注目を集めるオンライン葬儀の実態とは?マナーや費用について解説!

公開日: 2022年05月11日

更新日: 2022年05月20日

  • 葬儀・供養

最近では、オンラインで葬儀を行うこともできるようになりました。 インターネットで葬儀の様子を配信することで、会場に行かなくても画面越しにたくさんの人が参列できるのです。
ここでは、オンライン葬儀の方法や費用、メリットデメリットについて見ていきましょう。 また、参列する人のマナーや特に注意すべき点についても解説します。

オンライン葬儀とは?

オンライン葬儀とは、会場と参列者をインターネットの中継でつないで葬儀を行うものです。 パソコンやスマホ越しに葬儀の様子を見ることができ、遠方にいても故人とのお別れができます。
葬儀といえば、親戚や友人が会場に集まって行うのが基本です。 しかし、世界的な新型コロナウイルス感染症の流行により、感染の不安から葬儀への参列を避ける人も出てきました。
家族葬で済ませるケースも増えてきたのですが、それでは寂しいということで検討されるようになったのがオンライン葬儀です。 仕事でも生活の場でも様々な事柄がリモート化・オンライン化され、ネット環境が整ってきたこともその背景にあります。 オンライン葬儀は、今後も広がっていく可能性があるといえるでしょう。

オンライン葬儀を行うためには

参列するための端末を用意する

オンライン葬儀に参列するには、動画を閲覧できる端末機器と、インターネット環境が不可欠です。 例えば、パソコン・スマホ・タブレットなどがインターネットにつながっていなくてはなりません。
参加してほしい人の状況を確認し、端末を持っていない人には家族に借りられないかなど検討しましょう。

また、自分で配信をするとしたら、しっかりした中継ができるような端末やWi-Fi、スマホスタンドなどを用意する必要があります。 葬儀社などでこのような機材の貸し出しをしてもらうと、別途料金がかかる場合もあるので注意が必要です。

依頼する葬儀社に確認する

葬儀社とは、一般的な葬儀の段取りに加えてオンライン葬儀についての打ち合わせも必要です。 まずは、葬儀社でオンライン葬儀のサービスがあるかどうか確認しましょう。
もし、その葬儀社にオンラインサービスがなかったとしたら、自分で配信するか専門の業者に別途依頼する必要があります。
慌ただしい葬儀の間に、会場の様子が分かりやすいように撮影し、トラブルなく配信するのは難しいものです。 自信がない場合は、プロにお願いしたほうが無難といえるでしょう。

オンライン葬儀の費用

オンライン葬儀を業者に依頼すると、システム利用料として3,000円から50,000円程度の費用がかかります。
金額にばらつきがありますが、専門のカメラマンが高画質のビデオカメラで撮影するとなると高額になるでしょう。

また、専門の業者なら、安定した通信を行うための機材が用意されています。 その他、故人のアルバムを閲覧する・告別式のDVD作成・お悔やみ文の送信・香典や供花の手配などもオンラインでできるサービスがある場合には、その分の費用がかかることになるのです。
自分でスマホなどを設置し、LINEビデオ通話やyoutubeで配信するだけであれば、葬儀社が無料で三脚やスマホスタンドなどを用意してくれることもあるので、確認してみるとよいでしょう。

オンライン葬儀のメリット

場所を問わない

オンラインでの葬儀を行うメリットとしては、ネット環境があれば、どこにいても参列できるということが挙げられます。
近年は、親戚がすべて近隣に住んでいるとは限らず、海外で仕事をしている人もいますね。 高齢や病気で移動が大変という人も多く、これまでは葬儀への参列を諦めていた人もいるでしょう。
しかし、オンライン葬儀なら、移動する負担がありません。 スマホやタブレットなどがあれば、どこにいても故人とのお別れができます。

人数に制限がない

オンラインの葬儀であれば、人数を気にする必要がありません。 会場の広さなどを気にして、参列を遠慮することもなくなりますね。
お別れをしたいと思ってくれる人がたくさんいるのはありがたいけれど、遺族にとっては対応や費用が大変ということもあります。
比較的少ない負担で、多くの人にお別れをしてもらえるというのも、オンライン葬儀の利点と言えるでしょう。

感染症対策になる

オンライン葬儀なら、感染症の心配もありません。 新型コロナウイルスの感染拡大が大きな社会問題になってから、人との接触を気にする人が増えています。
従来の通夜や告別式はどうしても人が密になりがちで、会食をすることもあるから避けたいという人もいるでしょう。
コロナだけでなく、インフルエンザ・ノロウイルスの流行時などは、何かと気を遣います。
特に高齢者や病気の人、幼児などがいる場合は、心配のあまり参列を避けたいということになりがちです。 その点、オンライン葬儀なら、感染症を気にする必要がありません。

オンライン葬儀のデメリット

回線トラブルの心配がある

オンラインでの中継は、回線トラブルが心配の種となります。 いざという時になって、接続や機器に不具合が起これば、配信が止まってしまうこともあるのです。
自分で配信を行う場合は、事前に十分なテストを行いましょう。 会場でネットの接続が安定しているか確認し、途中で切れてしまわないようにすることが必要です。
不安な場合は、専門業者にお願いする方がよいでしょう。 ただし、配信を観る側にトラブルがあると途中で参列できなくなってしまう危険性は残ります。

端末の操作が必要である

参列の際は、配信を観る側が自分で端末を操作する必要があります。 スマホやパソコンなどの操作に慣れていない人は、上手く接続できないかもしれません。
特に、高齢者の場合などはスマホを持っていても、ZOOMやLINEなどの配信用のアプリを使えるとは限らないのです。アプリのダウンロードやログインの方法に戸惑う人は、多いかもしれません。
オンライン葬儀に参列してもらう人には、端末やアプリの使い方を丁寧に説明する必要があります。 場合によっては、ご家族などの手助けをお願いすることも必要でしょう。

全てを撮影できるわけではない

オンライン葬儀では一般的な葬儀とは異なり、全てを同じように見てもらえるわけではありません。 カメラのアングルによっては、見られない場面が出てくる可能性もあります。
特に、ご遺体を目にする場面では、撮影して全員に配信するとなると抵抗がある方もいるでしょう。 ご遺族の思いに配慮して、全てを映さないということも考えられます。

また、火葬場は撮影ができません。 オンライン葬儀で中継できるのは、出棺までです。 最後のお別れができないことについては、必ず事前に伝えておきましょう。

オンライン葬儀のマナー・注意点

参列時の服装

オンライン葬儀の場合、ご自宅での参列となることが多いのですが、それでも服装には気を遣いたいものです。通常の葬儀に参列する時と同じように、喪服で臨むのが基本と言えるでしょう。
特に、参列する側の映像が会場でも見られるようにしてある場合には注意が必要です。 ZOOMなどのテレビ会議システムを利用している場合は、オンラインで参列している人の姿が会場のモニターに映っています。
病気の人などは仕方ありませんが、「葬儀に参列しているのだ」という意識のもと、きちんとした格好を心がけましょう。

背景や音声

オンラインで参列する際は、自分が挨拶などをするのでないかぎり、マイクはオフにしておきましょう。
身動きした時の雑音など小さな音でもマイクが拾ってしまうので、迷惑をかけることがあります。 また、参列する側の映像も映し出す場合は、背景にも注意が必要です。
葬儀にふさわしくないものが背景に映りこむことがないよう、整理整頓をしておきましょう。 ZOOMなどはバーチャル背景にしている人もいますが、白一色の画像に切り替えておくなど工夫が必要です。

オンライン葬儀を行う際は十分な準備と配慮を

オンラインでの葬儀を考える人は、様々な事情があることでしょう。 参列者の負担を軽くするという点では、大きなメリットがあります。
ただし、通常の葬儀とは異なる部分も多いといえるでしょう。 オンラインで行うとしたら、きちんとした準備をし、参列者の接続環境などにも気を遣う必要があります。
画面越しでも、きちんとお別れができたと思ってもらえるように十分な配慮をしたいものですね。

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