特別養護老人ホーム(特養)の特徴とは?入所やサービスについてご紹介!

公開日: 2022年12月12日

更新日: 2022年12月12日

  • 介護・高齢者施設

特別養護老人ホームというのは、高齢者が入所する施設の一つです。
これは、どのような特徴を持った施設なのでしょうか。

ここでは、特別養護老人ホームの居室タイプやサービスの内容について紹介します。
また、特別養護老人ホームを利用する方法や費用についても見ていきましょう。

更に、この施設のメリットとデメリットについても解説します。

特別養護老人ホームとは

特別養護老人ホームとは、自宅で暮らすことが困難になった高齢者が生活する所です。
介護を受けながら施設の中で暮らすための場所で、要介護の人を対象としています。

この施設の法律上の正式名称は、介護老人福祉施設です。
一般的には、略して特養とも呼ばれます。

高齢者が暮らす施設には、有料老人ホームというものもありますが、これとの違いは経営主体です。
特養は、介護保険を使って設置された公的施設で、地方公共団体や社会福祉法人によって運営されています。

また有料老人ホームとは異なり、費用負担が軽いのが特徴です。
法律で定められた基準に沿って、介護やリハビリ、レクリエーションなどのサービスが提供されます。

比較的安くて充実した介護が受けられるので、人気のある施設といえるでしょう。

特別養護老人ホームへの入所

入所条件

利用できるのは、介護認定で要介護とされた65歳以上の人です。
ただし、2015年4月より入所基準が変更され、原則として要介護3以上を対象とすると定められました。

より要介護度の高い人が、この施設の対象者といえるでしょう。
一方、要介護1又は2の人でも、特別な事情があれば利用できる場合があります。

認知症や障害があり自宅での生活が困難な時などは、「入所判定委員会」の審査を受けて許可される例があるのです。
なお、この施設では看護師の夜間配置が義務付けられておらず、医療的なケアが必要な人は入所が難しいこともあります。

入所期間

この施設には、入所期間の制限がありません。
従って、終の棲家として亡くなるまで過ごすことができるのです。

24時間の手厚い介護が受けられるため、ずっと入所している人が多くなり、入所期間は他の施設よりも長くなっています。
また、介護度の高い利用者の場合、いずれ終末期を迎えることもあるでしょう。

このような時、特養では看取りをしてくれるところが多いです。
他の施設では、看取りに対応してくれないところもありますが、特養では最期まで施設内で過ごすことができるでしょう。

入所の流れ

特養を利用するには、まず要介護の認定を受ける必要があります。
本人がお住まいの自治体で申請をして、介護認定を受けましょう。

要介護という認定がおりたら、入所したい施設に申し込みをします。
高齢者本人、またはその家族が、施設を直接訪問するか郵送で申し込みをしましょう。

審査などの手続きを経て、入所してもよいという判定が出れば、施設と契約をすることになります。
なお入所を希望する施設がいくつかある場合は、施設ごとに申し込むことが必要です。

特別養護老人ホームの居室タイプ

部屋の種類としては、ユニット型個室・ユニット型準個室・従来型個室・多床室があります。
現在はユニット型が推奨されており、徐々にユニット型が増えている状況です。

ユニット型とは、複数の個室をまとめたユニットが作られ、ユニット内で共同で生活をするようになります。
プライバシーを守りつつ、利用者同士のコミュニティも形成される形です。

一つのユニットは10人以下と定められており、リビングや台所、バスルーム、トイレなどを共有します。
ユニットごとに介護スタッフがついて、お世話をするようになっているのです。

一方、多床室は、複数のベッドが一部屋に並ぶ形で、一室あたりの定員は4人となっています。
この居室と共有スペースを中心に、介護を受けつつ生活を送ることになるでしょう。

特別養護老人ホームの種類

広域型特別養護老人ホーム

特養の中でも広域型と呼ばれるものがありますが、これが最も一般的な形です。
高齢者本人の住民票がどこにあっても制限なく利用できるものを指し、定員は30名以上となります。

後述する地域密着型の場合は、施設のある自治体に住民票がないと入所できません。
一方、広域型の場合は遠方の施設でも利用できるのです。

ここでは、人員配置基準が地域密着型よりも厳しく、医療関係のスタッフなども充実しています。

地域密着型特別養護老人ホーム

このタイプは、その地域に住む人を対象とした小規模の施設です。
住み慣れた地域で一生を過ごすことを目指した施設で、定員は29人以下となっています。

この施設は、その地域に住民票がある人しか利用できません
また、「サテライト型」と呼ばれる施設と「単独型」の二種類があります。

サテライト型とは、郊外で広域型を運営する事業所が街中に小規模のホームを設置するもの。
医師がいない場合もありますが、その代わりに本体施設から通ってきてくれます。

単独型は、サテライト型のような本体施設がなく単独で運営されているところで、ユニット型が多いのが特徴です。

地域サポート型特別養護老人ホーム

この特養は、在宅介護を受ける高齢者のために24時間体制で、見守りと対応を行うものです。
施設内で生活するのではなく、必要に応じてスタッフが自宅を訪問、介護や生活支援を行います。

それぞれの自宅に通報装置が備えつけられており、夜間に急に体調を崩した時などにも対応が可能です。
細やかな対応を行うために、利用できるのは施設の近隣に住んでいる高齢者に限られます。

自宅での生活を続けながら、ホーム内でのサービスに近いケアを受けられる可能性がありますが、まだ施設数は少ないのが現状です。

特別養護老人ホームのサービス

介護(食事・入浴・排泄)

特養で行われる介護は、生活の全般にわたります。
3度の食事が提供され、食べる際の介助もするのです。

入浴の際は、着替えや身体を洗う介助が行われます。
本人の状況に合わせて、トイレの介助やおむつ交換もしてもらえるのです。

介護職員または看護職員の配置基準は、利用者3人につき1人と定められています。

機能訓練

特養では、施設内でリハビリも行われます。
身体の機能を維持・回復し、出来るだけ自立した生活ができるように訓練が行われるのです。

リハビリを行うのは介護スタッフのこともありますが、理学療法士や作業療法士がいる施設もありますよ。

健康管理

特養には医師や看護師が配置されており、定期的に健康診断をしてくれます。
体調に問題がある時は指導をしてくれ、場合によっては通院や入院の指示を出してくれるのです。

また、食事は本人の身体状況に合わせたものが提供されます。
食事制限がある時も、その人に合わせたものを作ってくれるのです。

その他、介護スタッフが本人の状況を毎日確認し、異常がないか見守ってくれます。

レクリエーション

特養では、定期的にレクリエーションが行われます。
内容はホームによって異なりますが、体操や歌、手芸など様々なレクリエーションが展開されているのです。

レクリエーションを行うのは、基本的に介護スタッフですが、地域のボランティアなどが訪問することも。
高齢者にとって楽しみでもあり、心身の機能を高める機会にもなっています。

看取り

身体が衰弱し死期が近づいたと判断された時は、希望に応じて看取りが行われます。
静かな環境が用意され、苦痛が少ないように身体的・精神的なケアを行うのです。

特養では、医療機関で行うような疼痛コントロールなどはできません。
本人や家族の希望によっては、病院に移ることもあります。

特別養護老人ホームの費用

特養は、有料老人ホームとは異なり、入所に際して一時金などは必要ありません。
公的な介護保険施設なので、必要な費用は比較的安くて済みます

月々請求されるのは、介護サービス費、食費、居住費、生活費などです。
居住費というのはいわゆる家賃のようなもの。

生活費というのは、日用品や散髪代などです。
月々の負担額は、合計すると数万円程度から十数万円程度かかるといえます。

なお、居室がユニット型の場合や要介護度が重い場合は、費用負担が増えるので注意が必要です。

特別養護老人ホームのメリット・デメリット

メリット

入所の費用負担が少ない

費用負担が少ないというのが、一つの大きなメリットと言えるでしょう。
介護保険による公的な施設なので、入所一時金がいらず、老人ホームの中では比較的安価に利用できるといえます。

また、利用料の減免制度があるのも魅力です。
所得や預貯金などの水準に応じて、食費や居住費の限度額が設けられており、高額介護サービス費による減免などもあります。

その他、利用料が医療費控除の対象になるので、ある程度の所得がある世帯でもお得といえるでしょう。

終身での入所ができる

特養は、終の棲家として住み続ける事ができます。
長期間の入所を前提としており、要介護度の高い人でも基本的にずっと施設内で暮らせるのです。

また、ここでは看取りにも対応してくれることになっています。
他の施設の中には、体調が悪化した時には退所しなくてはならず、対応に困る所もあるのです。

その点、ここでは最期まで環境をかえず、安心して暮らすことができます

デメリット

入所が比較的困難である

特養の大変なところは、まず入所が難しく、なかなか利用できないことがあるという点です。
入所条件が基本的に要介護3以上なので、介護度が低いと判定されてしまうと利用できません。

また、手厚い介護が受けられる一方で費用は安いために人気があり、入所希望者がとても多いのです。
地域によって設置されている数が大きく異なるのですが、場所によっては1年以上の待機が必要な場合もあります。

入居したいと思っても、なかなかすぐには入れないという点が、特養のデメリットといえるでしょう。

退所になる場合もある

特養では、場合によっては退所を余儀なくされることがあります。
例えば、体調の悪化や認知症の進行などで医療的なケアが必要となった場合、特養では対応できません。

また、ケガ等で入院が3か月を超えるような場合には、退所しなくてはならなくなることもあります。
たくさんの人が入所待ちをしている状況では、できるだけ空きベッドを作りたくないためです。

更に、認知症の進行により他の入所者や職員に迷惑をかける人も、退所の対象となる可能性があります。

特別養護老人ホームでは手厚い介護を長期間受けられる

特別養護老人ホームというのは、比較的介護度の重い高齢者を対象とした施設です。
介護を受けながら生活し、希望すれば看取りまでしてくれるので亡くなるまで安心して過ごせます。

介護保険を使った施設なので費用負担が少なく、手厚い介護が受けられる人気の施設です。
そのため、入居には順番待ちが必要な場合もあり、希望する場合は早めに検討する必要があるでしょう。

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