死後事務の流れを時系列で解説

  • 死後事務
  • 身元保証

人が亡くなったあと、葬儀や相続だけで終わると思っていませんか。
実際には、役所への届出、契約の解約、支払いの精算、住まいの整理など、亡くなったあとには多くの事務手続きが発生します。
こうした一連の手続きをまとめて「死後事務」と呼びますが、「何を、いつ、誰がやるのか」まで具体的に理解している方は多くありません。
この記事では、死後事務の全体像と亡くなったあとにどのような流れで手続きが進むのかを時系列で整理しながら、最終的に「これらの手続きを誰が担うのか」「終活として今から何を考えておけばよいのか」を、初めて調べる方にも分かりやすく解説していきます。
「まだ先のことだけれど、死後事務の全体像や流れは知っておきたい」そんな方に向けた内容です。

死後事務とは何か|まず知っておきたい全体像

「死後事務」と聞くと、少し難しい印象を受ける方もいるかもしれません。
しかし実際には、特別な人だけに関係するものではなく、誰にでも起こりうる手続きになります。
人が亡くなると、葬儀や供養だけでなく、役所への届出、契約の解約や各種精算、住まいの整理など、さまざまな事務手続きが発生します。
これら亡くなったあとに必要となる一連の手続きをまとめて「死後事務」と呼びます。

死後事務とは「亡くなったあとに必要な手続き」のこと

死後事務には、次のようなものが含まれます。

  • 死亡届の提出などの行政手続き
  • 葬儀・火葬・納骨に関する手配
  • 電気・ガス・水道、携帯電話など各種契約の解約
  • 医療費や施設利用料などの精算
  • 住まいや家財の整理

これらは、どれか一つだけを行えば終わるものではなく、一定の流れに沿って、複数の手続きを順番に進めていく必要があります。
死後事務は単発の対応ではなく、全体の流れを理解したうえで進めるべき手続きである点が特徴です。
「相続」や「遺言」と混同されがちですが、死後事務は財産の分け方を決めるものではなく、亡くなったあとに発生する“事務的な対応”に焦点を当てたものです。

葬儀や相続だけでは終わらない理由

終活について調べ始めると、遺言書、相続対策、お墓や葬儀といったテーマが多く目に入ります。
もちろん、これらはとても大切な準備です。
しかし実際には、それらが終わったあとにも、対応しなければならない手続きは数多く残ります。
たとえば、

  • 葬儀後に必要となる役所への届出
  • 生活に関わっていた契約の整理
  • 住まいをどうするかという問題

こうした対応は、誰かが動かなければ進まないものです。
そのため、終活の中で死後事務を考えることは、「もしもの後」を具体的に想定するうえで欠かせないものになります。

死後事務は「そのときになれば誰かがやってくれる」ものではない

多くの方が、「そのときになれば、誰かが何とかしてくれるはず」と考えがちです。
しかし実際には、

  • 誰が対応するのかが決まっていない
  • 何をどこまでやるのかが共有されていない
  • そもそも対応できる人がいない

といった理由から、手続きが滞ってしまうケースも少なくありません。
死後事務は、勝手に手続きが進むものではなく、誰かが引き受けて初めて動き出すものです。
だからこそ、「亡くなったあとに何が起きるのか」「それを誰が対応するのか」を、終活の一環としてきちんと整理しておくことが大切になります。
次の章では、亡くなったあとに死後事務がどのような流れで進んでいくのかを、時系列で整理していきます。
全体の流れをあらかじめ把握しておくことで、手続きの抜け漏れや混乱を防ぎやすくなるだけでなく、「自分の場合はどうなるのか」を具体的に考えやすくなるはずです。

死後事務はどのような流れで進むのか

死後事務について考えるとき、「何をやるのか」だけでなく、「どういった流れで進むのか」を知っておくことはとても重要です。
死後事務は、その時々で思いついた対応をするのではなく、全体の流れを意識しながら段階的に進めていく必要があります。
なぜなら、死後事務の多くは期限が決まっているといった特徴があるからです。
ここでは、一般的な死後事務の流れを、大きく3つの段階に分けて見ていきましょう。

亡くなった直後から数日以内に必要な対応

まず対応が必要になるのが、亡くなった直後から数日以内の手続きです。
この段階では、時間的な猶予がほとんどありません。
主な対応としては、

  • 医師による死亡確認
  • 死亡届の提出
  • 火葬・葬儀に関する手配

などが挙げられます。
これらは、法律や制度上の期限が定められているものが多く、「後でゆっくり考える」ことができない手続きです。
誰が、どこに連絡し、どのように進めるのか、あらかじめ整理されていない場合、周囲が混乱してしまうこともあります。
亡くなった直後から数日以内に必要な対応は、死後事務の流れの中でも重要な段階であり、次の流れに影響する部分でもあります。

葬儀後から数週間にかけて行う手続き

葬儀や火葬が終わると、一段落したように感じるかもしれません。
しかし実際には、ここから事務的な対応が本格的に始まります。
たとえば、

  • 年金や保険に関する手続き
  • 電気・ガス・水道など生活インフラの解約
  • 医療費や施設利用料の精算
  • 郵便物や各種連絡先の整理

などです。
これら一つひとつは小さな手続きに見えても、数が多く、確認事項も多いため、対応する人の負担が大きくなりやすいです。
葬儀後から数週間は、死後事務の流れの中で最も対応項目が多くなりやすい時期です。

住まい・家財など、時間をかけて進める整理

最後に残るのが、住まいや家財に関する対応です。

  • 賃貸住宅の解約や明け渡し
  • 家財道具の整理や処分
  • 必要に応じた原状回復

こうした対応は、ある程度時間をかけて進めることができますが、誰が責任を持って対応するのかが決まっていないと、管理会社や関係者が困ってしまうケースも少なくありません。
特におひとりさまの場合、「連絡先が分からない」「判断する人がいない」といった理由で、そのままになってしまうこともあります。
このように、死後事務は一度にすべてを行うものではなく、段階的に進んでいくものです。
そしてこの流れを見ていくと、「これを誰が対応するのか?」という疑問が自然と浮かんでくるのではないでしょうか。
次の章では、こうした死後事務を誰が担うのか、そして近年注目されている『死後事務サービス』とは何かについて、整理していきます。

これらの死後事務は、誰が対応するのか?

ここまで、死後事務の流れを時系列で見てきました。
死後事務の流れを具体的に追ってみると、「思っていたよりも、やることが多い」と感じた方も多いのではないでしょうか。
そこで次に考える必要があるのが、これらの死後事務を誰が対応するのかという点です。
死後事務は、相続のように専門家が自然と関わるものでもなく、法律上「この人が必ずやらなければならない」と決まっているわけでもありません。
多くの場合、“対応できる人が、対応する”という前提で進んでいます。

家族や親族が対応するケース

もっとも一般的なのは、家族や親族が対応するケースです。

  • 配偶者や子どもがいる
  • 近くに住む親族がいる
  • 普段から関係性があり、事情を理解している人がいる

このような場合、死後事務は家族・親族が担うことになります。
ただし、これは「家族がいる=対応できる」という意味ではありません。

家族がいても対応が難しいケース

家族がいても、死後事務のすべてを担うのが難しいケースは少なくありません。
たとえば、

  • 家族が高齢で、手続きの負担が大きい
  • 遠方に住んでおり、頻繁な対応ができない
  • 家族関係が複雑で、役割分担が決められない

死後事務は、短期間で終わるものばかりではなく、一定期間にわたって判断や対応が求められます。
そのため、「やりたい気持ちはあっても、現実的には対応が難しい」という状況も少なくありません。

第三者が対応するケース

さらに、

  • 身寄りがない
  • 頼れる家族・親族がいない
  • 家族には負担をかけたくない

といった場合、第三者が対応する前提で考える必要があるケースもあります。
この場合、「誰かが自然に引き受けてくれるだろう」と考えてしまうと、亡くなったあとに手続きなどが止まってしまう可能性もあります。
ここで大切なのは、 “誰が、どこまで対応できるのか”を整理することです。

死後事務を第三者に依頼するという選択肢

前章で見てきたように、死後事務は「誰かが必ず対応しなければならないもの」です。
しかし、家族や親族がいても、必ずしも対応できるとは限りません。
そのような背景から、最近では死後事務を事業者などの第三者に依頼するという選択肢に注目が集まっています。
ここでは、第三者に依頼するとはどういうことなのか、どのようなことができるのかを整理していきます。

死後事務を第三者に依頼するとは?

死後事務を第三者に依頼するとは、自分が亡くなったあとに必要となる各種手続きを、生前に契約した第三者が引き受けることを指します。
具体的には、

  • 死亡後の各種連絡
  • 行政手続きや契約関係の整理
  • 葬儀や納骨の手配
  • 住まいや家財に関する対応

などをあらかじめ決めたうえで対応してもらいます。
これにより、亡くなったあとに「誰がやるのか分からない」、「突然引き受けることになった人が困ってしまう」といった事態を避けることができます。

死後事務代行・専門家ができること

死後事務を扱う専門家や事業者は、単に手続きを代行するだけでなく、死後事務全体の流れを整理しながら対応する役割を担います。
たとえば、

  • 死後事務として何が必要になるのかの整理
  • どこまで対応するかの範囲設定
  • 家族や関係者との役割分担の調整

などです。
特におひとりさまの場合は、「誰にも迷惑をかけたくない」、「頼れる人がいない」という理由から、専門家に相談されるケースも増えています。

生前に準備が必要な理由

死後事務を第三者に任せる場合、もっとも大切なのが生前の準備です。
死後事務は、

  • 本人の希望
  • 契約内容

などが整理されていなければ、対応することができません。
そのため、

  • どこまで対応してほしいのか
  • 何を優先してほしいのか
  • 家族や関係者にどこまで関わってほしいのか

といった点を、元気なうちに整理しておく必要があります。
こうした準備は、「まだ元気だから不要」というものではなく、元気なうちだからこそ落ち着いて考えられるものです。
こうした考え方を踏まえたうえで、「終活として、今から何をすればいいのか」について次に解説していきます。

終活として、今からできること

ここまでお読みいただき、「死後事務には思った以上に多くの手続きがあること」、「誰が対応するのかを、事前に考えておく必要があること」が、少しずつ見えてきたのではないでしょうか。
一方で、「では、具体的に何から始めればいいのだろう」、「今すぐ何かを決めなければいけないのだろうか」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。
終活というと、どうしても「準備を完璧に整えなければいけない」、「今すぐ契約や手続きを進めなければいけない」というイメージを持たれがちですが、必ずしもそうではありません。

いきなり契約する必要はない

終活は、「今すぐ何かを決めなければいけない」ものではありません。
まず大切なのは、知ること・整理することです。
たとえば、

  • 死後事務にはどんな流れがあり、どの段階で何が起きるのか
  • 自分の状況では、誰が対応できそうなのか
  • 家族や身近な人に任せたい部分と、負担になりそうな部分はどこか

こうした点を把握するだけでも、終活としては十分な一歩です。
「今すぐ決めなくてはいけない」というプレッシャーを感じる必要はありません。

死後事務の流れを知ること自体が終活になる

この記事で整理してきたように、死後事務は、亡くなった直後から数か月以上にわたって続く一連の流れです。
この流れを知っておくことで、

  • 何が起きるのか分からない不安
  • 誰かに突然負担をかけてしまう心配

を、あらかじめ軽くすることができます。
終活とは、何かを「準備し終えること」ではなく、将来起こることを想像し、考え始めることそのものです。

誰に相談するかを整理するところから始める

終活として、最初に取り組みやすいのが「誰に相談できそうか」を整理することです。
すべてを一人で考え込む必要はありません。

  • 家族や親族に話せそうか
  • 友人・知人に相談できる内容か
  • 第三者や専門家に相談した方が安心な部分はどこか

話す相手を想定するだけでも、終活は現実的なものになっていきます。
死後事務についても、「自分の場合はどう考えればいいのか」という段階から、相談できる場所があります。

死後事務の流れについて、まずは「相談」から始めてみませんか

ここまでお読みいただき、「死後事務の流れは理解できた」、「でも、自分の場合はどう考えればいいのか分からない」と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
死後事務は、正解が一つに決まっているものではなく、家族構成や人間関係、価値観によって考え方が大きく変わります。
そのため、「今すぐ何かを決める」必要はありません。
「自分の場合はどう考えればいいのか」を整理することが、終活としての大切な第一歩です。
一般社団法人 身元保証相談士協会では、死後事務や身元保証について、状況を伺いながら一緒に考える無料相談を行っています。

  • 家族がいるけれど、どこまで任せられるのか不安
  • 誰にも迷惑をかけたくないが、どう備えればいいか分からない
  • まだ具体的な準備をする段階ではないが、話だけ聞いてみたい

といった段階からのご相談も多く寄せられています。
無料相談は、契約を前提としたものではありません。
「今は情報収集だけ」「将来のために知っておきたい」という方も、安心してご利用いただけます。
死後事務について考え始めた“今”だからこそ、一度、専門家に話してみてはいかがでしょうか。

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