身元保証と医療保護入院

身元保証人をしている方が認知症等になってしまい、施設では手に負えなくなってしまった場合、精神科等に入院させる必要が出てきます。そして精神科への入院形態には、おもに「任意入院」、「医療保護入院」、「措置入院」、3つの入院形態があります。まずは1つずつ簡単に説明をしていきます。

①任意入院
患者様本人の同意に基づいて行われる入院です。自分の意思で入院し、自分の意思で退院できます。また、病院は任意入院患者の行動を制限する事はできません。ただし、任意入院患者であっても病状によっては、退院を制限される場合があります。しかし、この制限は精神保健指定医の診察により、72時間以内に限られています。

②医療保護入院
精神保健福祉法第33条に規定されている入院形態です。本来は任意入院が望ましいものの、精神科医療の特殊性として、患者様本人が入院を望まない場合でも、精神保健指定医が入院加療を必要だと判断し、かつ保護者が同意する場合には、治療のためにやむを得ず入院となることがあります。これは患者の健康と生活を守るためです。医療保護入院で入院した方は、精神保健指定医が入院を続ける必要がないと判断した時、あるいは保護者が退院を求めた時に、退院することが出来ます。下記に詳しく説明をしていきます。

③措置入院
精神障害のために自分自身や他の人を傷つけてしまう恐れがあると認められた場合、医療及び保護のために、都道府県知事の指示により二人の精神保健指定医が診察し、二人ともが措置入院に該当と判断した場合に入院をさせることができるものとなっています。

 

医療保護入院とは

医療保護入院」とは、病状的な問題で患者本人に入院治療契約を交わすだけの理解力、同意能力がない場合に限って、家族等の同意によって成立する入院です。つまり、入院治療契約を病院と交わすのは家族等いうことになります。これは、場合によっては患者の自由意志に反して強制的に入院治療に入らせてしまうことになるために、対象となる患者が本当に精神疾患のために入院の必要があるのか?入院治療契約を交わすだけの理解力・同意能力がないのか?といったことを法律によって定められた「精神保健指定医」が診断しなくてはいけないことになっています。
つまり、医療保護入院となる条件としては、下記のケースが挙げれらます。

  • 精神疾患のために入院治療が必要な状態であること。
  • しかし病状のために、それをしっかり理解し自ら入院契約に同意する能力が現時点ではないこと。
  • それらのことが精神保健指定医の診察の結果確認され、確かに医療保護入院が必要であると診断されること。
  • 家族等の書面による同意があること。

これらの条件の1つでも欠ければ、医療保護入院は成立しません。患者が医療保護入院で入院するためには、指定医による診察があり、指定医による「入院が必要だ」という判断がなされ、家族や警察等による同意が得られ、患者に告知がなされてから、という手続きを間違いなくふんでいなくてはなりません。

医療保護入院では一定期間、本人の自由意志に反して治療を行うこともあるために、閉鎖病棟を使用すること、隔離・拘束などの行動制限をすること、病状に応じて電話などの通信を制限すること、などもありえます。そのため厳密なルールに基づく必要があるのです。

 

医療保護入院と家族の同意

これまでも繰り返し述べてきたように、医療保護入院は家族等の同意によって成立するものになります
そして、同意できるものは下記の者と定められています。

  • 配偶者
  • 親権者
  • 扶養義務者
  • 後見人又は保佐人
  • 該当者がいない場合等は、市町村長が同意の判断を行う

ここで注意が必要なのが、後見人とは法定後見人を指し、任意後見人は同意できるものとして定めれていないのです。通常、身元保証契約を締結する際には、将来に備えて任意後見契約も締結しておくのが一般的ではありますが、任意後見人がいる状態で本人を医療保護入院させる場合には、法定後見の申立を行う必要が出てきてしまうのです。

 

任意後見人と身元保証人は利益相反の観点から同一人物が就くことはできませんが、実際には関係性の近い者同士が協力をしながら身元保証業務と後見業務を進めているかと思います。そのような関係性の中で任意後見人がおろされ、関係性の遠い法定後見人が就任をすると業務を進めづらくなります。また、お金の管理は関係性の遠い法定後見人が行い、「責任」だけは身元保証人が負担する形になるのです。これは身元保証人にとって非常にデリケートな問題です。医療保護入院も念頭に置き、身元保証業務を進めていくことが重要です。1人のお客さんと向き合うことは色々な問題が生じてきます。そのような問題が起きた場合でも適正に対処するよう、日ごろから情報収集を行い、各専門家とも連携しておくことが大切であると言えます。身元保証は非常に難しい問題となりますので、しっかり対応していきましょう。

身元保証を頼める人がいない方

最近では、家族や親戚がいない独り身の高齢の方も増えています。
そのような方の中で、病院や施設で身元保証人を尋ねられた際、どのようにすればいいのであろうかと不安に思っている方もいると思います。

少しでも不安がある方は身元保証を行っている「身元保証相談士協会」に相談することをお勧めします。
身元保証相談士協会では、施設に入居する際に求められる身元保証人(連帯保証人)の他にも日常業務における、財産管理、ケアプラン、お薬、診察支援なども幅広くサポートを行ってくれます。

少しでも不安がある方は、専門の方に無料相談をしてみるといいでしょう。

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