独身でも一戸建て?メリットやデメリット、購入時の注意点とは

公開日: 2021年09月17日

更新日: 2022年04月09日

  • くらし全般

独身の人が「家を購入したい」という時、マンションか一戸建てか迷うかもしれません。 一戸建ての購入には、どのようなメリットとデメリットがあるでしょうか。 持ち家の中でも、一戸建ての購入を検討する時のポイントを解説します。 特に独身の人の場合、一戸建てを買うなら、どのようなことに注意しながら物件を選ぶべきかという点も見ていきましょう。

「独身で一戸建て」その選択肢の背景とは

独身者が一戸建てを購入する、ということは、従来あまり考えられないことでした。 配偶者や子供がいないのなら、賃貸に住むか、買うとしてもマンションという選択をする人が多かったのではないでしょうか。 しかし、最近では独身でも一戸建ての購入を選択する人が出てきたのです。 その背景には、どのような状況があるのでしょうか。

生涯未婚率の増加

最近では、生涯結婚しない、という人が増えています。 厚生労働白書(平成27年度)では、生涯未婚率は男性で24.2%、女性で14.9%となっており、その割合は増加し続けていることが示されているのです。 従来は「結婚するのが当たり前」という社会でしたが、近年では価値観の変化から独身を通す人が増えています。 そのため、未婚のまま家を買うという選択も出てきたといえるでしょう。 また近年女性の社会進出が進み、経済力のある独身女性が増えてきています。 このような社会の変化の中で、独身で一戸建てを購入という選択をする人も出てきているのです。

経済的な事情

最近では低金利の状態が続いており、住宅ローンも固定金利で1%前後、変動金利も固定金利より低くなっています。 このことが、家の購入に有利な状況となっているのです。 また、住宅を買う際には優遇税制も用意されています。 住宅ローン減税や住民税控除を、受けられる可能性があるのです。 賃貸住宅の場合、月々の家賃や数年ごとの更新料を払う必要がありますが、その代わりにローンで住宅を買った方が自分の資産にもなるというメリットがあります。 このような状況が、独身でも「戸建てを買ってみようか」という選択につながっているのではないでしょうか。

独身で一戸建てを購入するメリット

間取りの自由度が高い

一戸建ての何よりの良さは、間取りの自由度が高いことです。 自分の好きな間取りにしたり、必要があればリフォームで自由に変えることもできます。 例えば、屋根や外壁、玄関や門を含めた外観を自分の好みの雰囲気にすること。 内装も、自分のセンスに合った壁紙や建具でそろえることが可能です。 吹き抜け、屋上庭園、アイランドキッチンなどに憧れる人もいるかもしれませんが、それを実現できるのは、一戸建てならではといえるでしょう。 また、リフォームが自由にできるという点も、一戸建てのメリットです。 生活の変化や気分に合わせて、自由に部屋を作り替えることが可能になります。

プライバシーの確保と優れた騒音対策

一戸建ての場合、集合住宅と比べてプライバシーを守りやすく、騒音対策の面でも優れているといえます。 集合住宅では、お互いの家が直接くっついているので、何かとプライバシーを守りにくいのですが、戸建ての場合は少し離れているので、気遣う場面が少ないのです。 マンションなどでは、周囲の部屋から生活音が響いたり、ピアノの音に悩まされることもある一方で、自分自身も近所に迷惑をかけないように気遣いが必要ですね。 その点、一戸建てなら、周りの音も自分の出す音も近所に伝わりにくく、気にする必要が少なくてすみます。 料理やタバコの匂いで悩むことも少なく、神経質にならずに生活ができるでしょう。

趣味が楽しみやすくなる

一戸建てに住んでいる人なら、マンション住まいとは異なり、趣味を思う存分楽しめます。 庭があることや、間取りの広さ、音を気にせずに済むことで、趣味の範囲が広がるのです。 例えば、庭があればガーデニングを好きなように楽しめます。 ベランダで育てるよりも、植物がすくすくと育ち、目を楽しませてくれるでしょう。 楽器演奏や音の出る工作も、マンションでは思う存分楽しめません。 マンションではペットを飼うことが禁止されていたり、飼ってもよいペットの種類に制限があったりします。 その点一戸建てなら、比較的気にせずに音を出したり、好きなペットを広い部屋や庭でのびのびと飼うことができるでしょう。

土地の資産価値が残る

家や土地は不動産という資産であり、購入すれば自分のものとして残ります。 当然のことですが、賃貸住宅では、いくら家賃を払い続けても自分のものになるわけではありません。 一戸建てを購入すれば、住宅ローンを払うことになりますが、金利以外は自分のものになります。 またマンションのような建物は、築年数が経過すると段々と価格が落ちるものですが、土地の資産価値は落ちにくいというメリットもあります。 独身の方の場合、年を取ったら老人ホームに入るということもあるかもしれません。 そんな時、家の土地を売れば資金を調達できる可能性があるのです。

部屋を分けられる

一戸建ての場合、居住スペースが増え、自分で自由に仕切りを変えやすいというのも利点の一つ。 集合住宅では、スペースが限られており、同じ部屋で食堂・収納・書斎・寝室を兼用する、ということになりがちです。 その点、一戸建てなら目的に応じて部屋を分けることがしやすくなります。 最近では起業やリモートワークが広がり、自宅で仕事をする人が増えてきています。 そのような人たちにとって仕事と生活のスペースを分けられることは大きなメリットといえます。 また、必要に応じて収納用のスペースを作ることもできるでしょう。本や趣味のコレクションなどが多い人は、書庫やコレクションを格好よく飾るスペースを作るなど、楽しい工夫が可能です。

独身で一戸建てを購入するデメリット

保険料が高くなる

日ごろ、生命保険や医療保険に加入している人は多いと思いますが、一戸建てを購入すると、火災保険・地震保険への加入も検討する必要があります。 その保険金の負担が、重くなる可能性があるのです。 特に、ローンを組む際には火災保険に加入することを求められます。 一戸建ての場合、火事や台風などの自然災害で家が破損した時、建て替えや補修にお金がかかるため、火災保険に入ることは必須といえます。 また、自然災害の中でも、地震やそれに伴う火災による被害については、火災保険だけでは保険金が下りません。 別途、地震保険にも加入しておく必要があるのです。

ご近所付き合い

一戸建ての場合、ご近所とのお付き合いが面倒、という人もいます。 集合住宅とは異なり、細やかなお付き合いを求められる可能性があるのです。 地域によっては、近隣の自治会に入会を求められることもあります。 自治会への入会は義務ではありませんが、特に一戸建ての場合は、入会が当然とされている所もしばしば。 自治会を通じて、ごみ集積場の掃除や、回覧板を回す、時には自治会の役員といった仕事が回ってくるかもしれません。 このように、一戸建ての場合、集合住宅とは異なり、ご近所の方との連携をうまく取りながら生活しなくてはいけないことがあるのです。 特に、人付き合いが苦手な人、忙しい人にとっては、少々面倒と感じられるかもしれません。

庭・外構の手入れ

一戸建てに暮らす場合、定期的に庭や外構の手入れをする必要があります。 植栽の剪定や草取り、玄関先や周辺道路・カーポートの掃き掃除などをしておかないと、見苦しいだけでなく近隣にも迷惑をかけるかもしれません。 庭木や垣根の手入れには、結構手間がかかります。 植木屋に依頼すれば費用がかかるし、自分で手入れしようと思うと綺麗に仕上がらなかったり、庭木を枯らしてしまうことも。 落ち葉や枯れ枝などを放置すれば、近隣からのクレームも出ます。 夏場に一人で草取りをするのは、長い時間と労力がかかる可能性があるでしょう。

防犯・防災を自分で行う

一戸建てを購入した場合、集合住宅のような管理人や大家がいません。 そのため、防犯や防災に関しては自分で対策をする必要があります。 特に独身の人は、家に誰もいない時間が長くなるので、注意が必要です。 カメラ付きインターフォンや防犯カメラを設置した方が安心ですが、その設置費用は自分で負担する必要があります。 場合によっては、侵入に備えてセンサーを設置したり、警備会社と契約した方が安心かもしれません。 また、火災やガス漏れに備えた報知機や、消火器具も自分でそろえる必要があります。 防災や防犯に関して、自分で何もかも準備し、いざという時には自分一人で対処しなくてはならないので大変と感じるかもしれません。

簡単に買い替えができない

一戸建ての購入は、大きな金額と手間が必要な買い物です。 一度買ってしまうと、そう簡単に買い替えることはできません。 もし、「今が買い替えに最高なタイミング」と感じても、まだローンが数十年分残っていれば、買い替えは難しくなります。 また、売却しようと思っても、買い手がつくかどうか、思い通りの価格で売れるかどうかは分かりません。 急にまとまったお金が必要になった時や、違う地域で生活したくなった時などは、困る可能性も考えておく必要があるのです。

独身で一戸建てを買うときのポイント

老後を考慮すること

自分の家で老後を過ごすことを想定して、バリアフリーは意識しておきましょう。 部屋の入口の段差をなくしたり、車いすでもスムーズに移動できる広さを確保しておくことが必要です。 お風呂やトイレのドアを、軽い力で動く引き戸にしておくという工夫もあります。 このようなリフォームは、老後に行うこともできますが、最初から準備しておくと作り直す負担が減りますね。 また、道路から玄関に入るまでのスペースに段差があると、足腰が弱った時、家に出入りがしにくくなります。 できるだけ、フラットな場所を選んでおくと安心です。

ライフスタイルの変化に注意すること

今は結婚していなかったとしても、いずれご縁ができれば、相手の職場に合わせて転居が必要になるかもしれません。 また、転職・転勤で引っ越さなくてはならないこともあるでしょう。 このような可能性があるなら、家をどうするか考えておく必要があります。 賃貸に出すのか、売却するのか、という点も検討しておきましょう。 また、病気になったり、親の介護で仕事を続けられなくなった場合などは、収入が減る可能性があります。 そんな時、ローンの支払いをどうするのか、という点も考えておきましょう。

資産価値の高い物件を選ぶこと

一戸建てを購入するときは、その物件の資産価値に注意しましょう。 購入したものは、自分の資産になり、将来に渡って生活を支えるものとなるからです。 資産価値のない物件を購入すると、後で資金が必要になっても、思うような価格では売れません。 場合によっては、なかなか換金できないということにもなります。 なお「資産価値」とは、単に価格が高いということではありません。 将来にわたって「価格の落ちにくい」物件を買うことが大切なのです。 立地条件や建物の耐久性などをチェックして、転売しやすいかどうかを確認しましょう。

住宅ローン減税を利用したい場合

ローンを使って住宅を購入した時は、所得税からの控除を受けられることがあります。 住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)といいますが、これを受けるためには一定の条件を満たす物件でなければいけません。 例えば、新築なら床面積が50㎡以上で、かつ、半分以上が自身の居住スペースであること。 中古の場合は、住宅性能評価書(耐震等級1以上)の取得や築年数などの条件のうちいずれか一つをクリアしていること、があります。 その他、自身の年間所得やローンの返済期間などの条件もあるので、住宅ローン減税を受けたい人は、この条件を満たせるかどうか確認しましょう。

独身で一戸建てを選ぶなら購入後の生活を想像して

独身で一戸建てを買う、というのは、贅沢なようにも思えます。 しかし、一戸建てには集合住宅にはない利点がたくさんあるのです。 ゆとりのある個性的な生活が、一戸建てでは可能かもしれません。 その一方で、ご近所づきあいや庭の手入れなど、生活上で様々な面倒なことが出てくる可能性があります。 資金面や転売の可能性なども見据えながら、慎重に物件を選ぶことが大切です。

住まいを選び老後の生活を考え始めた独身の方へ

よい住まいを選ぶことは、いきいきとした生活を送る上では重要なことです。 住まいについて検討することをきっかけに、ご自身の老後の暮らしについて思いを巡らす独身の方も多いのではないでしょうか。 独身の方の中には、身近に頼れる相手がいないといった方もいるはずです。 そうした方で、身近に身元保証を頼める人がいない場合、介護が必要になった時や病気で入院した時など、緊急時の対応に困る場面が出てきます。 そうした方は、身元保証をしてくれる会社や団体を頼ってみてはいかがでしょうか。 様々な身元保証の会社や団体がありますが、例えば「身元保証相談士協会」があります。 身元保証相談士協会は、高齢者施設への入所時や病院への入院時の際の身元保証から、希望の供養・葬儀を執り行うなど、いわば「家族代行」をしてくれる一生涯のパートナー的存在です。 老後の生活に不安を感じることがありましたら、まずは無料相談を利用してみるとよいかもしれませんね。

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