【例文付き】一周忌の挨拶のマナーや注意点とは?施主・参列者・手紙

公開日: 2021年03月11日

更新日: 2022年04月22日

  • 葬儀・供養

故人が亡くなってから大きな節目となる一周忌。 大切な一周忌の法要を滞りなく進めるためには、喪主としての挨拶が大切です。
しかし、一周忌の挨拶としてどんな内容を話すべきなのか、迷うかもしれません。
そこで、法要やその後の会食での挨拶、僧侶への挨拶などはどのようにしたらよいか確認しましょう。 また、法要に参列する立場での挨拶や欠席する際の手紙の書き方についても解説します。

一周忌の挨拶は誰が行うの?

一周忌では法事の前後に挨拶がありますが、これは基本的に施主が行うものです。 施主とは遺族の代表であり、法事を主催する人のことを指します。
具体的には故人の配偶者(夫や妻)、子供などが施主になることが多いようです。
亡くなった人に配偶者がいない場合などは、兄弟姉妹など一番近しい親類縁者が施主になるケースもあります。
ただし、施主が高齢などで挨拶がうまくできない等、事情がある場合は他の親族が代わりに行ってもかまいません。

一周忌の流れ・挨拶のタイミング・長さ

一周忌での施主の挨拶は基本的に法事の始まりと終わりを告げるもので、できるだけ簡潔に行います。 挨拶の時間は1分~数分で終わるものと考えましょう。 法事の流れとしては以下の通りになります。

僧侶入場

全ての参列者がそろい、着席します。 開始時間になったら僧侶に会場へ入場していただきます。 全員が着席したことを確認してから、僧侶をご案内するようにしましょう。

施主の挨拶

施主として、法事に参列して下さった方への御礼を述べます。 次に、法事の開始を告げ、ご僧侶の紹介を行い、読経していただくようお願いをします。

読経・焼香

ご僧侶が読経を行い、その間、参列者が順次お焼香をします。 前方の席に座っている一番近い親族から順番に焼香を行い、親戚がすべて終わったら友人等が焼香をする流れとなります。 全員がお焼香を終えると、読経も終わります。

僧侶からの講話

一般的には、ここで僧侶からお話があります。 遺族を慰めるお話や法話が行われます。

納骨式

一周忌のタイミングで同時に納骨を行う場合があります。 お墓を開けてお骨をおさめる儀式です。 この後、もう一度僧侶による読経があります。

お墓参り

ここで参列者がお墓参りをします。 こちらも近しい親族から順番にお焼香を行うのが通例です。 お墓が遠方にある場合などは省略されることもあります。

施主挨拶

ここで施主が法事の終了を告げる挨拶を行います。 このあと会食がある場合は、そのことを案内し、場所や移動方法をお知らせするようにしましょう。

会食

一周忌法要のあとは、参列した人と会食を行うことが多いです。 この会食はお斎(おとき)とも呼ばれます。 これは故人をしのび、供養の思いを表すものです。 また、読経していただいた僧侶や参列して下さった方への感謝の気持ちを表す意味もあります。 ただし、場合によっては会食の代わりに折詰をお渡ししたり、参列者にはお食事代、僧侶には御膳料をお渡しするというケースもないわけではありません。

【喪主】一周忌の挨拶

法要前

僧侶が入場した後、まずは施主が挨拶を行います。 会場にいる人に、参列していただいたことへの感謝と法事の開始を伝える内容です。
また、僧侶を紹介し、法事を始めていただくようお願いをします。 ここではできるだけ簡潔な挨拶にしましょう。

例 「皆さま、本日は遠いところをお集まりいただき誠にありがとうございました。 これより、故○○の一周忌法要を始めさせて頂きます。 本日の法要は、○○寺のご住職○○様に執り行っていただきます。 それでは○○様よろしくお願いいたします。」

「遠いところ」という部分は、参列者や天候に合わせて「御多用のところ」「あいにくのお天気の中」などアレンジしましょう。
最初は参列者の方を向いて挨拶し、最後に僧侶に始めていただくようお願いする際は、僧侶の方を向いて話します。

法要後

法要が終わったら、再度施主が挨拶を行います。 無事に終わったことへの感謝を僧侶と参列者に伝えましょう。 それに加えて、このあとの予定を伝えることも必要です。

例 「本日、○○寺ご住職○○様の導師と、皆様のご参列をいただき、無事に故○○の一周忌法要を終える事ができました。 亡き父もさぞかし喜んでいることと思います。 故人にかわり心より御礼申し上げます。 ありがとうございました。 このあと細やかではございますが、お食事の用意がございます。 お時間の許す限り、お付き合いいただければと思います。 本日はお忙しい中お時間を頂戴し、誠にありがとうございました。」

このあと料理店などに移動する場合は、車の停車場所などを丁寧に案内しましょう。 なお、会食の前に納骨やお墓参りを行う場合は、挨拶は簡単にし、移動する手順をしっかりお伝えします。

納骨式

納骨式は四十九日に行われることもありますが、一周忌を機に納骨を行う場合もしばしばです。 納骨式を行う場合は、式の最後に施主が挨拶を行います。 納骨は、葬送の一連の流れの中で一つの大きな節目となります。 悲しい中にも、一つの節目を迎えたことを表す前向きな挨拶が望まれます。 ただしお墓の前で皆を立たせたまま行うものなので、こちらも簡潔に行うようにしましょう。 納骨・読経・お焼香が済んだら挨拶をします。

例 「本日はお忙しい中、故○○の一周忌法要および納骨式にご参列頂き、ありがとうございました。 故人が亡くなって一年がたちますが、私たち家族もやっと前を向いて生活できるようになりました。 きっと亡き父も安心していることと思います。 これも皆様の励ましのおかげと感謝申し上げます。 この後、細やかではありますが、お食事の用意がございます。 お時間があります方は、ぜひこの後もお付き合いいただけたらと存じます。 本日は誠にありがとうございました。」

会食前

参列者がそろい、席に着いたらまずは施主が挨拶をします。 施主挨拶の後に「献杯」があるので、宴席やお酒(未成年にはジュースなど)の用意が出来ているか確認したうえで始めましょう。

例 「本日はお忙しい中、故○○の一周忌法要(ならびに納骨式)にご参列頂きありがとうございました。 おかげ様で無事に法要を終える事ができました。 故人にかわりまして深く御礼申し上げます。
細やかながらご供養のお食事を用意いたしました。 お時間の許す限りゆっくりとお過ごしいただけたらと存じます。」

この後、献杯を行います。 施主以外が献杯を行う場合は「はじめに○○様から献杯のご発声を頂けたらと思います。○○様よろしくお願いいたします。」と述べて引き継ぎます。

会食後

食事が一通り終わったら、施主が締めの挨拶をします。 法事・納骨式・会食と長時間付き合っていただいたことへの感謝を伝え、集まりの終了を告げる内容です。

例 「本日は長時間にわたりお付き合いいただき大変にお疲れ様でした。 また、懐かしいお話をお聞かせ頂き、ありがとうございました。 故人も皆様とお会いできて、さぞかし喜んでいることと思います。 これをもちましてお開きとさせて頂きます。 どうぞお帰りの際は、お足元にお気をつけてお帰り下さい。 本日は誠にありがとうございました。」

挨拶が済んだら、僧侶や参列者をしっかり見送るようにしましょう。

【その他】一周忌の挨拶、こんな場面でも慌てない!

お布施を渡す際の挨拶

①法要前

法要が始まる前には、必ず僧侶にご挨拶をしておきましょう。 法要を執り行っていただく感謝を伝えるとともに、当日の段取りや会食について確認しておく必要があります。
お寺で法事を行う場合は僧侶のお部屋に案内を請い、挨拶に伺います。 お寺以外の会場で行う場合は、僧侶が来られたらまずは控室にご案内し、座ってからご挨拶をしましょう。
その際にお布施もお渡しするのが基本です。 この後、法事・納骨式・会食と忙しくなるので、ここでお渡ししておくと忘れずにすみます。

例 まずは「本日はお世話になります。 (当日初めてお会いする場合は、長男の○○ですといった自己紹介もしておきましょう。) よろしくお願いいたします。」

等と挨拶をします。
次に、お盆に乗せたお布施を差し出し「こちらをお供えください。」と述べます。
お布施の向きは僧侶から見て正しい方向になるように気を付けましょう。 お盆を使わず、袱紗(ふくさ)から出してお渡しする方法もあります。

②法要後(僧侶が会食に参加)

僧侶の到着がぎりぎりになるなど、法要の前にあまり時間がないときがあります。 この場合は、法要の前は簡単な挨拶のみですませ、終わった後に落ち着いてからお布施をお渡ししましょう。

例 「本日は大変にお世話になりました。 心のこもったご供養をありがとうございました」

等と述べます。
その上で、「こちらのお供えをお願いいたします」とお布施を渡します。
この後、「お斎(おとき)を用意してありますので、どうぞご一緒によろしくお願いいたします」と述べて、会食の会場へご案内します。

③法要後(僧侶が会食に参加しない)

あらかじめ僧侶が会食に参加されないとわかっているときは、以下のようにご挨拶しましょう。

例 「本日は大変にお世話になりました。 心のこもったご供養をありがとうございました。 こちらのお供えをお願いいたします」

などと述べてお布施を渡します。
会食に参加されない場合は、「御膳料」と「お車代」も一緒にお渡しします。
御膳料、お車代の包みの一番上にお布施を置くようにしましょう。

④会食後

僧侶が会食に参加された場合は、お布施をお渡しするのは会食の後でもかまいません。
ただし、他の参列者の見送りなどもあり慌ただしいため、できれば会食前にお渡しするようにしたいものです。
会食後にはお布施と共に引き出物をお渡しします。 お布施をすでにお渡ししてあった場合も、引き出物は荷物になるので、必ず会食後にお渡ししましょう。

例 「本日は大変にお世話になりました。 長い時間にわたり、ありがとうございました。 こちらのお供えをお願いいたします」

といった挨拶とともにお布施と引き出物をお渡しします。
引き出物は会食の際、各人の席に置いておくこともあります。 この場合も僧侶の分を一番最初に配りましょう。

献杯を依頼された時の挨拶

献杯とは、故人にお酒をささげること。 会食を始める際に施主が自分で行うこともありますが、親族の中で年長の人や、故人と親しかった友人などにお願いすることもよくあります。
故人の分のお膳にお酒を用意し、そのあと全員にお酒がいきわたるようにします。 グラスなどをささげた状態で、献杯の挨拶をしましょう。

例 (施主が行う場合。会食前の挨拶に続いて) 「本日は皆様と共にゆっくりと故人の思い出を語りたいと思います。 それでは、献杯のご唱和をお願い致します。献杯」
例 (友人が行う場合。施主からの紹介を受けて) 「ただいまご紹介いただきました○○でございます。 故人とは、学生時代から長い間親しくしていただきました。 ご親族の皆様と共にこのような集まりに参加させていただき、大変に恐縮です。 それでは僭越ながら献杯をさせていただきます。 どうか皆様ご唱和ください。献杯」

「献杯」の声に合わせて全員がグラスなどを掲げますが、乾杯とは異なり、グラスを打ち合わせたりはしません。
また、必ずしもグラスを飲み干す必要はなく、口をつけるだけでも大丈夫です。

【参列者】一周忌の挨拶

会場到着時

まずは受付で到着したことを知らせることが大切です。 こちらでは名前を名乗り、「本日は参列させていただき恐縮です」「お招きいただき恐縮です」などと挨拶しましょう。

遺族と対面した時

ご遺族と対面した際は、率直にご遺族をいたわる言葉をかけましょう。 「この一年何かと大変でしたね」「その後お変わりはありませんか」といった言葉が挙げられます。

香典を渡す時

受付でお香典をお渡しするときは、「心ばかりですが」「どうぞお供えください」などという言葉と共に差し出します。 短い挨拶でかまいませんが、黙って差し出すようなことがないように注意しましょう。

帰宅時

法要や会食が終わって帰宅する際は、必ず遺族に一声かけることが必要です。 黙って帰ってしまうのは礼儀に反します。 「本日は参列させて頂いて、ありがとうございました」 「どうかお体に気を付けてお過ごしください」など、感謝やいたわりの言葉をかけましょう。

一周忌を欠席する場合の手紙での挨拶文

弔電

一周忌にどうしても参列できない時は弔電を打つのも一つの方法です。 遺族をなぐさめ、故人への思いを表す言葉を弔電で伝えましょう。
NTTの「お悔やみ電報」では一周忌向けの文例もあります。 自分で文面を考えるとすれば、哀悼の意や参列できないことへの謝罪、故人の冥福や親族の健康を祈るといった内容が挙げられます。

例 「○○様の一周忌にあたり、心より哀悼の意を表します。 この度は参列することがかないませんことをお詫び申し上げます。 遠くからではありますが、故人の冥福と共にご家族の皆様のご健康を祈っております。」

手紙

欠席の際は電話で知らせるだけでなく、手紙を書くと真心を伝えられます。 まずは、お悔やみと参列できないことへのお詫びを書きましょう。 次に故人との思い出など、参列していたら話したかったことを書くと気持ちが伝わります。 最後に故人の冥福とご遺族の健康を祈る言葉で締めくくるとよいでしょう。

例 「一周忌のご連絡をいただき、もう一年もたったのかと悲しみを新たにしております。 法要にはぜひとも参上しなくてはならないところ、どうしても都合がつかずお伺いできないことをお詫び申し上げます。 生前、○○様に温かく励ましていただいた思い出は今でも心の支えとなっております。 深く感謝申し上げるとともに、ご冥福をお祈り申し上げます。 ご遺族の皆様におかれましては、どうかお身体に気を付けてお過ごしください。」

一回忌で挨拶する際のマナー・注意するべき点

忌み言葉を使用しない

一周忌に限らず、葬儀や法要で口にしてはいけないとされている言葉があります。 忌み言葉といって、縁起が悪い言い回しを避ける習慣があるのです。
例えば、「重ね言葉」といって「重ね重ね」「いよいよ」「ますます」といった言葉は、不幸が「重なる」ことを連想させるために忌み言葉とされます。
また、「浮かばれない」「死ぬ」などといった不幸を直接連想させる言葉も避ける必要があります。 挨拶の際はこのような言葉が入らないようにしたり、他の言葉に言い換えたりしましょう。

挨拶は短く簡潔に

法要の際、挨拶はできるだけ短く済ませることが必要です。 僧侶や参列者を待たせたまま長く話すのは避けましょう。
法要を進めていくために必要なことを中心にし、それ以外のことは最小限にすることを心がけましょう。 故人への思いなどは、法要が終わった後の会食などで個々にゆっくりと語り合うようにするとよいのです。

法要に関係ない内容は慎む

一般に人前で挨拶をするときなどは、お天気の話などから始めることもありますよね。
しかし、法要の場では故人のこと以外の話題を入れる必要はありません。 故人と関係ない自分のことなどは、挨拶の中で触れないようにしましょう。
献杯の時などには特に注意が必要です。 無駄を省き、落ち着いた雰囲気で進めていくことが大切です。

故人のマイナスになる話は避ける

いくら故人の話をするといっても、その失敗談や噂話などをすることは避けましょう。
親しい仲だったとしても遺族にとっては不愉快なものです。 思い出を語る場合には、だれが聞いても問題がないような話題に限ります。

落ち着いて話す

辛い場合もあるかもしれませんが、一周忌の挨拶ではできるだけ落ち着くようつとめたいものです。 泣いたり取り乱したりすると、参列した方たちを困らせてしまうことになります。 故人が亡くなって1年がたったといっても、思い出すと悲しみがこみあげてきたりするのは自然なことです。
しかし、法要の落ち着いた雰囲気を壊してしまうようでは故人が喜ぶとは思われません。 できるだけ落ち着いて挨拶するようにし、うまくできる自信がなければ他の人に代わってもらうなどしましょう。

一周忌の法要を行わない人もいる?

実は、一周忌法要を行わない方々も多く存在します。 理由として、結婚していない、親戚と関係が希薄など、頼れる家族がいないことが挙げられます。
自分自身も、今後頼れる家族がずっといるとは限りません。 その場合、自分の供養は誰がしてくれるのか、不安に思われる方も多いのではないでしょうか。
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