必ずやってくる「もしものとき」のために 身元保証人とは?

1.身元保証人とは?

施設への入居、病院への入院時に必要になるのが身元保証人(身元引受人)です。 近くに頼れるご家族がいない方や身寄りのない方にとって心強い存在です!

身元保証人は、高齢者の日常生活の様々な場面で必要になります。

身元保証人は、施設の入居時に身元保証人欄に名前を書くだけ、とお考えの方も多いかと思いますが、そんなことはございません! 身元保証人欄に名前を記入した後も、実際は多くの仕事や責任ある役割を求められます。 例えば、ご自身の財産管理から病院での医師対応、葬儀供養の手配など…挙げればキリがございません。 このように、信頼できる人でないと頼めない仕事をするのが身元保証人です。 ご自身の将来のために、しっかりと身元保証人について考えていきましょう!

2.身元保証人になれる人、なれない人

家族と同等の多くの役割を担うのが身元保証人です。 ここではその身元保証人になれる人、なれない人を一緒に確認しましょう! 身元保証人は必ずやってくる「もしものとき」にきちんと対応できる人である必要があります。

身元保証人は、ご本人の生活をサポートするため、多くの対応や手続きをする必要があります。 身元保証人を頼もうと考えていた方が、上記の×や△に当てはまる場合は、早めに専門家に相談しておきましょう!

3.身元保証人が必要になるのはどんな人?

身元保証人の手配が必要となる方は意外と多いことが分かります。 上記にあてはまる方で、信頼して身元保証人をお願いできる人がいない場合は、専門家に相談してしっかりと事前準備をしていきましょう。

4.身元保証人はどんな時に必要?

身元保証人は、生活の支援、施設への入居時、医療の同意、病院への入院時、ご本人が亡くなった時…と様々な場面で求められます。 身元保証人をお願いできる人がいない場合、必要に迫られてから探すのでは間に合いません。 あらかじめ専門家に相談して準備しておきましょう!

生活の支援

ご本人の生活をサポートするため、身元保証人は次のような対応をします。
  • ケアプランの確認
  • 薬の変更、確認
  • 往診医の判断の確認
  • 小口の補充
  • 健康状態の確認
  • お金の管理

他にも、施設の担当者からの連絡対応などの継続的な対応がありますので、適宜連絡の取れる人を身元保証人にする必要があります。

施設への入居時

老人ホームや施設に入居する際、身元保証人が求められます。最近はご高齢の方が身元保証人になることをご遠慮いただく施設も増えています。ご高齢の夫婦二人で生活されている場合、お互い以外の身元保証人を見つけなくてはならない状況も見受けられます。 他にも施設への入居時、身元保証人は次のような対応をします。
  • 施設費用の支払い代行
  • 医療や介護の方針確認
  • 施設の移転手続き

医療の同意

終末期では、ご本人に意識がない、あるいは意識があっても判断能力がない状況が多く、その場合、医療の現場では家族や親族に判断を任せるのが通常です。 近くに頼れる身内がいない場合は、身元保証人にその相談が行くケースが大半です。 具体的には、次のような対応を任せることになります。
  • 治療方針を医師に伝える
  • 手術の同意
  • 容態急変時の緊急駆け付け対応

病院への入院時

医療費の支払いや緊急事態の対応のために身元保証人が求められます。具体的には、次のような対応を任せることになります。
  • 入院手続き(入院時の頭金5~10万円の支払い)
  • 本人に代わって病状の説明
  • 退院時の医療費などの精算

病院の入退院の手続きでは、実際に病院への訪問が求められます。そのため、訪問対応ができない人が身元保証人になってしまうと、病院にも迷惑をかけるだけでなく、ご本人も入退院ができず、困ってしまいます。

ご本人が亡くなったとき

ご本人が亡くなったとき、身元保証人は医師とともに死亡確認をし、身元の引き受けをします。 その他にも、次のような対応をします。
  • 死亡確認
  • 死亡診断書の受け取り
  • 葬儀社の手配

こうした役割は関係性が遠い親戚や知り合いにとっては、非常に負担の大きい手続きとなります。 身元保証人欄に名前だけ書いてもらったケースでは、対応を断られてしまう事例があり、大きな問題となっています。

葬儀・供養の手配

身元保証人は、葬儀・供養の手配を行います。 そのため、ご本人が元気なときに、どのような葬儀や供養を望むのか、その費用はどのように準備するのかなどを身元保証人に伝えておく必要があります。 具体的には、次のような対応を任せることになります。
  • 葬儀方式の確認
  • 葬儀費用の支払い
  • 火葬後の納骨先の確認
  • 供養の方式の確認

ご本人の最期に関わる重大な内容なので、本当に信頼できる人でないと頼めない仕事になります。

死後事務手続き

ご本人が亡くなった後、身元保証人は入院費用や介護施設利用料、ご葬儀、供養費用などの各種費用の清算をする必要があります。その他にも介護施設の荷物の片づけや行政機関への各種届出など様々な手続きを行わなければなりません。 具体的には、次のような対応をします。
  • 住宅や施設の部屋の片づけ
  • 医療費の精算
  • 年金受給停止手続き
  • 高額医療費の還付
  • 電気・ガス・水道等のライフラインの解約手続き
  • 各種行政手続き

このような手続きは2~3か月にわたって、30~50時間かかる仕事になります。関係の薄い親族には頼みにくい仕事のため、しっかりと身元保証人に依頼するようにしましょう。

5.死後の事務手続きってどんなもの?

葬儀供養

  • 死亡確認(立ち合い)
  • 死亡診断書の手配
  • 火葬許可証の手配
  • 葬儀社の手配(身元引き取り)
  • 葬儀社に依頼、斎場との調整
  • 関係者への連絡(指定がある場合)
  • 葬儀供養の日程調整
  • 葬儀(火葬)の立ち合い※必要な場合は収骨
  • 納骨または埋葬

費用の支払い代行

  • 入院費用の支払い
  • 葬儀会社への支払い
  • 火葬場での火葬料の支払い
  • 埋葬費用(永代供養料)の支払い ※指定の霊園や寺院
  • 介護施設への支払い
  • 光熱費、携帯電話料金等の一切の支払い ※未払い分や請求分の対応

住居の明け渡し、遺品整理

  • 住居や高齢者施設の家財処分対応(業者選定見積確認)※要お部屋立ち合い
  • 遺品整理業者の作業中立ち合い、貴重品の確認
  • 明け渡し確認 修繕費やハウスクリーニング費用の確認
  • 敷金の戻り金の確認
  • 電気、ガス、水道、携帯電話、NHK、新聞等のライフラインの解約手続き

行政手続き

  • 健康保険証(後期高齢者医療保険証)の返納
  • 葬祭費の請求
  • 払い過ぎた医療保険料の返還請求
  • 払い過ぎた医療費の返還請求
  • 年金受給停止手続き
  • 未支給年金の受給手続き
  • 介護保険料の返納手続き
  • 払い過ぎた介護保険料の返還請求
  • マイナンバーの返納手続き
  • 身体障害者手帳の返納手続き

その他の手続き等

  • クレジットカードの解約手続き
  • 各種会員カード等の解約手続き
  • 換価可能な貴重品等がある場合、遺言執行手続きへの引継ぎ
  • クレジットカード利用残金や未払い費用等の確認、遺産からの精算手続き
  • 相続人や関係親族への報告
  • 監督団体への業務完了報告

6.身元保証人のお仕事

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身元保証人のお仕事は、ご本人がお元気なところから、年齢とともに老いが進み、緊急の入院対応、医師との面談、終末期のお手伝い、ご逝去された後の葬儀や供養、全ての精算手続きにわたる、家族と同じ対応が求められます。 特に、終末期~ご逝去後の事務手続きや精算業務は、およそ150~200時間と膨大な時間がかかります。 人に頼みづらいことがたくさんありますが、放置しておくと多大な負担を残すことになります。 お元気なときに専門家に相談して、納得して任せられる身元保証人を立てるようにしましょう!

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