。
公的年金の場合、年金保険料を国が積み立てて運用し、老後月々の年金として支給されます。
日本に住んでいる人なら、多くの人が20歳になると公的年金に加入し、保険料の納付を求められることになっているのです。

私的年金

国が国民の福祉のために行っている公的年金の他に、私的年金というものもあります。
私的年金とは、公的年金に上乗せして受け取ることができる年金です。
企業年金はその一つで、企業が従業員のために年金を出すもの。
確定給付企業年金、確定拠出年金、厚生年金基金といったものがあります。
企業年金の制度があるかどうかは、その企業によって異なるものです。
自分の働いている会社の制度や給付の内容について、調べてみましょう。
私的年金には、もう一つ個人年金というものがあります。
これは、自分で掛金を積み立てて運用し、老後に年金として受け取るものです。
iDeCo(イデコ)や国民年金基金と呼ばれるものが、この個人年金になります。
公的年金だけでは老後資金が足りないという人は、この制度を利用して、年金を増やすことができるのです。

おひとりさまの支出はどれくらい?

ここで高齢(60歳以上)のおひとりさま、特に無職の人の場合、一か月にどのくらいの支出があるか調べてみましょう。
「家計調査年報(令和元年)」の「高齢単身無職世帯の家計収支」によると、一か月の消費支出は平均で139,739円。
その内訳としては、食料、住居費、光熱・水道費、家具・家事用品、被服・靴、保健医療費、交通通信費、教養娯楽費、交際費などがあります。
ただし、これには直接税(固定資産税や自動車税、住民税など)や社会保険料(健康保険料や介護保険料など)が含まれていません。
これらは、非消費支出というもので、平均して12,061円の支払いが行われています。
消費支出と非消費支出を合わせた合計額は、151,800円になりますね。

おひとりさまの年金平均額は?

まずは公的年金でいくらぐらい貰えるか「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から見ていきましょう。
まず、厚生年金の場合、男女合わせた老齢年金の平均月額は、一人当たり144,268円です。
ところが、60歳の男性では平均年金月額が92,548円となっています。
厚生年金の支給開始年齢が順次引き上げられた関係で、60歳から64歳までは10万円を切る金額となっており、65歳以上になると、平均で171,305円となるのです。
同様に女性の場合は、60歳で83,643円ですが、60歳から64歳までは5万円前後という厳しい数字。
65歳以上になると、108,813円となります。
次に国民年金の場合を見ていきましょう。
この場合、男女合わせた平均の老齢年金受給月額は55,946円。 男性の場合は、58,866円、女性の場合は53,699円となります。

おひとりさまが必要なお金は?

「家計調査年報(令和元年)」によると、60歳以上無職のおひとりさまの場合、社会保障給付費(年金や失業保険など)による収入は平均で一か月あたり115,558円、その他の収入を含めても124,710円しかありません。
平均の支出総額は151,800円なので、27,090円の赤字ということになります。
この数字を前提に、例えば85歳まで生きたらどのくらいの資金が必要か計算してみましょう。
60歳から85歳までは25年あるので、25年×12か月×27,090円=8,127,000円の資金が必要となります。
収入の金額は、加入している年金によって大きく異なってくるので、自分の年金受給予定額を確認した上で計算してみましょう。
その他、急に病気になって入院した、介護施設に入居しなくてはならなくなった、というケースも考えられるので、その分の資金も用意をしておく必要があります。

おひとりさまが老後資金を確保するには?

生活を切り詰める

老後資金をしっかり確保するためには、まず自分の生活を見直し無駄をなくすことが大切です。
一人で生活していると、誰も文句を言わない分、つい無駄遣いをしてしまいがちという人も多いのではないでしょうか。
外食や酒・タバコを減らす、スマホの契約を見直すなど工夫してみましょう。
交際費や車の維持費を計算して、本当に必要か検討する方法もあります。

また、生活の見直しのためには、ライフプランを立てることも必要です。
生活費・固定資産税など通常必要になる支出に加えて、介護が必要になった時の費用や住み替えも考えて、どのくらいの資金が必要か計算してみましょう。
その上で、貯蓄や不動産などの財産と受給する予定の年金を調べ、それで足りるかどうか検討してみると、どのくらい生活を切り詰めるべきかはっきりしてくるはずです。

年金額を増やす

老後資金の確保のために有効な方法としては、年金の受給額を増やすこともあげられます。
月々の収入が増えるので、安定して生活できるようになるでしょう。
例えば、国民年金なら、通常の保険料に加えて付加保険料を納めることで年金額を増やせます。
月々200円ずつ40年間納め続けると、年間の受給額が96,000円アップするということです。
また、年金受給額を増やすためには、繰り下げ受給という方法もあります。
本来年金は65歳から受給するものですが、受給開始を遅らせることで年金額を増やしてもらえるのです。
例えば、受給開始を66歳からにすれば8.4~16.1%の増額になります。
開始を遅らせると順次増額率が上がっていき、70歳以降にすると42.0%の増額になるのです。
その他、定年後も働いて厚生年金に加入することで、年金の受給額を上乗せすることができます。

資産運用する

老後資金を増やす方法としては、資産運用も考えられます。
資産運用というと面倒で難しそうな印象がありますが、最近では初心者でも取り組みやすいものが出てきました。
例えば、つみたてNISAやiDeCoなどは投資の初心者でも始めやすい方法です。
つみたてNISAとは、投資信託に月々決まった額を投資していく形の商品で、銀行などから申し込めます。
運用はプロにお任せすることができ、得られた分配金や譲渡益は非課税で手数料なども比較的安くなっているのです。
つみたてNISAで投資できるのは、年間40万円(20年で800万円)までですが、コツコツ長期的にお金を増やせる可能性があります。
iDeCoは、私的年金の項目でも紹介しましたが、自分で掛金を積み立てていき、その運用益を年金として受け取るものです。
iDeCoの場合も、運用益や受け取る年金が非課税になったり、掛金が所得税控除の対象になるなど、通常の貯蓄よりもお得なのでチェックしてみましょう。

専門家に相談する

老後必要になるお金や資金の増やし方について分からない方は、まず専門家に相談する方法もありますよ。
例えば、自分が今後どれだけ年金をもらえるかということは、年金事務所で教えてもらえるし、つみたてNISAについてなら銀行の窓口で説明してもらえます。
また、老後のお金について総合的に相談するのであれば、ファイナンシャルプランナーという専門職の人がいますよ。
ファイナンシャルプランナーは、預金や税金、相続、投資といったお金に関わる全てのことに関する専門家です。 ファイナンシャルプランナーへの相談は基本的に有料ですが、今後必要なお金と自分の経済力の両方をチェックしてくれ、どのような対処が必要かアドバイスをしてくれるでしょう。

おひとりさまは年金だけをあてにしてはいけない

おひとりさまが老後を安心して暮らすためには、お金の問題は不可欠です。
年金だけで暮らしていけるとは限らないので、しっかりと確認をする必要があります。
まずは、年金の受給額と貯蓄額を調べるところから始めましょう。
勇気のいることですが、おひとりさまの場合、家族を頼れないこともあるので、しっかりお金の問題に向き合うことが大切です。

老後のライフプランを考え始めたおひとりさまへ

老後の資金を確保することで、自分の趣味や好きなことを自由にでき、老後もいきいきとした生活を送れるでしょう。
しかしながら、高齢者用施設への入居や病気になった際の入院、万が一亡くなられた場合の葬儀はどうすればよいのかと、不安に感じるおひとりさまもいらっしゃるはずです。 そのような方におすすめしたいのが「身元保証相談士協会」
身元保証相談士協会は、いわゆる「家族代行」を通じておひとりさまを支える、シニアの一生のパートナーといっても過言ではない存在です。

高齢者用施設の入居時や入院時の身元保証をはじめ、必要品の購入代行や緊急時の駆け付け、万が一亡くなられた際には生前のご希望通りに供養・遺言執行をしてくれます。
また、定期的なご訪問を通じて、ご本人の生活状況や将来のライフプランを一緒に考えていくことも大切な役割の一つです。
老後の生活に少しでも不安を感じることがあれば、無料で専門家に問い合わせができますので、活用してみるのもよいでしょう。

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