お盆はいつ?何をお供えするの?お盆の期間や風習など徹底解説!

公開日: 2021年04月19日

更新日: 2022年04月09日

  • くらし全般

日本の夏の習慣として「お盆」があります。 お盆とはいったい何日から何日までなのでしょうか。 まずは、地域ごとに違うお盆の時期について解説します。 また、どのようなことを行ったらよいのか、迷うかもしれません。 お盆の前に準備しなくてはいけないことや、当日何をするのかという点も確認しておきましょう。

お盆とは?

お盆は、仏教の教えと日本古来の習俗が入り混じった行事です。 お盆という呼び方は、仏教の盂蘭盆会(うらぼんえ)からきています。 盂蘭盆会というのは、先祖を供養する仏教の行事です。 これは、盂蘭盆経というお経に書かれている目連(もくれん)とその母の逸話から来ています。 目連は母が死後餓鬼界に落ちて苦しんでいるのをみて、助けようとします。 釈尊に「7月15日に僧侶に供養をするように」と言われ、その通りにしたところ、母が救われたということです。 このことから、7月15日を中心に先祖供養の法要を行うのが盂蘭盆会でした。

加えて日本では、祖霊信仰に基づき、先祖が私たちを守ってくれると考えられていました。 特にお盆には先祖が家に帰ってくると考えられ、初日には迎え火を焚いて家に迎え入れます。 3日間(地域によっては4日間)を先祖と共に過ごし、最後の日には送り火を焚いて別れを告げるといった習慣があるのです。 お盆とは亡くなった人と再会できる日でもあり、先祖を供養して思いをはせる日でもあるといえるでしょう。

お盆の時期は地域によって異なる?

もともとお盆は7月13日から15日(地域によっては16日)に行われていました。 しかし、明治政府が改暦を行い、新暦(今の暦)の7月は旧暦の7月より1か月早い時期になってしまったのです。 この時、地域によって対応が異なり、その結果お盆の時期にもずれができました。 また、農作業などの都合でお盆の日にちをずらした地域もあります。

新のお盆

「新のお盆」は、7月盆・東京盆とも呼ばれます。 新暦の7月13日~15(16)日をお盆とする考え方です。 旧暦のお盆よりも約1か月早い時期に行うことになりますが、7月13日という日付を重視した結果、この時期になったといわれています。 「新のお盆」の習慣があるのは、多摩地区を除いた東京・神奈川・静岡の一部・函館・金沢等です。

ちなみに、新盆(しんぼん・あらぼん)とは、四十九日が明けてから初めて迎えるお盆のことで、初盆とも呼ばれます。 お盆の時期を表す「新のお盆」とは意味が違うので注意が必要ですね。 新盆の時は法要を行う等、いつものお盆より手厚く供養するのが一般的です。

勝手盆

東京都内でも多摩地区では7月30日~8月1日にお盆を行う習慣があります。 地名を取って「田無盆」「小金井盆」と呼ばれたり、「勝手盆」ともいわれる習慣です。 この地域では養蚕が盛んで、7月13日前後は忙しい時期にあたります。 そのためお盆の日にちをずらしたと言うことです。

旧盆

地域によっては、旧暦の7月13日~15(16)日にお盆を行っているところもあります。 北海道、東日本の一部、関西地方、沖縄などにみられる習慣です。 旧暦の7月13日は、新暦だと8月中旬ですが、毎年日にちが異なることになります。 例えば、令和3年だと旧暦の7月13日は8月20日、令和4年なら8月10日となるのです。

月遅れ盆

月遅れ盆とは、新暦の8月13日から15(16)日をお盆とする習慣です。 7月から1か月遅いために「月遅れ」と呼ばれます。 このような形で行う地域は多く、全国各地で見られるものです。 別名を8月盆ともいわれます。 この場合、旧暦の7月13日とぴったり同じではありませんが、大体同じくらいの時期にお盆を行うことになりますね。

お盆の準備

精霊棚と盆提灯

お盆の時は、仏壇の前に精霊棚という棚を置きます。 飾るものは地域によって異なりますが、例えば精霊馬があります。 藁で作った馬を買ってきたり、キュウリに足を付けた馬・ナスに足を付けた牛を作って、飾り付けます。 この他、飾るものとしてはほおずきや水の子(ハスの葉の上にキュウリとナスを刻んだものを載せる)夏野菜等がありますね。 精霊棚の横に置く盆提灯の準備をしておくことも必要です。 飾る品物や方法については、地域や宗派によって違うこともあるので、年配の親戚などに聞いておくとよいでしょう。

お墓の掃除

お盆の時はお墓参りに行くのが通例です。 お盆の前にしっかりと掃除をしておきましょう。 草が生えていたら草取りをし、水をかけて墓石を拭き上げます。 花生けの中もきれいにして、新しい花を供えるようにしましょう。 当日親戚なども来てお墓参りをするなら、線香やマッチも十分な用意が必要です。

法要・棚経の準備

新盆(初盆)の時は、法要を行うことがあります。 この場合、事前に菩提寺に連絡し時間を打ち合わせておくことが必要です。 法要後の会食や参列者への連絡、お布施や香典返しの準備などもしておきましょう。 なお、地域や宗派によっては棚経と言って、初盆以外でも読経をお願いする場合があります。

お盆期間中にすること

お盆の初日

お盆の初日には、精霊棚を準備した上で「迎え火」をします。 迎え火のやり方は地方によって異なりますが、よくあるのはオガラというものを玄関先で焚くことです。 オガラというのは麻の枝を干したものですが、これを折りたたんで皿などの上に乗せ、火をつけます。 「迎え火」をすることで、家に帰ってくる先祖が目印にするといわれているのです。 迎え火は初日の夕方、比較的早い時間に行います。

オガラはお盆が近くなると、精霊馬などと一緒に仏具店やスーパーなどで売られているので確認してみるとよいでしょう。 地域によってはお墓でオガラを燃やし、その火を提灯に移して自宅に持って帰るという習慣のところもあります。 マンション住まいの人などは、家の周りで火を焚くのが難しいので、盆提灯を灯すだけにする方法も。

2日目~3日目

お盆の2~3日目は、先祖がうちに帰ってきて一緒に過ごす期間とされています。 そのため、親戚などが訪ねてきて共に亡くなった人を偲んだりするのです。 また、この期間に棚経や法事をお願いすることもあります。 その際は、親戚やお坊さんの分も含めて会食の用意をすることになりますね。 この期間、精霊棚に供えた水などは毎日取り換え、花や野菜を供えているときは清潔に保たれているか確認しましょう。

お盆の最後の日

お盆の最後の日は、「送り火」をします。 「送り火」というのは、うちに帰ってきたご先祖を送り出すための儀式です。 夕方、「迎え火」よりもやや遅い時間に行います。 火の焚き方は「迎え火」と同じです。

お盆の片付け

お盆で用意した精霊棚などの片づけは、送り火が終わってからにします。 最終日に当たる15日(又は16日)の夜か、翌日までには片付けましょう。 ナスで作った精霊馬や水の子、ほおずきなどは処分します。 昔は川に流したり、庭で燃やしたりしたものですが、今は条例違反になってしまうこともあるので、それぞれの自治体の決まりに従って捨てるようにしましょう。 盆提灯はほこりを払ってたたみ、防虫剤を入れてしまっておきます。 お供えした果物やお菓子がたくさんあるようなら、お盆に来てくれた親戚に分けて持ち帰ってもらってもよいでしょう。

お盆の行事・風習

盆踊り

盆踊りは全国各地でみられるお盆の行事です。 音楽や太鼓に合わせて皆で踊るもので、広場にやぐらをたててその周りで行う形と、道を踊りながら練り歩く形があります。 もともと盆踊りは、先祖の霊を迎え供養する行事でした。 ただし、今では地域振興や観光の目玉になるなど、娯楽としても楽しめる行事となっています。 有名なものとしては、徳島県の阿波踊り、高知県のよさこい祭り、沖縄県のエイサーなどが挙げられます。 地域で行う小規模の盆踊りも各地で見られ、ソーラン節・炭坑節・東京音頭など有名な盆踊りの曲に合わせて浴衣姿で踊るのは、夏の風物詩ともいえるでしょう。

大文字焼

大文字焼とは、山の斜面に大の字をかたどった火を燃やす行事です。 送り火として、お盆最終日の夜に行われます。 有名なのは、京都の「五山送り火」。 京都の送り火では大文字だけでなく、「妙」と「法」の字や「舟」「鳥居」の形に火がともされます。 その他、神奈川県箱根町・岩手県平泉町・静岡県三島市・山梨県笛吹町などでも大文字焼が行われていますよ。 送り火としてだけでなく、戦没者慰霊の意味をこめて始められた地域もあるそうです。

精霊流し・盆舟

精霊流しとは、新盆の行事で、精霊舟と呼ばれる舟を「流し場」と呼ばれる場所に運んだり、その後海や川に流したりするものです。 有名なのは長崎県ですが、熊本県や佐賀県でも行う地域があります。 精霊舟には遺影・位牌と共に盆提灯や花等が飾られており、亡くなった人の霊を乗せ見送ることを意味しています。 なお、新盆以外は、精霊棚に敷いた菰(こも)に供物を包んで流し場に持っていくだけで舟は用意しません。 精霊流しと似たような行事は、宮城県でも見られ、新盆の際わらで作った「盆舟」を海に流します。 ただし、最近では海を汚さないようにするため、お寺に盆舟の安置所を設けたり、市町村で舟を回収してくれるところも。 青森県大河原の「火流し」も精霊流しに似ていますが、大きく違うのは3メートルもの舟に火をつけ、川に流すという点。 これらの「舟を流す」行事は、いずれも先祖を見送るお盆の最終日に行われています。

お盆だけでなく自身の老後や死後についても考えてみませんか?

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