介護用品である杖の役割とは?選び方や注意点をご紹介します!

公開日: 2022年07月11日

更新日: 2022年07月11日

  • 介護・高齢者施設

年を取ると、杖を使う人が増えてきます。
高齢者が使う杖には、どのようなものがあるのでしょうか。

ここでは介護用品としての杖の役割や種類についてご紹介します。
また、介護用の杖の選び方や、介護保険を使ったレンタルの仕方についても知っておきたいものですね。

さらに、高齢者が杖を使う際の注意点についても解説します。

杖の役割とは

歩行の補助

杖の最も大きな役割は、歩行を補助してくれるということです。
高齢になって足腰が弱った人でも、杖を使えば安定して歩けるようになる可能性があります。

高齢や障害のために筋力が衰えている人は、足を踏み出す時にバランスを崩しやすくなるもの。
この時、杖があれば、身体を支えバランスをとるサポートをしてくれます。

歩く時のふらつきや転倒が不安な人も、杖を使うことで安心して歩けるようになるでしょう。
また、片方の足だけ弱っている場合、その部分の補助になるので、テンポ良く歩くことができるようになります。

身体の負担軽減

高齢になると、足や腰にトラブルを抱える人が増えます。
しかし、杖を使うことで、足腰にかかる負担を減らすことができるでしょう。

杖を使えば体重が分散するので、その分、足腰への負担が減るのです。
歩くと膝や腰が痛むという人は、痛みを避けるために歩くのをためらうようになることがありますが、動かないでいると更に状況が悪化することも。

できるだけ自分自身の足で歩き続けるためにも、杖を使って足腰の負担を軽減したうえで歩行をしたいものです。

障害物の発見

杖の役割としては、前方に障害物がないか確認するという点も挙げられます。
歩いているときに、杖で地面を探るようにすれば、安全を確かめながら歩けるのです。

特に、高齢者になると視力の低下を避けられず、障害物や段差に気付きにくくなります。
また、足腰も弱っているので、少しの凸凹でも転んでしまう危険性が高いのです。

杖で足元をしっかり確認することで、転倒を避け安心して歩けるようになるでしょう。

杖の種類

T字杖

杖全体の形が、Tの字型になっているもので、一本杖とも呼ばれています。
持ち手の部分に横棒があるので、ここに手のひらを当てて使う杖です。

地面を突く部分が一か所なので、歩行障害が少ない人に向いています。
すっきりした形なので取り扱いやすく、他の杖よりも速く歩けるのが特徴です。

T字杖の中には、折り畳みや伸縮自在のものもあり、デザイン的にもおしゃれなものがみられます。
少し歩行が不安になってきたという段階の人に向いていますが、手にトラブルのある人は使えないことがあるので注意しましょう。

多脚杖

地面に着く部分が枝分かれをしていて、3点、あるいは4点で支える形になっている杖です。
この形のものなら安定性が高く、体重をしっかり支えてくれます。

ただし、支える部分が多い分やや重くなり、てきぱきと歩くのは難しいかもしれません。
足腰が大分弱ってきて、転ぶのが心配な人にはこのタイプのものが向いているでしょう。

ただし、階段や凹凸の多い場所では、枝分かれした部分をうまく地面に付けられない時もあります。
逆に歩きにくく危険なこともあるので、平坦な場所だけで利用するのが基本です。

場合によっては、T字杖か車いす等と併用する必要があるかもしれません。

ロフストランド杖

杖の上部に、腕を通す輪がついているタイプです。
U字型、またはO字型の輪に腕を通し、その下にある持ち手を握って使います。

腕と手のひらの両方で身体を支えるので、体重が分散され、手にトラブルのある人や握力の弱い人でも使いやすいのが特徴です。
なお、U字型の場合は脱着が簡単ですが、外れやすいというデメリットがあります。

一方、O字型の場合は、外れにくい分、転んだ時に腕をひねるなどの危険がないとはいえません。
転びやすい人かどうかという点も考慮して、その人に合った形のものを選びましょう。

松葉杖

松葉杖は、脇の下に挟み込んで使う杖で、脇と手のひらで身体を支えます。
一般的には、2本をそれぞれ両腕に挟んで使うもので、安定性に優れているといえるでしょう。

松葉杖は若い人でも、事故で足腰にケガをした時等に使われます。
足や股関節などにトラブルがあっても歩くことができますが、両手がふさがってしまうので不便な部分もあるでしょう。

また、両側にある程度のゆとりがないと使いにくく、狭い場所では取り扱いにくいことにも注意が必要です。

杖の選び方

身体にあったものを選ぶ

杖を選ぶ際は、自分の身体に合ったものを選ぶことが大切です。
身体に合わないものを使っていると、疲れやすくなり、時には転倒等の事故にもつながりかねません。

多くの場合、身長による長さの目安が表示されているので、それに合わせて選ぶのが基本です。
また、腕の長さも関係するので、持ってみてちょうどよいと感じるものを選びましょう。

持ち手の部分の形や素材も様々なので、握りやすく手になじむものを選ぶことが大切です。

軽さや丈夫さで選ぶ

杖は、アルミ・カーボン・木など様々な素材のものがあり、それぞれ重さが異なります。
身体に合った重さで、できれば丈夫なものを選びたいものですね。

あまりにも杖が重いと、体力のない高齢者にはかえって負担になるでしょう。
しかし、人によっては、ある程度の重みがあった方が、杖を突きやすいという場合もあります。

できれば、実際に杖を使って歩いてみて、自分に合っているかどうかを確認したいものです。
また、杖は素材や材質によって耐久性が異なります。

あまりにも華奢なものの場合、簡単に折れてしまうことにもなりかねないので、注意しましょう。

用途に合わせて選ぶ

どのような用途で使うかによって、杖の選び方も変わります。
人によって、身体の状況や使う目的が異なるので、それに合わせて選ぶ必要があるのです。

例えば、ケガが治るまで一時的に足を守るために使う場合なら、多少不便でも松葉杖が向いています。
しかし、加齢によって足が弱っている人が日常生活に使うなら、T字杖や多脚杖の方が使いやすいでしょう。

また、背骨が曲がっている状態の人はT字杖より多脚杖の方が安定しますが、階段を使う時や狭い場所での移動には、T字杖の方が良い場合もあります。
その人の身体の状況と、使用する場面によって杖を使い分けることが必要です。

専門家に相談して選ぶ

自分の身体や利用環境に合った杖を選ぶのが、難しいという人もいます。
杖には様々な種類やデザインのものがあるので、迷うかもしれませんね。

このような場合は、福祉用具の専門家などに相談してアドバイスをもらうようにしましょう。
例えば、福祉用具の販売事業所には、必ず「福祉用具専門相談員」の資格を持った人が配置されています。

このような専門家に、自分に合った杖はどのようなものなのか聞いてみましょう。

介護保険サービスを利用した杖のレンタル

レンタルのメリット

杖は、自分で購入しようと思うと値段が高い場合があります。
しかし、介護用の杖は介護保険を使ってレンタルすることもできるのです。

福祉用具として「介護補助杖」と指定されたものなら、少ない自己負担で借りることができます。
要支援・要介護と認定された人であれば、レンタルの費用が1割~3割負担で済むのです。

また、この場合、福祉用具専門相談員が本人に合った杖を選べるようアドバイスをしてくれることになっています。
更に、定期的にメンテナンスを行ってくれ、身体の状況が変わった時には杖を変更することも可能です。

介護認定を受けている人、認定を受ける予定の人は、必要があれば杖のレンタルも検討するとよいでしょう。

レンタルの流れ

介護保険を使って杖のレンタルをするには、まず介護認定を受けることが必要です。
要支援または要介護の認定を受けたら、以下の手順で手続きをしましょう。

「要介護」という認定を受けた人は、まずケアマネジャーに相談をしてケアプランを作成してもらいます。
ケアプランというのは、介護保険をどのように使って介護サービスを受けるのかという計画のことです。

このケアプランの相談の時、歩行杖のレンタルを希望することを伝えて、計画に組み込んでもらいましょう。
なお、要介護よりも介護度の低い「要支援」の人の場合、ケアプランの相談をするのは地域包括支援センターです。

ケアプランが完成したら、福祉用具専門相談員と打ち合わせを行って自分にあった杖を選んでもらいます。
福祉用具専門相談員は、福祉用具の貸与事業所に配置されている専門家です。

ちょうど良いものが決まったら、福祉用具貸与事業者とレンタルの契約をし、杖の利用開始となります。

杖を使う際の注意点

正しい使い方をする

初めて杖を利用する時や、新しい杖を使う時には、正しい杖の使い方をよく確認しましょう。
正しい使い方をしないと、かえって身体に負担をかけ、転倒などの事故も起こりやすくなります。

持ち手の握り方や、ロフストランド杖の固定の仕方など、きちんと確かめることが必要です。
取扱説明書をよく読み、福祉用具レンタルの際は事業所で教えてもらいましょう。

折り畳み杖や伸縮する杖の場合は、伸ばした時しっかりと固定することも忘れずに。

定期的に点検をする

杖を使う際は、必ず異常がないか点検をするようにしましょう。
トラブルを放置したまま使うと、滑って身体をひねってしまう、転倒するなどの原因になります。

例えば、持ち手を固定するねじが確実に閉まっていないと、突然外れてしまうことがあるのです。
また、持ち手そのものにひび割れができていないか気を付けるようにしましょう。

継続して使う中で特に注意が必要なのは、杖の先のゴムのすり減りです。
使う人の癖で片側だけすり減ってしまうと、バランスが崩れてしまう危険があります。

時々、杖の先も注意して点検し、異常があればすぐにゴムを交換するようにしましょう。

介護用品の杖を使って生活の質を高めよう

介護用の杖は、高齢者の移動を助け生活の質を高めます。
足腰への負担を軽くし、歩きやすくしてくれるのです。

介護用の杖は、介護保険を使いレンタルすれば、少ない自己負担で利用できます。
杖が必要だと思ったら、地域包括支援センタ―やケアマネージャーに相談してレンタルを考えましょう。

杖には様々な種類のものがあり、その人の状況や身体に合ったものを選べます。
その人に合った杖を使うことで、できるだけ自分自身で移動できる状態を保ちたいものです。

 

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