日本国内で散骨が可能な場所とは?流れ・金額・注意点など解説!

公開日: 2021年04月07日

更新日: 2022年05月18日

  • 葬儀・供養

遺骨をお墓に入れるのではなく「自然に還す」散骨。 海や山に眠る形を理想と考える人も増えてきました。 しかし、日本国内で散骨できる場所はどこにあるのでしょうか。
散骨の場所を自分で探すのは、難しいかもしれません。 ここでは散骨できる場所、散骨が禁止されている場所について紹介しました。 散骨の手順や金額相場についても解説していきます。

散骨が可能な場所とは?

海洋散骨

海洋散骨は、港から船を出し、外洋に出てお骨を撒く方法です。 ある程度陸から離れていて、観光や漁業の邪魔にならない場所を選んで散骨します。海洋散骨を請け負っている業者はたくさんあり、全国各地で散骨できるプランがあります。

例えば、関東地方なら東京湾や湘南の海で散骨が行われていて、都内の複数の港や横浜から出港し、2時間くらいで帰ってくるプランがあります。
それ以外にも海に面した都道府県なら全国各地で海洋散骨ができます。 業者の提供しているプランの中から、自宅の最寄りの港を選ぶこともできますし、業者に頼んで故人の故郷の海に散骨してもらう例もあります。
ただし、地域や業者によっては決められた海域でしか行えなかったり、業者による代行散骨ができず、自分で乗船しての散骨しかできない場合もあるので、確認が必要です。

山林散骨

山林散骨とは、人が入ってこないような山奥に散骨する方法。 散骨専用の私有地への散骨を請け負ってくれる業者があります。 多いのは、お寺が所有している山林に散骨してくれる業者です。
遺骨を預かって一般の人が入りにくい非公開の場所に代理で散骨しますが、その後散骨証明書が発行されます。
業者が散骨する場所としては、関東地方なら栃木県・千葉県・群馬県、その他愛知県・三重県・新潟県・長野県・福島県・京都府・鳥取・岡山県・鹿児島県等があります。
ただし、申し込みは都内など他の地域からでも可能です。 なお、山林散骨の場合、厳しい山奥に散骨するため、業者が代行で散骨するプランしかない場合が多いのです。
自分の手で散骨したい人は、それができるかどうか確認した上で場所や業者を選びましょう。

その他の散骨(宇宙散骨など)

散骨の方法としては、宇宙への散骨もあります。 宇宙葬と言って、遺骨をカプセルに詰め、ロケットで打ち上げるものです。
打ち上げられた遺骨のカプセルは、地球の周りを一定期間回って最後に大気圏に突入して燃え尽きます。 打ち上げ時期は未定ですが、月を目指すプランや宇宙空間を旅するプランも考えられていますよ。
宇宙葬には、ロケットの他にバルーンを使うものもあります。 バルーンに粉にしたお骨とヘリウムガスを入れて、成層圏で散骨する方法です。
ロケットの場合は、今のところアメリカでの打ち上げとなりますが申し込みは国内でできます。 バルーン葬は業者に相談すると国内の好きな場所で行ってくれますが、高圧電線の近くなどではできません。

散骨をしてはいけない場所とは?

これまで紹介してきたのは、主に業者を通じた散骨です。 専門業者は、散骨しても良い場所をきちんと選んで行います。
もちろん個人で散骨しても違法ではありませんが、決して散骨してはいけない場所もあるのです。 例えば、他人の所有地・私道にはできません。 勝手に自分の土地に散骨されると、迷惑と感じるのは当然のことでしょう。 また、国・自治体の所有地に散骨するのも許されないことです。 レジャー施設、公共施設・公園、観光地・観光ルートなどでも、散骨はできません。 散骨したと知られるとイメージダウンになってしまいます。

また、漁場・養殖場のある海域、湖・河川・温泉などの近くなども避けるべきです。 これらは衛生上の観点から、散骨を避けるべき場所として国からの指導がされています。
自分の土地であったとしても、周囲に迷惑がかかる場所であれば散骨は避けたいものです。 また、今後その土地を売る予定があるとしたら、やはりイメージの問題があるので避ける必要があります。
北海道七飯町、長野県諏訪市、埼玉県秩父市、静岡県熱海市など、いくつかの市町村では散骨の禁止や許可申請を求める条例があります。 散骨を考える際には、このような条例がないか確認が必要です。

散骨の流れ・費用相場・注意点

海洋散骨

海洋散骨を行う際は、まず、散骨のために骨を細かくする「粉骨」が必要です。 業者にお骨を預けて、粉骨をしてもらい、水溶性の袋に小分けにしてもらいます。
当日は指定の港から船に乗り、散骨場所に着いたら花と共に骨を撒きます。 読経などはなく、献酒や黙とうの後、元の港に帰る流れです。 粉骨代、船代や花代などがかかり、専門業者にはこれらを合わせたプランが用意されています。 どんなプランでいつ行うのか、参加者は何人にするのか等、業者と打ち合わせましょう。
海洋散骨には、散骨を業者に依頼する代行プラン、他の家族と共に船に乗り順次散骨を行う合同プラン、船を貸し切りにする個別プランがあります。代行プランなら2万~5万、合同プランなら10万~15万、個別プランなら10万から40万が相場です。
なお、個別プラン以外は日時の指定ができません。 個別プランでも天候によっては出港できず日にちが変更になることがあります。

島田快 さん

株式会社SPICE SERVE クルーズ事業部 シーセレモニー課 課長

島田快 さんのコメント

実際に海洋散骨されたお客様のご感想としては、散骨をしてより明るく前向きになれた、きちんとお見送りができホッとしたといったご意見を多く頂いております。 また、想像以上していたより明るく、ポジティブなお見送りになったと感謝してくださる方もいらっしゃいます。

山林散骨

山林散骨でも、粉骨は必要です。 自分で場所を探す場合も、散骨場所を業者にお願いする場合も、まずは必ず粉骨をすることになります。
粉骨だけを請け負ってくれる業者もありますが、山林散骨を行う業者では、粉骨も一緒にしてくれるのが普通です。 山林散骨の場合、散骨そのものを業者に代行してもらうことが多いのですが、この場合郵送や手渡しで遺骨を預けます。 その後、業者が粉骨から散骨まで行ってくれ、どの場所に散骨したのか散骨証明書が送られてくる流れです。
料金は代行散骨なら3万円からですが、永代供養やセレモニーの有無・散骨場所で料金が変わり、20万を超えるプランもあります。 山林散骨は山の奥で行われるので、雪が多く積もる山の場合、冬は散骨ができないことも。 散骨の日時は指定できないことが多いのですが、中には指定の日に行ってくれる業者もあります。

その他の散骨(宇宙散骨など)

ロケットを使った宇宙葬の場合は、申し込むとカプセルが送られてくるのでそれに遺灰を入れます。 カプセルに入れる遺灰は1~数グラムなので、粉骨は必要ありません。
ロケットの打ち上げは日にちが決まっており、その日に中継が行われたり、後から動画を送ってくれたりします。 残りの遺灰は、他の方法で散骨するか、埋葬しなくてはなりません。
バルーンを使った散骨は、まず全ての遺灰を粉骨します。 遺骨をバルーン葬の業者に送って粉骨してもらい、バルーンを飛ばす場所や日にちを決定。当日は、家族らも立ち会った上で、遺灰を入れたバルーンを飛ばします。 宇宙葬の場合は、基本的に読経などはなく、黙とうなどで見送る形です。 ロケットによる宇宙葬の料金は、1グラムで28.5万円からです。 バルーン葬は粉骨の料金を含めて、28.6万円からとなります。

散骨に関する法律や規制はあるの?

散骨自体は、法律で禁止されているわけではなく、葬送の一つの形として認められています。 ただし、いつでもどこでも行えるのではなく、一定のルールや条例に従わなくてはなりません。
例えば、水源地や漁業の行われている場所などは、衛生上の観点から禁止となります。 観光地などもイメージダウンにつながるために避ける必要があるでしょう。
自治体によっては、散骨の禁止や散骨の際許可申請を求める条例が定められています。 熱海市のように、夏は禁止、海岸から10km以上離れる等の制限がある場合も。

また、散骨する際は基本的に「遺骨と分からないくらいの粉状」にすることが必要です。 火葬場で骨上げした形そのままで散骨をすると、死体遺棄の罪に問われることもあります。
散骨自体は「自然に還る」ことを望む自然な行為ですが、遺骨が身近な場所に撒かれることに違和感を感じる人もいるのです。
この点を考えると、適切な場所を探して自分で散骨を行うのは、かなり難しいことと言えます。
散骨を考えるなら、できるだけ業者にお願いしたほうが無難と言えるでしょう。 自分の所有地に適切な場所があるとしても、少なくとも粉骨だけでも業者に依頼したいものです。

散骨場所を探すなら業者に

最近、散骨という形は広がってきており、海や山での散骨を請け負う業者も増えてきました。 自然に恵まれた日本では、全国各地多くの地域で散骨ができます。
ただし、散骨をする場合は周囲への配慮が必要であり、適切な場所を探すのは難しいもの。
お金はかかりますが、トラブルを避けるためには、適切な場所を知っている業者に相談するのが早道といえるでしょう。

島田快 さん

株式会社SPICE SERVE クルーズ事業部 シーセレモニー課 課長

島田快 さんのコメント

散骨を扱う業者を比較するためには、信頼できる業者かどうか見極める必要があります。 海洋散骨に関して言うと、まずは実際乗船された方の口コミやレビューを確認して頂きたいです。 そのほかには、船を所有しているか否か、お客様の乗船に関して保険がかかっているのかどうかもポイントです。 保険のかかっていない船(旅客船以外)で散骨を行う業者はそもそもお客様の安全に配慮ができていない為、避けたほうがよいでしょう。

散骨に興味があっても亡くなった後に頼れる家族がいない方

近年、お墓に限らない「散骨」をはじめとする死後の在り方についての選択肢が増えてきました。それに伴い、ご自身が亡くなった後の葬儀や供養について想いを巡らせる方も多くなってきています。
しかしその一方で、お子様がいないご家庭や、ご家族やご親族の方が遠方に住んでいたり、関係性が希薄になっていることから、容易に相談が出来ていないという方は多いのではないでしょうか。
その場合は身元保証をしてくれる会社や団体を頼りましょう。
様々な身元保証の会社や団体がありますが、例えば、「身元保証相談士協会」は自身が望む供養を叶えてくれたり、その他自分が亡くなった後の一連の手続きを執りおこなってくれるなど「家族代行」をしてくれます。 必要があれば、生前に必要な高齢者用施設の入居の手続きと必要品の購入代行・入院の手続きと必要品の購入代行から緊急時の駆け付けもしてくれます。 少しでも老後の生活サポートや亡くなった後の供養や手続きにご不安があれば、無料で専門家に問い合わせができますので、活用してみてもいいでしょう。

全国85名の会員が
あなたの安心の身元保証をサポート

まずはお気軽にご相談ください。
地域の身元保証相談士
選びを手伝います

  • 身元保証相談士協会では、行政書士・司法書士・税理士・介護事業者・葬儀など関連する事業者で連携して対応しております。

この記事に関連するタグ

くらし全般

身元保証

相続・遺言

介護・高齢者施設

葬儀・供養