介護に役立つ福祉用具について!種類や利用における流れを知ろう!

公開日: 2022年10月24日

更新日: 2022年10月24日

  • 介護・高齢者施設

介護用品の中には、福祉用具と呼ばれるものがあります。
福祉用具とはどのようなものを指すのでしょうか。

ここでは、福祉用具の種類や利用方法について、ご紹介します。
その際、特に注意すべき点についても確認していきましょう。

更に、介護保険を使って福祉用具をレンタル、または購入するまでの流れについても解説します。

福祉用具とは?

介護保険には、要介護者の生活を支える特定の用具を指定し、費用の一部を支給する制度があります。
この制度で指定された物品が、福祉用具です。

例えば、歩行が不安定な人のための杖や歩行器、車いすや介護用ベッドなどがこれに当たります。
ただし法律でどの物品が福祉用具に当たるか定められており、似たような物であっても介護保険の適用にならないことがあるのです。

なお、似たような用語として介護用品というものがありますが、福祉用具もその一部といえるでしょう。
ただ、介護用品の場合、紙おむつや介護用食品などの日用品も含むのに対し、福祉用具は本人の生活能力の維持や改善を目的としたものに限られています。

主に移動や排泄、入浴などを円滑に行い、介護が必要な人や介護者の利便性を高めるものが指定されているのです。

介護保険を利用した福祉用具の利用

レンタル(貸与)

介護保険を使って福祉用具を利用する際は、多くのものがレンタルとなります。
しかし、介護度によって介護保険を利用してのレンタルの品目が異なってくることになっています。

歩行補助杖や歩行器、車いす、特殊寝台、床ずれ防止用具、体位変換器、手すり、スロープ、移動用リフト、徘徊感知器、自動排泄処理装置が対象です。
月々の利用料を支払いますが、料金の多くが介護保険で支給されます。

自己負担額は、ほとんどの人が1割です。
例えば、レンタル料金が1か月10,000円のものを借りた場合、自己負担は1,000円で済みます。

ただし、所得によっては2割~3割負担となる可能性があるので注意しましょう。

購入(受領委任払い)

一部の福祉用具は、レンタルができず購入のみできることになっています。
肌に直接触れるものなど、衛生的・心理的にレンタルになじまないものが指定されているのです。

例えば、入浴用のいすやポータブルトイレ、排泄予測支援機器、自動排泄処理装置の交換部品、移動用リフトの吊具の部分などがこれにあたります。
介護保険を使えば、これらを価格の1割(収入によっては2~3割)で購入できる可能性があるのです。

このように、利用者が1割分しか支払わず介護保険の給付分が直接的に事業者に支払われる方法を、受領委任払いと呼びます。
但し、対象となるのは10万円までの分であり、これを超えた分は全額自己負担となるのです。

なお、受領委任払いが使えるのは世帯全員が住民税非課税であることなど制限があり、これに当てはまらない場合は次に紹介する償還払いとなります。

購入(償還払い)

利用者が一旦代金の全額を事業者に支払い、申請後に9割(収入によっては7~8割)の分が支給されるという方法です。
後から返ってくるとはいっても、一度はまとまったお金が必要なので、負担が大きく感じるかもしれません。

申請方法としては介護認定を受けている被保険者が、自治体などの窓口に必要書類を持っていくこととなります。
受領委任払いか償還払いのどちらの方法になるかは、自治体や個人の状況によって異なるので、あらかじめ確認しておきましょう。

福祉用具選びの注意点

福祉用具専門相談員に相談する

福祉用具のレンタルや販売を行っている事業所には、必ず福祉用具専門相談員というスタッフがいます。
保健師、理学療法士、看護師、社会福祉士、介護福祉士などの他、福祉用具についての専門的研修を受けた人が相談員となるのです。

どのような用具を使うべきか、どの機種を選ぶべきかなど、専門知識を生かし相談に乗ってくれるでしょう。
また、利用が始まった後もモニタリングと言って用具に不具合がないか点検をし、適切な使い方ができているか確認もしてくれます。

用具には様々な種類や機種があるので、適当に決めてしまうと本人や使用する場所に合わないということにもなりかねません。
必ず、このようなスタッフと丁寧に打ち合わせをし、アドバイスをもらうようにしましょう。

自分の身体状況にあった用具を選ぶ

利用に当たっては、本人の身体状況に合ったものを選択することが重要です。
利用の目的は自立のサポートなので、自分で出来ることを妨げる、あるいは無理をさせることにならないか注意を払うべきでしょう。

例えば、立ち上がりを補助する手すりなどは、必要な場所に適切な高さで設置する必要があります。
また、むやみに設置すると自力での移動を妨げ、かえって自立度を下げることにもなりかねません。

この点も、福祉用具専門相談員と打ち合わせ、ケアマネジャーとも相談して妥当なものを選ぶようにしましょう。
特に手すりや杖などは本人が一度握ってみて、高さや大きさが身体に合っているかを確認するとよいですね。

お試しをしてチェックする

福祉用具を取り扱っている事業所の中には、実際に購入やレンタルをする前に、お試しができる所があります。
このようなサービスがあるなら、是非利用してみましょう。

実際に自宅に設置して、本人や介護者が触ってみなくては使い勝手が分からない場合があります。
安全に使えるかどうかという点も、実際に確認してから利用すると安心ですね。

お試しができる事業所は多いのですが、品目や使用の仕方に制限がある例もみられます
例えば、入浴椅子は使用する場所に置いてみるのはよいが、水をかけるのはお断りという場合も。

何をどの程度まで試用できるのか、確認してみましょう。
また、お試しが無料な場合もあれば、一定の料金を支払っての貸し出しになる場合もあるので注意が必要です。

介護保険を利用できる福祉用具の種類

福祉用具貸与

すべての介護度

介護保険を使った福祉用具のレンタルは、介護度によっては利用できない物があります。
介護度が軽い人も含め全ての人が利用できるのは、歩行補助杖、歩行器、手すり、スロープ、自動排泄処理装置です。

歩行補助杖とは、歩行をする際に体を支える器具のことを指します。
松葉杖や多脚杖(足の部分が3~4本に分かれているもの)、4本足で身体の片側を支えるサイドウォーカーなどがあります。

腕を輪に通して固定するロフストランド杖も含みますが、通常のT字型の杖などの1本杖は福祉用具にはなりません。

歩行器とは、身体の前面に置いて両手で身体を支えながら安全な歩行をサポートするものです。
4本の足があり、車輪のついたものと車輪なしのものがあります。

手すりやスロープのレンタルは、必要な場所に置く形のもので、取付けに際して工事が必要な物は含みません。
自動排泄処理装置は、尿を自動的に吸引してくれる機械です。

要介護度2~5の人

一部の福祉用具は、要介護2~5の介護度が重い人のみが使うものです。
要支援や要介護1の人は、介護保険を使っての利用ができません。

特殊寝台(及びその付属品)・床ずれ防止用具・体位変換器・車いす(及びその付属品)・認知症老人徘徊感知機器・ 移動用リフト(吊具の部分を除く) がこれにあたります。
移動用リフトの吊具は、後述するように購入しなくてはなりません。

特殊寝台というのは、背中や足の部分が電動で動き、姿勢を変える動作を補助するものです。
また、ベッド自体の高さを調節できるものもあり、介護をしやすくする機能といえます。

床ずれ防止器具とは、体圧を分散し蒸れを防ぐマットレスです。
体位変換器は、介護の際、身体の位置を変えやすくするために使います。

移動用リフトは、ベッドから車いす・ポータブルトイレへの移動を補助するリフトです。
これらの器具を使うことで床ずれを防ぎ、介護者が楽に介助できるようになります。

認知症老人徘徊検知機器は、玄関やベッドサイド等に設置するセンサーのことです。
センサーで感知をすると家族や隣人の方などにお知らせをして、対象者が一人で外出してしまうことを予防する機械です。

特定福祉用具販売

福祉用具の中でも、レンタルではなく購入しかできないものがあります
これを特定福祉用具と呼び、購入費の9割(所得によっては7~8割)を介護保険でまかなうことが可能です。

これに指定された用具は、排せつや入浴等に使うのでレンタルにはなじまないため、購入しなくてはならないとされています。
例えば、ポータブルトイレや、 自動排泄処理装置の交換可能部、排泄予測支援機器などです。

また、入浴用のいす、すのこ、入浴用介助ベルト、簡易浴槽の他、 移動用リフトの吊具の部分も対象となります。
介護保険を使えるのは、要支援1から要介護5に認定された人です。

なお、給付の対象となるのは1年間(4月から翌年の3月まで)において購入金額の10万円までであり、これを超えた分は自分で負担する必要があります。

福祉用具の貸与・販売の流れ

福祉用具をレンタル、あるいは購入したいと思った時は、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談をしましょう。
すると、本人や介護をする人に聞き取りが行われ、本人や家族、住まいの情報等を収集してケアプランが作られるのです。

特に福祉用具を使う場合は、福祉用具サービス計画書というものが作られます。
本人の心身の状況に従って、何を目標としてこの用具を使うのかが明確にされるのです。

その後、本人や家族への説明が行われ、福祉用具の事業所と契約が結ばれるとサービスの利用が始まります。
また、利用開始後にはケアマネジャーによってモニタリングも行われることになっているのです。

モニタリングでは定期的に福祉用具使用の状況を聞き取り、その用具が本人や介護者のニーズに合っているかどうか確認が行われます。
問題があるようなら、別の用具に取り換えてもらうこともできます。

福祉用具を使って介護の負担を減らそう

介護用品の中でも、福祉用具と指定されているものは限られており、利用できる人の範囲も決まっています。
この範囲内であれば、介護保険を使って少ない自己負担で利用できるのです。

福祉用具を使うことで、介護される人が自宅で自立して過ごせるようになる可能性があります。
また、介護する人も、お世話が楽になり負担を軽減することができるかもしれません。

条件が合えば、是非利用したいものです。
使ってみたいと思う人は、ケアマネジャー等に相談してみましょう。

 

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