一周忌のお供え物の選び方・渡す時や欠席時のマナー・御供物料を解説!

公開日: 2021年03月11日

更新日: 2022年05月18日

  • 葬儀・供養

一周忌を取り行う際、施主(法事を取り行う者)は仏前にお供えするものを用意する必要があります。 施主として、お供え物はどのように選んだらよいのでしょうか。

また、一周忌に参列者として呼ばれた際も、お供え物を持参するのが通例です。 お供え物をお渡ししたり欠席する際のマナーについても気になるところです。

そこで今回は、そうした疑問にお答えするとともに、お供え物と一緒に用意するお供物料についても併せて確認していきましょう。

一周忌のお供え物とは

故人が亡くなって一年目が一周忌。 一周忌法要を行う際は、お供物(おくもつ)とも呼ばれるお供え物を用意するのがしきたりとなっています。 一周忌ではお仏壇の周囲にお供え物を飾り付け、法要を行います。 仏様に供養のためのお供えをする、というのが本来のお供物の意味なのです。

それに加えて、お供えをすることで故人をしのび、生前に受けた恩に感謝の気持ちを表すこともできます。 法要に参列するよう呼ばれた人の場合は、お供えによって故人だけでなく遺族に対する真心を表す場合もあるでしょう。 また、法要やその後の会食などにはお金がかかるので、お供え物以外にお供物料(お香典)を持参するのは遺族の負担を軽くする配慮ともいえます。

一周忌のお供え物の相場

一周忌の場合、お供え物は一人につき3000円から1万円くらいが相場と言われています。 お花や果物かご、お菓子などの中から相場に合うものを用意しましょう。 一周忌に参列する際、お供物料(お香典)だけを持参する人もいます。 しかし、地域にもよりますがお供物料だけでなくお供え物を用意する場合が多いようです。
特に、法事を催す施主側の人ならお供え物を用意して仏前を飾ることが必要です。 子供一同、孫一同などまとめて用意する場合もあり、その場合は一つにつき1万円~2万円程度になります。 会場の広さや配置なども考え、親戚同士で相談をして用意しましょう。

一周忌のお供え物を選ぶ時のポイント

施主側の場合

施主が用意するお供物は果物かごや花かごなど。 親戚同士で相談し、見栄えがよくなるように大きさや左右のバランスを考えて決めましょう。
花ばかり、果物ばかりなどにならないよう気を付けることも必要です。 法要が終わった後、参列した人に配ることが多いので、分けやすいものを選ぶとよいですね。

友人や遠い親戚の場合

故人の好きだったお菓子や酒、地元の名物などを持参する人もいます。 ただし、法事なので肉や魚などは避け、長持ちしないものもやめましょう。
華やかすぎるパッケージのお菓子なども不向きです。 どうしてもお供えしたいと思うなら、包み紙を地味なものにしてもらうなど工夫しましょう。

一周忌に送るおすすめのお供え物とその相場

お花(供花)

お供え物としてよく使われるのが花です。 花の種類はユリや菊、胡蝶蘭などが多いようですが、故人の好きだった花なども喜ばれます。 葬儀社や花屋さんなどにお願いすると、予算に応じて花かごやフラワーアレンジメントを作ってくれます。
胡蝶蘭などは鉢植えのものなどもありますが、持ち帰ることを考えてプラスチックの軽い鉢を選びましょう。 「一周忌のお供えに使います」と伝えると、リボンやラッピングも落ち着いたものにしてもらえます。
早めに予約しておかないとイメージにあった花が用意できないことがあるので、注意しましょう。 最近ではネットの花屋さんでも注文して届けてもらえますよ。 値段としては5000円から1万円くらいです。

果物

果物もお供え物としてよく使われます。 リンゴや夏みかん、メロン、パイナップルなど丸くて傷みにくい果物をかごに詰め合わせて飾ったりします。 施主側が用意する場合、葬儀社などに頼むと果物かごを作ってもらえます。 デパートなどの果物屋さんで相談してあつらえることもできますよ。法要が終わった後、参列した人に配るため、あまり熟しきっていないものが向いています。 参列者としてお供物を持参する場合も、「傷みにくい」「配りやすい」といったことを考えて選びましょう。
暑い時期などは、缶詰やゼリーなどを果物のかわりに使うのも一つの方法です。 相場としては5000円から2万円くらいまでとなります。

お菓子

和菓子や洋菓子もお供え物としておすすめの品です。 なぜなら誰にでも喜ばれ、扱いやすいものが選べるからです。 いずれも生菓子やクリームを使ったものなどは、傷みやすいので避けましょう。
チョコレート菓子なども、暑い時期は持ち運んでいるうちに溶けてしまう心配があります。 また、切り分けて食べるようかんやカステラなどは配りにくいので要注意です。
一口サイズでしっかりした個包装になっているものにしましょう。 必ず賞味期限を確認し、個包装の状態で一か月以上は日持ちするものを選ぶと無難といえます。
パイ菓子などは持ち運んでいるうちに崩れやすいので、壊れにくい焼き菓子やおせんべいなどがおすすめです。 お菓子は3000円代くらいから選べます。

酒類

故人が好きだったお酒をお供え物にする、という場合もあるでしょう。 また、お酒をお供え物にして、法要後の会食で使うこともあります。
いずれにしても、お酒を飲む人がどの程度いるのか見極めてから用意することが大切です。 車を運転する人がいるようならノンアルコールのビール、子供がいるならジュースなどを用意するとよいですね。
ただし料亭などを会食に使う場合は持ち込みができないので注意しましょう。 日本酒なら一本3000円代から、5000円くらいのものが妥当です。

一周忌のお供え物につけるのし紙の書き方

のし紙・水引の種類

一周忌のお供え物・お供物料の場合、水引は黒白か双銀(銀色一色)の結びきりの物を使います。 関西では黄色と白の水引が使われることがあります。のし紙に水引があらかじめ印刷されているものを使う場合も、同様のものを選びましょう。 地域によって異なりますので、身近な人に聞いておくことをお勧めします。
なお、お菓子などの箱の包装は外のし(包み紙の外にのし紙をかける)にしてもらいましょう。

表書き・名前の書き方

表書き(のし紙の上部)は御供または御供物と書きましょう。 名前は基本的にフルネームで書きます。 ただし、子供や孫がまとめて一つのものをお供え物にするといった場合には、「子供一同」「孫一同」などとします。 果物かごなど普通ののし紙がつけられない場合は名前のみをカードに書いて添え、白黒のリボンをつけます。
友人などが「○○一同」といった形でお供え物を用意する場合は、必ず代表者の名前と全員の名前を別の紙に書いて添えるといった配慮が必要です。 3人程度なら連名で書くこともできます。

筆記用具

お葬式の時などは薄い墨を使って書きますが、四十九日以降は濃い墨を使います。 一周忌の時も濃い墨を使って書きましょう。

一周忌にお供え物を持っていく時のマナー

お供え物を持参したときは、施主以外の人が勝手に飾ってはいけません。 必ず事前に施主側の人に渡して、飾ってもらいましょう。 施主側の人は会場の状況を見てバランスよく配置を考えたりします。
一度お供え物を見せたうえで配置を手伝うのはかまいませんが、黙って勝手に置くようなことがないように注意しましょう。 施主の親類縁者の場合は、何を持っていくのか一人で勝手に決めてしまうと品物に偏りが出がちです。 お供え物の内容や金額を、親戚同士で事前に相談して用意するとよいでしょう。
一般の参列者がお供えものを施主にお渡しするときは、「心ばかりですがご仏前にお供えください」といった挨拶をします。
お菓子や小さな花かごなどは、法事が始まる直前にならないよう、早めに会場に行って渡すようにしましょう。
なお、大きめの花かごや果物かごなどは、業者に頼んで前日までに搬入してもらうと安心です。 当日、法事の落ち着いた雰囲気を壊さないように気を付けることが大切です。

一周忌の供花を送るときのマナー

一周忌の場合、お供えの花は白一色にこだわる必要はありません。 むしろピンクや黄色など色のついた花が選ばれることが多いようです。 葬儀の時であれば、華やかな色合いの花は不謹慎な印象を与えます。
しかし一周忌の場合は失礼には当たりません。 1年がたち、遺族の気持ちも落ち着いたころなので少し華やかさを添えるのもよいでしょう。
ただし、あまり匂いの強い花や、奇抜なデザインのアレンジメントは法事の場としてふさわしくないため避けたいものです。 一般に一周忌の場合、落ち着いた印象の花かごや胡蝶蘭などが多く選ばれているようです。 迷うようなら花屋さん等で相談すると、適切なものをあつらえてくれます。
大き目の花かごや胡蝶蘭などは、法要の当日に運び込むとあわただしくなります。 必ず前日までに会場に届くように手配しておきましょう。
個人で小さいアレンジメントを持参するような場合も、できるだけ早めに会場に持っていき、施主側の人にお渡しして飾ってもらうようにしましょう。

一周忌で御供物料を送る場合

お供物料とはいわゆるお香典のこと。 一周忌の場合、お供え物とは別にお供物料も包むことが一般的です。 場合によってはお供物料だけを持っていくこともありますが、両方用意する方が無難です。
包む金額は、親戚なら1万円からが相場です。 親子(義親も含む)なら1万~10万、きょうだいや祖父母なら1万~5万、叔父・叔母やいとこなどなら1万から3万までが多いようです。 友人・知人の場合は5000円程度が目安となります。
ただし、法要の後に会食があると知らされているときは、その分を上乗せして考えましょう。 食事代として5000円から1万円を上乗せして、切りの良い金額になるよう調整します。
一般的に、包む金額は奇数にするため、5000円の人なら1万円、1万円の人なら3万円ということになります。 ただし、3万円では負担が大きいといった場合、お供え物で食事代分を上乗せする、という方法もあります。
なお、故人の孫など未成年の場合は、特にお供物料を持参する必要はありません。 その場合も、親がお供え物を本人の名前で用意するなど配慮することが多いようです。

一周忌を欠席する時のお供え物のマナー

お供え物を選ぶポイント

仕事などにより、どうしても一周忌を欠席しなければならない場合もあるかもしれません。 その際も必ず、前日までにお供え物を送るようにしましょう。 贈るものとしては果物かご、お菓子、花などが考えられます。
いずれも出席する場合と同じく、果物やお菓子なら十分日持ちするものを選ぶこと。 法事が終わったあと、参列した人に配りやすい形の果物やお菓子を選ぶことが大切です。
花の場合は、アレンジメントや花かごなどにメッセージカードをつけてもらうとよいでしょう。
友人同士など何人かで出席する予定だった場合は、「友人一同」といった形で一緒にお供えを用意してもらうこともできます。 出席予定の人に早めに相談してみましょう。

お供物料について

欠席する場合、お供えに加えてお供物料を送ったり、お供物料だけを送る場合もあります。 この時も法事の後にならないよう早めに送ることが大切です。
施主側は法事の後、お供物料などをまとめて整理し、お返しを送ったりする作業があります。 後から送ってこられると迷惑になることもあるのです。郵送する場合はお香典袋にお金を包み、現金書留で送ることもできます。 また、参加する人に預けるのも一つの方法です。

お供え物に添える手紙のポイント

一周忌の法要に参加できない時は、できるだけ早く連絡しましょう。 会場や会食の都合があるので、施主としては早く出欠を知りたいところです。
欠席の場合は、できればお供え物に手紙を添えると真心が伝わるでしょう。内容としては、まず一周忌を迎えるにあたっての遺族を慰める言葉や、参列の連絡をいただいたことへのお礼を述べましょう。
次に参列できない理由をしっかりと書きましょう。 そのあと故人との思い出などを書くのもよいかもしれません。 一周忌に参列した時、遺族とどんな会話をするか思い浮かべて考えてみましょう。 あくまで遺族の気持ちを思いやり、慰めを送るつもりで書くことが大切です。

ご遺族が一周忌にお供えするもの

一周忌の法要では仏前にお膳を用意します。 基本的に一汁三菜のお料理とご飯、お水をお膳に乗せてお供えします。 仏様にお供えするものなので、肉や魚などは使わず、匂いの強いニンニクやニラなどは避けます。
出汁なども鰹節など動物性のものは避け、昆布や干しシイタケを使うようにしましょう。 お味噌汁かお吸い物、煮物、和え物、漬物の4品を用意しましょう。
自宅で法要を行う場合は自分でこのような料理を用意してもよいのですが、葬儀場などで行う場合は事前にお願いしておくときちんと作ってくれます。ご飯は仏飯器に山盛りにします。 丸く盛り付けたり、円筒状に盛ることもあり宗派によって異なります。 仏前のお膳については、地方や宗派によっても作法が異なります。 お寺やご近所などに聞いて確かめておきましょう。

ご遺族が一周忌にお供え物をいただいた際のお返し

一周忌法要のお供え物を頂いたら、お返しに「引き出物」と呼ばれる品物を渡すようにします。 法要や会食が終わったら、持って帰っていただくようにしましょう。 引き出物として多く使われるのは、お菓子や海苔、お茶などです。 当日持って帰ってもらうため、軽くて持ち運びやすいものにしましょう。 また、不祝儀の際の引き出物として選ばれるものは「使ったらなくなるもの」が多いようです。
ただし、お菓子などは比較的安価なものなので、頂いたお供物料と釣り合わないこともあります。 その場合は後日、金額に応じて寝具やタオル、ギフトカタログなどを贈ることもあります。
なお、お返しの金額はお供物料の半額が相場とされています。 会食を行った場合は、お供物料の半額から食事代を引いた金額をお返しとして考えるとよいでしょう。

一周忌の法要から、死後について考えた方も多いのでは?

一周忌の法要を執り行う、もしくは参列する中で、自分の死後について考えた方もいるのではないでしょうか。 自分の老後の世話や供養をきちんとしてくれる家族や親せきは、果たしているのだろうか。
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