終活を考え始めたら知っておきたい「身元保証」

  • 身元保証

「そろそろ終活について考えたほうがいいのかな」
そんな思いから、終活について情報を集め始めた方も多いのではないでしょうか。
終活というと、エンディングノートを書いたり、相続やお墓、葬儀のことを考えたりと、“自分の希望を整理する準備”を思い浮かべる方が多いかもしれません。
一方で、終活について調べていく中で、「身元保証」という言葉を目にして、「自分にも関係があるのだろうか?」と感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。身元保証は、相続や葬儀ほど一般的に知られているテーマではありません。
しかし実は、終活を考えるうえでとても重要な役割を持つのが身元保証です。

この記事では、

終活全体の中での身元保証の位置づけを整理しながら、

  • 終活で見落とされがちなポイント
  • 終活における「身元保証」の位置づけ
  • 身元保証が必要なケース
  • 身元保証は誰に頼めるのか

といった点を、順を追ってわかりやすく解説していきます。

「今すぐ終活を決めたいわけではない」「まだ元気だけれど、将来のことが少し気になっている」そんな段階の方でも、安心して読み進めていただける内容です。
まずは、終活を考え始めたときに、多くの人が見落としがちなポイントから整理していきましょう。

終活を考え始めたとき、多くの人が見落としがちなポイント

終活を考え始めると、多くの方が「何を準備すればいいのか」「何から手をつければいいのか」という疑問を持ちます。

その中で、どうしても先に手をつけがちになる終活が形として残るものや目に見えやすい準備です。
しかし、終活にはもうひとつ、見落とされがちな視点があります。それは、「その準備を、自分が亡くなったあと誰が行ってくれるのか」という点です。

終活でよく知られている準備(遺言・お墓・葬儀など)

終活という言葉から、まず思い浮かぶのは次のような内容でしょう。

  • 遺言書の作成や相続の整理
  • お墓や納骨の方法を決めること
  • 葬儀の形式や希望をまとめること
  • エンディングノートへの記入

これらはいずれも、「自分の意思を残す」という意味で、代表的な終活の準備です。
実際、終活の情報としても、多くの書籍や記事で詳しく解説されています。

ただし、これらの準備には共通点があります。
それは、「自分が亡くなったあとに、誰かがそれを行ってくれる」という前提があることです。

実は「第三者が対応する」前提になっていること

たとえば、終活の中で、遺言書を作成したとしても、それを確認し、手続きを進めるのはご本人ではありません。
葬儀や納骨についても同様で、希望を書き残すことはできても、実際に手配を行うのは、家族や親族、関係者などの第三者です。
終活の多くの準備は、
「自分の意思」+「自分の死後それを実行してくれる人」この2つがそろって、初めて意味を持ちます。
ところが、終活を考え始めた段階では、「では、誰が対応してくれるのか」まで意識が向かないケースも少なくありません。

「誰が対応してくれるのか」が決まっていない場合

もし、「対応してくれる家族や親族が思い浮かばない」「いても、負担をかけたくない」「頼める関係性ではない」と感じた場合、終活への意識が大きく変わってきます。
このときに出てくるのが、“第三者に役割を任せる”という考え方です。
終活は、「自分の希望をまとめること」だけで完結するものではありません。そこで選択肢のひとつとして考えられるのが、身元保証という仕組みです。

次の章では、終活全体の中で、身元保証がどのような位置づけにあるのか、そもそも身元保証とは何をする役割なのかを、基本から整理していきます。

終活の中での「身元保証」の位置づ

終活について調べていくと、相続や葬儀、死後事務と並んで「身元保証」という言葉を見かけることがあります。

ただ、「相続とは違うのか?」「死後事務と何が違うのか?」「結局、終活の中でどんな役割を持つものなのか?」と、終活において、身元保証がどのような場面で必要になるのかまでは、分かりにくいと感じる方も少なくありません。

ここでは、終活全体の流れの中で、身元保証はどのような位置づけなのかを整理していきます。

身元保証とは何をする役割なのか

身元保証とは、簡単に言えば、入院・入所・亡くなったあとの場面で「本人に代わって対応する立場」を担う役割です。

具体的には、次のような場面で関わることが多くなります。

  • 病院や高齢者施設への入院・入所時の保証人対応
  • 緊急時の連絡先としての役割
  • 退院・退所時の手続きや支払い対応
  • 亡くなったあとの各種事務手続きへの関与

これらはすべて、「本人が対応できない状態になったとき」に必要となり、こうした身元保証の役割は、終活全体を支える土台ともいえます。

身元保証は、本人の意思決定を代行するものではありません。あらかじめ本人が示しておいた希望や契約内容に基づいて、連絡や手続きを進める役割だと考えると分かりやすいでしょう。ですので、終活では、自分の希望が実際に実現されるために身元保証が必要となる場合もあります。

身元保証と相続・死後事務との違い

身元保証について考える際、よく混同されやすいのが「相続」や「死後事務」との違いです。

まず、相続は、亡くなったあとの財産をどう分けるかという法律上の手続きが中心になります。遺言書や相続人の確定などが主なテーマです。

一方、死後事務は、死亡届の提出や契約の解約、葬儀・納骨の手配など、亡くなったあとに発生する実務的な手続きを指す言葉です。

これに対して身元保証は、亡くなる前から亡くなったあとまで、「本人が対応できなくなった場面」を支える役割を担います。
終活の中では、これらは別々のものではなく、それぞれが連動して初めて機能する要素だと考えることが大切です。

終活と身元保証がセットで考えられるようになった理由

近年、終活と身元保証が一緒に語られることが増えている背景には、社会環境の変化があります。特に大きいのが、「身近に頼れる人がいない、または頼りにくい」というケースが増えていることです。

終活では、

  • どんな医療を望むのか
  • 葬儀や供養をどうしたいのか

といった希望を生前に整理していくのが終活ですが、それらは誰かが対応する前提となっています。対応してくれる家族や親族がいれば、深く考える機会は少なかったかもしれません。

しかし、

  • おひとりさまで生活している
  • 家族が遠方に住んでいる
  • 家族に負担をかけたくない

といった状況では、「誰がその役割を担うのか」も終活の中で整理しておく必要があります。この役割を対応してくれる選択肢として、身元保証と終活がセットで考えられてきています。

次の章では、「では、自分には身元保証が必要なのか?」という点について、具体的なケースをもとに考えていきます。

自分には身元保証が必要なのか?

ここまでで、身元保証が「終活の中でどんな役割を持つものなのか」はイメージできたかと思います。

ただ、多くの方が次に感じるのは、「身元保証については分かったけれど、自分に必要なのか?」という疑問です。
身元保証は、「全員に必ず必要なもの」ではありません。ただし、終活の進め方によっては、身元保証を考えておいたほうが安心できる場合もあります。ここでは、自分ごととして考えるための視点を整理していきます。

身元保証が必要な人の特徴

終活を進める中で、身元保証が必要になるかどうかは、年齢だけで決まるものではありません。
次のような状況に当てはまる方は、身元保証について一度考えてみたほうが良い場合があります。

  • おひとりさまで生活している
  • 配偶者や子どもがいない
  • 家族はいるが、遠方に住んでいる
  • 高齢の親族しかおらず、将来的な負担が心配
  • 家族に迷惑をかけたくないと感じている

これらに共通するのは、「いざというときに、対応してくれる人がいるかどうかが分からない」という点です。普段の生活では困ることがなくても、入院や施設入所、緊急対応といった場面では、「身元保証人」や「緊急連絡先」が求められることがあります。そうした場面を想定したとき、誰に頼めるのかを整理することが、身元保証を考える第一歩になります。

家族がいれば身元保証は不要?

「家族がいるなら、身元保証は必要ないのでは?」と感じる方も多いかもしれません。確かに、身近に頼れる家族や親族がいて、その家族が身元保証人の役割を引き受ける場合は、必ずしも身元保証サービスが必要とは限りません。

ただし、次のようなケースでは注意が必要です。

  • 家族はいるが、仕事や介護で余裕がない
  • 関係性として頼みにくさを感じている
  • 万一のとき、判断や手続きを任せることに不安がある

家族がいるかどうかではなく、「その役割を無理なく、継続して担えるか」という視点で考えることが重要です。終活の目的は、自分の希望や想いを整理するだけでなく、残される人の負担を軽くすることでもあります。
その意味では、家族がいる場合でも、身元保証という選択肢を知ったうえで自分にとっては必要かどうかを判断することが大切です。

「今は困っていない人」こそ考えておきたい理由

身元保証について考えるタイミングとして、「今すぐ困っていないから、まだ早い」と感じる方も少なくありません。

しかし、身元保証は、困ってからでは選択肢が限られてしまう場合があります。多くの身元保証や関連サービスは、本人の判断能力が十分で、意思を示せる状態であることを前提にしています。急な入院や体調の変化、認知機能の低下などが起きてからでは、契約そのものが難しくなるケースもあります。

また、身元保証が必要になる場面は、時間的な余裕がないことがほとんどです。入院や施設入所を急がなければならない状況で、複数の選択肢を比較し、内容を理解したうえで判断するのは現実的とはいえません。結果として、「引き受けてくれるところがあるだけで決めてしまう」ことにもなりかねません。だからこそ終活において、身元保証は「今すぐ困っている人のためのもの」ではなく、将来の選択肢を残しておくために、元気なうちから考えておくものです。
今の生活に大きな不安がない段階で情報を知り、自分の場合はどうなのかを整理しておくことが、終活の中でとても重要な意味を持ちます。

身元保証は誰に頼むことができるのか

ここまで読み進めてきて、身元保証が必要になる可能性について考え始めた方もいらっしゃるかもしれません。身元保証は、入院や施設入所、万一の際の対応など、責任や実務を伴う役割です。

ここでは、身元保証を頼む際に考えられる主な選択肢と、それぞれの特徴について見ていきます。

家族・親族に頼むケース

もっとも身近な選択肢として考えられるのが、家族や親族に身元保証を頼むケースです。

たとえば、

  • 配偶者や子どもがいる
  • 兄弟姉妹や甥・姪と日頃から関係がある
  • いざというときに動いてくれそうな親族がいる

このような場合、「家族にお願いするのが自然」と感じる方も多いでしょう。ただし、身元保証は名前を書くだけの役割ではありません。入院時の同意や連絡対応、施設とのやり取り、場合によっては費用に関する判断など、精神的・実務的な負担が生じます。

そのため、「頼めそうかどうか」だけでなく、「どこまでお願いすることになるのか」「相手に無理をさせないか」を事前にすり合わせておくことが重要です。家族だからといって、必ずしも身元保証を引き受けられるとは限らない点には注意が必要です。

知人・友人に頼むケース

おひとりさまの場合、信頼できる友人や知人を思い浮かべる方もいらっしゃいます。
長年の付き合いがあり、価値観を理解してくれている相手であれば、気持ちの面では頼りやすいと感じることもあるでしょう。

しかし、身元保証に関しては、

  • 法的な責任が発生する可能性
  • 長期間にわたる対応が必要になる場合があること
  • 相手の生活状況や年齢によっては継続的な対応が難しくなること

など、考えるべき点も多くあります。

気持ちだけで決めてしまうと、後から双方にとって負担が大きくなってしまうこともあります。
知人・友人に頼む場合は、「どこまでお願いするのか」「できないことは何か」を明確にし、慎重に検討する必要があります。

専門家に相談するケー

家族や知人に頼ることが難しい場合、専門家に相談するという選択肢もあります。
専門家に相談する場合の特徴としては、

  • 身元保証の役割や範囲を整理したうえで検討できる
  • 自分の状況に応じて、必要性の有無から相談できる
  • 家族や知人に過度な負担をかけずに済む

といった点が挙げられます。

特におひとりさまの場合、「頼れる人がいない」「周囲の人に迷惑をかけたくない」と感じて、専門家への相談を選ばれるケースも増えています。
重要なのは、必ず契約をしなければならないわけではないという点です。

まずは情報を集め、自分の場合は身元保証が必要なのか、どこまで考えておくべきなのかを整理するだけでも、終活としては十分な一歩になります。
無理に誰かを探そうとするのではなく、第三者のサポートを含めて検討することも、現実的な選択肢のひとつです。

終活として、まず何から始めればいいのか

ここまで、終活の中での身元保証の位置づけや、誰に頼めるのかという選択肢について見てきました。
ただ、「必要かもしれないとは思ったけれど、結局何から始めればいいのか分からない」と感じている方も多いのではないでしょうか。

終活というと、どうしても「何かを決めなければならない」「早く契約しなければならない」と身構えてしまいがちですが、難しいことを決める必要はありません。

いきなり結論を出す必要はな

身元保証に限らず、終活全体に共通して言えるのは、いきなり結論を出す必要はないということです。

まず終活において大切なのは、

  • 自分がどんな状況にあるのか
  • どこまでを家族や周囲に頼れそうか
  • 頼れない部分はどこか

を整理することです。

この段階では、「身元保証が絶対に必要かどうか」を決めきれなくても問題ありません。
「今は困っていないけれど、将来はどうだろう」「選択肢として知っておいたほうがよさそうだ」と感じるだけでも、終活としては十分なスタートです。

整理しておきたい項目

終活として考える際は、身元保証だけを切り離して考えるのではなく、全体の流れの中で整理していくことが大切です。

たとえば、

  • 入院や施設入所時の連絡先や判断は誰が行うのか
  • 亡くなったあとの事務手続きはどうなるのか
  • 家族や親族にお願いできること、できないことは何か
  • 自分の希望として伝えておきたいことはあるか

こうした点を一度書き出してみるだけでも、「身元保証が必要になりそうな部分」「今は考えなくてもよさそうな部分」が見えてきます。

終活は、すべての答えを一度に出す必要はありませんので、自分のペースで考えていきましょう。

情報収集が終活の第一歩

終活という言葉に対して、「まだ早いのでは」「考えるのが不安」と感じる方もいらっしゃいます。ですが、実際には、正しい情報を知ることそのものが終活の第一歩です。

身元保証についても、

  • どんな役割なのか
  • 誰に頼めるのか
  • 自分の場合、必要になりそうか

を知っておくだけで、「何も分からない状態」から一歩進むことができます。

決めないまま時間が過ぎてしまうより、「選択肢を知ったうえで、まだ決めない」という状態のほうが、ずっと安心につながります。

身元保証について、まずは「相談」から始めてみませんか

ここまでお読みいただき、「身元保証という考え方があることは分かった」「自分の場合、必要なのかどうかを一度整理してみたい」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。

一般社団法人 身元保証相談士協会は、身元保証・死後事務サービスに特化した専門家が全国に約160拠点在籍する団体です。

現在、身元保証や終活に関する無料相談を随時受け付けています。

  • 頼れる家族がいない場合はどう考えればいいのか
  • 今の状況で、身元保証を検討すべきなのか
  • 終活として、どこから整理すればよいのか

こうした「まだ決めきれていない段階」でのご相談も多く、契約を前提としたものではありません。「今すぐ結論を出したいわけではない」「まずは話を聞いて整理したい」という方でも、安心してご相談いただけます。

頼れる相手がいないと感じている方、終活の進め方に迷っている方こそ、まずは専門家に相談するところから始めてみてはいかがでしょうか。

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