遺影の準備はできていますか?選び方から飾る期間まで丸ごと解説!

公開日: 2021年05月19日

更新日: 2022年05月18日

  • 葬儀・供養

お通夜・お葬式に不可欠な遺影。 通常、遺族はお通夜に間に合わせるために急いで遺影を準備しなくてはなりません。 遺影にする写真は、どのような点に注意して選んだらよいのか確認しておきましょう。

また、生前に遺影を用意しておく人も増えてきましたが、どうやって作ったらよいか解説します。 加えて、お葬式の後は遺影をいつまでどこに飾ったらよいのか、という点もみていきましょう。

遺影とは

遺影(いえい)とは、亡くなった人の写真のことです。 遺影写真はお通夜や葬儀の時に祭壇に掲げるために用意され、四十九日法要や初盆のころまで仏壇に置かれます。
このような儀式の際に、遺影写真は故人を偲ぶよすがとなるのです。

また、四十九日などが済んでしまうと遺影は処分されることもありますが、その後も仏壇や部屋に飾ることがあります。
葬儀など供養の場を整えるだけでなく、故人を思い出して心の慰めとするのが遺影といえるでしょう。

遺影に適した写真の選び方・ポイント

背景や服装

適切な背景色

遺影写真の背景については、はっきりとした決まりがあるわけではありません。 しかし、葬儀などでよくみられるのは、景色が写り込んでいない単色のものです。
景色の写り込んでいる写真であっても、葬儀社などに頼むと、単色のものに加工してくれます。 色合いとしては、モノトーン(白やグレー)系・ブルー系のものがほとんどです。 故人を悼むという趣旨から考えて、このような落ち着いた色合いが選ばれているといえるでしょう。
もちろん、本人の雰囲気や故人自身の希望で他の色合いにすることも可能ですが、あまり派手なものにすると、葬儀などの雰囲気を壊してしまいかねないので注意が必要です。

適切な服装

遺影の場合、服装についてはっきりとした決まりはありませんが、従来はスーツや着物を着た、改まった服装の写真をよくみかけました。きちんとして見えること、葬儀という儀式にふさわしいことから、このような服装のものが選ばれてきたのでしょう。
しかし、最近はスーツや着物だけでなく、本人らしい服装のものも選ばれるようになりました。 葬儀の参列者に、「あの人らしい」とわかるような服装のものを選ぶのも素敵です。
ただし、あまりにも奇抜な服装は避け、顔が良く見えるように帽子をかぶっていないものを選ぶようにしましょう。
選んだ写真の服装に問題があるようなら、業者に加工してもらい着物やスーツ姿に代えることもできますよ。

複数人で写っているものは使える?

遺影は、一人だけで写っているものを使うのが基本です。 他人が一緒に写っているようでは、その人に失礼になってしまいます。 また、本人以外のもの(例えば、持ち物やペット等)が写り込んでいる写真も、遺影としては向いていません。 葬儀の際、本人以外のものに目が向いてしまいがちになるからです。
しかし、最近の技術では、一緒に他の人等が写っていても、トリミングで本人の所だけ切り出すことができるようになりました。 他人と一緒に写っていたとしても、他の写真と比較して「表情がよい」「きれいに写っている」といった場合は、業者に相談してみましょう。
例えば、家族と一緒のスナップ写真なら良い表情で取れていることがあります。 また、結婚披露宴での集合写真などもプロが撮ったものなのできれいに撮れているでしょう。 このような写真から、トリミングをお願いして遺影を作るのも一つの方法です。

ピントや画素数を考慮したもの

写真を選ぶ際に注意したいこととしては、ピントがしっかり合っているかどうかという点も挙げられます。 ピントが甘いと、遺影用に大きく引き延ばした時、ぼんやりした写真になってしまうことがあるのです。
また、デジカメやスマホの写真を使うなら、200万画素以上あることが望ましいと言われています。 最近のデジカメやスマホで撮ったもの(ただし自撮りを除く)なら大丈夫なことが多いのですが、古い機器で撮ったものや、メールで転送したものは画素数が足りず、ボケてしまうことがあるので注意が必要です。

故人の人柄が分かるもの

遺影の写真を選ぶ際には、その人の人柄がわかるものを選ぶこともポイントの一つとなります。
葬儀の時などに故人を偲ぶためには、参列者が写真を見て「あの人らしいな」と感じられるものが望ましいといえるでしょう。そのためには、故人の普段の姿に近い印象のものを選びたいものです。
例えば、日ごろ真面目な印象の人なら、真顔の写真がその人らしいかもしれませんが、いつもにこやかな人なら、ある程度微笑んでいる写真の方が、人柄を反映しているといえます。 いくらきれいに撮れていたからと言っても、その人らしさがないと他人から見て不自然です。 何枚か写真の候補を挙げて、その中から故人の性格や個性を感じとれるような写真を選びましょう。

出来るだけ最新のもの

遺影を選ぶ際は、写真を撮った時期も注意したいものです。 出来るだけ最近のものを選ぶようにしましょう。
あまりにも若い時の写真だと、他人から見て「誰だかわからない」ということになりがちです。 「少し前の写真の方が、写りが良いのだけれど」ということもあるかもしれませんが、最近の印象とあまりにも異なると不自然になってしまいます。

お通夜までに準備できるもの

遺影は、お通夜までには絶対に用意する必要があるものです。 「親戚の手元に良い写真があるから送ってもらいたい」ということもあるかもしれませんが、お通夜に間に合わないようでは困ります。
お通夜に間に合わないならあきらめて、手元にある写真の中から探すしかありません。 もし、遠く離れた人から良い写真をデジタルデータで送ってもらえるようなら、画素数が減らないように注意しつつメールで送ってもらうなど工夫しましょう。

適切な遺影のフレーム

遺影を入れるフレームは、専用のものが葬儀社で用意されています。 以前は黒のフレームが定番でしたが、最近では銀色や白のものも選べるようになりました。 その他、パステルカラーや金の縁取りが施されたフレームも出てきています。 フレームの色に特に決まりはないので、故人のイメージに合わせたものを選んでもよいでしょう。

また、葬儀の後、自宅に小さいサイズのフレームを飾るなら、様々なデザインのものが通販などでも販売されています。 故人の雰囲気や部屋のイメージに合わせて選びましょう。

遺影の適切なサイズやフォームとは

一般的に、遺影写真のサイズ・フォームとしてよく見るのは、四つ切(25.4×30.5cm)のもの。 特に決まりはありませんが、葬儀の際、見栄えが良く後ろの席でもはっきり見えるようにするためには、この程度の大きさが必要です。 仏壇まわりやリビング等に遺影を置きたいと考えるなら、L判(8.9×12.7cm)のものが飾りやすいので、四つ切のものと共に作っておくとよいでしょう。
なお、社葬など大きな会場で行う場合は、四つ切よりも大きな写真を使うことがあります。

生前に行う遺影の準備

最近では、生きているうちに自分の遺影を準備しておく人が増えてきました。 亡くなってからお通夜までの短い期間に遺影を準備するのが大変なことから、家族に面倒をかけないよう、事前に準備しておこうというのです。また、事前に自分で遺影を選んでおけば、自分の納得した写真を葬儀で使ってもらえます。 生前に遺影を準備するには、どうしたらよいのでしょうか。

プロに依頼する

自分でも納得できる写真を用意するには、プロのカメラマンに頼むのが早道です。 遺影に使えるだけのクオリティを持った写真を撮ってくれるし、遺影用のプリントも用意してくれます。例えば、街のフォトスタジオでも「遺影に使いたいのだけれど」と言えば、それらしい写真を撮影してくれるのです。

また、還暦・古希・喜寿などの節目に写真を撮っておけば記念にもなり、遺影としても使えますね。 葬儀社主催のイベントで、遺影撮影会が行われていることもあるのでそれを利用するのもよいでしょう。

自身で遺影写真を作成する

遺影写真の用意は、自分自身で行うこともできます。 通常なら、亡くなった後に遺族が写真を選び、それを業者が遺影写真に加工するのですが、これを自分で行うのです。 まずは、はっきりと写った、自分の好きな写真を選びましょう。 家族に写真を撮ってもらうのも、自然な表情が出て良いかもしれません。
写真の背景を変えるなど遺影用に加工するのは、葬儀社や写真店でやってくれます。 すでにプリントされた写真や、デジカメやスマホのデータを持って行って加工してもらいましょう。 なお、スマホのインカメラで撮った自撮りは画素数が低いことがあるので注意が必要です。

遺影を飾る期間と場所

遺影を飾るのはいつまで?

遺影はお通夜・葬儀の間、祭壇に飾っておく必要がありますが、その後も納骨が終わるまでは自宅のご遺骨安置檀に飾っておきます。 納骨は四十九日に行うことが多いので、それまでは遺影も飾っておくことになるでしょう。 ただし、初盆の法事を行う際は、遺影も飾る必要があります。 納骨が終わったとしても、それまでは遺影も大事に保管しておきましょう。なお、納骨や初盆が終わった後も、遺影を処分してしまうとは限りません。 先祖代々の遺影がずらりと鴨居に並んでいる家もみかけます。

また、葬儀で使ったA4判の大きな遺影は処分して、L版の小さな遺影を仏壇やリビングに飾っておく人もいますよ。 特に決まったしきたりなどはないので、いずれもそれぞれの家庭の価値観によって遺影を残すかどうか判断してかまいません。

遺影はどこに飾る?

お通夜や葬儀が終わった後は、遺影はご遺骨安置壇に飾っておきます。 安置壇は3段になっているので、その一番上に遺骨とともに飾るのがしきたりです。 その後、納骨や初盆が済んだ後も遺影を飾るなら、仏壇の前か鴨居の上などに移動させましょう。 仏壇の前なら、ご本尊が隠れないよう脇の方に置き、場合によっては小さいサイズの写真に取り換えます。

また、鴨居の上や壁に飾るなら、地震などで落下してケガをしないよう寝室は避けるなど注意しましょう。 L版サイズの小さな遺影を飾る場所については特に決まりはなく、お仏壇に飾る人やリビングに置く人など様々です。 いつも故人に見守っていてほしいと思うなら、常に目に留まる場所に置くとよいでしょう。

家族がいなくてもご自身の葬儀や供養をスムーズに行うには

遺影でも様々な準備が必要なように、葬儀や死後の事務手続きは非常に大変で時間がかかるものです。 ですので、生前のうちにご自身の希望を遺してゆったりと老後を過ごしたいものですよね。
ただ、家族がいない、もしくは親戚と疎遠になっている場合、ご自身だけで生前に様々な手続きを行うことは難しいでしょう。
そこでご紹介したいのが、「身元保証相談士協会」という「家族代行」をしてくれる団体です。
希望の供養方法や遺言を執り行うことはもちろん、生前の財産管理やケアプラン、お薬や診察支援まで行ってくれます。 もし老後や死後の手続き等に不安や悩みを抱えていらっしゃる際は、専門家に一度相談してみることをお勧めします。

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