地域密着型通所介護の実態とは?サービス内容やメリットを説明します

公開日: 2022年12月05日

更新日: 2022年12月05日

  • 介護・高齢者施設

高齢者が介護を受けるために通うサービスに、地域密着型通所介護というものがあります。
これはどのようなサービスなのでしょうか。

まず通常の通所介護との違いや、サービスの対象となる人を見ていきましょう。
また、具体的なサービスの内容についても解説します。

更に、利用する際の費用やそのメリットについても説明します。

地域密着型通所介護とは

地域密着型通所介護は、いわゆるデイサービスの一種。
介護が必要な高齢者が住まいに近い小規模の施設に通って、援助を受けるサービスです。

例えば、食事や入浴の介助を受ける、リハビリをするなどのサービスが受けられます。
基本的に日帰りで施設に通いますが、このサービスには自宅から施設までの送迎も含まれているのです。

このサービスは、要介護になっても出来る限り自立して、自宅を中心に生活できるようにすることを目的としています。
施設に通ってサービスを受けることで、心身の機能の維持を図り、家族の負担を減らすことも可能です。

また、家に閉じこもりきりになりがちな高齢者の孤立感を解消することも、期待できます。
小規模でアットホームな施設に定期的に通い、同じ地域に住む仲間や周辺の住民と交流を図ることが期待できるでしょう。

このサービスは、2016年4月から導入されたもので、その背景には「地域包括ケアシステム」があります。
自宅で生活する高齢者を、その地域ぐるみで支援しようとする試みの一つといえるでしょう。

地域密着型通所介護と通所介護との違い

地域密着型通所介護と似たようなものに、「通所介護」というサービスがあります。
2016年に導入された際、この通所介護と分ける形で作られたのが地域密着型通所介護です。

その違いは、どこにあるのでしょうか。

定員の数

地域密着型通所介護の大きな特徴は、比較的小規模でアットホームという点です。
定員は18人以下ということになっており、1か月あたりの利用者数も、のべ450名以下という決まりがあります。

一方、19人以上の利用者を扱う施設の場合は、「通所介護」とされるのです。
このように、地域密着型の場合、少ない人数で利用するために、お互いの顔がよくわかるようになります。

利用者同士が一緒に生活を送る仲間というイメージを持ちやすく、孤独を感じにくいかもしれません。
認知症の人などは、他人と一緒に生活することに不安を感じる場合もありますが、小人数なら顔見知りになりやすく安心ですね。

また、職員の目も届きやすく、細やかなケアが期待できるかもしれません。

費用

通常の通所介護も地域密着型の場合も、1回利用するごとに費用がかかるという点は同じです。
どちらも介護保険を使えば、基本的に1割負担(収入が多い人は2~3割負担)で済むでしょう。

ただ、両者を比べてみると、地域密着型通の方がやや費用が高い傾向があります。
これは、定員が少なく細やかなサービスを提供しているためです。

地域によって細かい数字が異なるのですが、一例をあげると7時間以上8時間未満のサービスで要介護1の人は、1回につき1割負担で735円。
通常の通所介護の場合、同様の内容で645円となっています(厚生労働省ホームページ「公表されている介護サービスについて」より)。

介護度によって費用は異なりますが、1回あたり概ね90円から140円程度高いことになるでしょう。
週に3~4回通ったとして、1か月で1000円から2500円程度の差が出てくるといえます。

提供される地域

通常の通所介護の場合、どこに住んでいても利用できますが、地域密着型の場合は制限があります。
その事業所がある地域に住んでいる人でないと、利用できないのです。

従って、地域密着型の通所介護を利用したいと思ったら、本人が住んでいる地域で探すしかありません。
これは高齢者を住み慣れた地域の中で介護し、地域とのつながりの中で見守りたいという理念があるためです。

事業所を管轄する自治体も、通常の通所介護の場合は都道府県ですが、地域密着型の場合は市区町村となります。
従って、自宅の近くに事業所があったとしても隣の市や区であれば利用できないということになりますね。

地域密着型通所介護のサービス対象者

この施設を利用できるのは、介護認定を受け、要介護1~5と判定された人です。
一般的には65歳以上の人しか、介護認定を受けることはありません。

ただし、40〜64歳でも加齢に伴う特定の疾病があり、介護が必要な場合は認定を受けることができます。
例えば、末期がんや関節リウマチ、若年性認知症など合わせて16種類の疾病が、この特定疾患として指定されているのです。

また、その施設がある市区町村に利用者本人の住民票があることも必須条件となります。
ご家族の住む市区町村での利用はできないので、注意が必要ですね。

なお、先に述べたように地域密着型通所介護の定員は18人以下と決められており、これを越えての受け入れはできません。
従って、定員に空きがない施設は利用できないということになります。

地域密着型通所介護のサービス

サービスの内容自体は、一般的な通所介護(デイサービス)と大きな違いはありません。
例えば、食事・入浴・排泄介助・リハビリなどです。

食事の提供については、高齢者本人の体調に合わせ栄養バランスも考えた食事が出されることになっています。
1人では食事が上手くできない人には、声をかけながら口に食事を運ぶ介助もしてもらえるのです。

更に、施設内の浴室で入浴をさせてくれ、身体を洗うなどの介助もあります。
当然、トイレの介助やおむつ替えなどもしてもらえますよ。

施設に行くと健康状態のチェックが行われ、リハビリによって生活機能の維持改善を図ります。
口腔機能の衰えを予防するため、お口のリハビリや食後のケアも提供されているのです。

別料金でお泊りができるデイサービスもありますが、基本的には、日帰りでのサービス提供となります。
自宅と施設の送迎もサービスの中に含まれているので、車でお迎えに来てくれますよ。

また、施設ごとに、様々なレクリエーション活動や地域との交流行事などが行われています。

地域密着型通所介護のサービス費用

利用するための費用は、利用時間と要介護度によって1回当たりの金額が異なります
利用時間は、3時間以上4時間未満から8時間以上9時間未満まで1時間刻みで料金設定があるのです。

また、リハビリをする場合などは追加の費用を求められることがあります。
この点は、事業所によく確認しておくことが必要でしょう。

また、個別に対応が必要な場合には、サービス加算というものがあります。
例えば、入浴加算や認知症加算などです。

このような費用は介護保険が適用されるため基本的に1割ですみます。
ただし、所得の多い人は2割または3割の負担になる場合があるので注意が必要です。

また昼食を施設で取る場合は、食費も請求されます。
おむつ代など日常生活に必要な費用も含めて実費となり、介護保険の適用はありません。

地域密着型通所介護のメリット

きめ細かなサービスが提供される

地域密着型通所介護では、定員が少ないため、きめ細やかな対応が期待できます
その人の個性や体調に合わせて、必要な対応をしてもらえる可能性が高いのです。

利用者の多い通所介護施設の場合、大勢が一度に食事や入浴をしなければならず、一人一人に目が届かない場合があります。
時間に追われて丁寧な介助ができず、流れ作業のようになってしまうことがあるのです。

しかし、地域密着型の場合は定員が18人以下なので、1人1人にゆっくりと向き合えます。
急がせずに、その人のペースに合わせて介助ができるでしょう。

利用者の体調や気分をスタッフがきちんと把握し、それに合わせた対応が期待できます。
リハビリなども1人ずつ個別に見てもらえるので、効果が期待できますね。

他の利用者や職員との距離が近い

もう一つのメリットは、他の利用者や職員との距離が近いということ。
アットホームな日常生活の場という雰囲気があり、安心感があるかもしれません。

地域密着型通所介護では定員が少ないため、建物も小規模で普通の民家と変わらないような建物が利用されている例もあります。
そのため、お互いに顔を合わせる機会が多いのです。

また、スタッフが少人数であり、顔なじみの人に毎回対応してもらえます。
利用者も人数が少ないので、顔を覚えてお互いに親しくなりやすいのです。

このような場であれば、環境の変化が苦手な高齢者でも気持ちの安定が図れるでしょう。
お互いのことがよくわかっている場所で親密な関係性を持てるので、孤独感を癒してくれる効果があるといえます。

地域密着型通所介護は小規模でアットホームなデイサービス

地域密着型通所介護のサービスは、基本的には通常の通所介護と変わりがありません。
介護が必要な高齢者が通い、日中の介護を受けるデイサービスの一種です。

しかし、小規模・少人数で同じ地域に住む人が利用しているため、通常のデイサービスとは雰囲気が違っています。
アットホームで、きめ細やかな対処が期待できるのです。

ただ、その地域に住む人しか使えず、定員が少ない点には注意が必要といえます。

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