介護離職

公開日: 2020年07月29日

更新日: 2022年04月08日

  • 介護・高齢者施設

高齢化や核家族化が進む中で、働く世代の人が、両親やきょうだいの介護の為に仕事をやめ、その介護に専念する人が増えてきています。

◆介護離職とは

介護離職とは、家族を介護するために労働者が仕事を辞めることを言います。
高齢者人口の増加とともに、介護が必要な人や、介護認定を受ける人の数は増加しています。
今後、団塊の世代が70歳代に突入することから、介護を必要とする人の増加は今後続くことが見込まれます。
介護離職のケースは40、50代の年齢層に多く見られます。
働き盛りの時期に突然家族が要介護状態になり、仕事との両立を続ける中で、介護との両立が難しくなり、やむを得ず離職を選択するケースがほとんどと言われています。

また、介護に専念するため離職をするも、大きな収入源がなくなり、それまでの貯蓄や親の年金だけに頼ることになるので、生活に困窮し、生活保護を受ける家庭も少なくありません。
近年、少子高齢化の影響で介護離職のケースが増加しており、その経済損失もかなり大きいものとして算出されていることから、社会問題として取り上げられるようになりました。

◆介護離職による弊害

①介護うつ・介護殺人

介護によるストレスや、自分できちんと見なくてはという強い責任感などが原因で、「介護うつ」の状態に陥るケースが多くあります。
特に、要介護者の介護の為に家にこもりがちになり、社会との関わりが希薄になることから、介護者の社会的な孤立が深まってしまうと、介護者の心のバランスが崩れてしまい、精神的に追い込まれやすくなります。

さらに最近では、介護に疲れて将来を悲観するあまり、家族である被介護者を殺してしまうという「介護殺人」の事件に発展するケースも珍しくありません。
家族全員で心中を図るというケースもあり、介護疲れを放置するとこのような最悪な結果を招く恐れもあります。
介護疲れは介護離職の原因となりますが、同時にこのような介護うつや介護殺人などを引き起こす危険性もあります。

②再就職が難しくなる

さらに一度仕事を辞めてしまうと、それまで積み重ねてきたキャリアを捨てることになり、介護後の再就職も難しくなる可能性があります。
いつまで介護が続くかわからず、要介護者の介護状態も変化していくことから、介護をしながら働ける職場も限られてきます。

◆介護離職の措置

現在日本では、「育児・介護休業法」を制定し、仕事と家庭の両立支援策の充実を図っています。
例えば、要介護状態の家族を介護している労働者が、雇用主に対して申請を行うことで対象家族1人につき最大通算93日の介護休業が取得できます。

また、買い物や通院の付き添い、介護などを行うために年間5日まで介護休暇を取得することも定められており、働きながら介護を行うことに対し企業側も労働者の雇用を守るための処置が求められています。
こうした制度を利用し、介護休暇や介護休業を取得し、一時的に介護に集中できる環境をつくることも、仕事と介護を両立するポイントです。

しかし、こうした休業制度を利用しても、多くの日数を取得できるわけではないので、デイサービスやデイケアなどのサービスと並行して使う人も多いのが現状です。
仕事との両立を図ることが現実的な解決策となってくると考えられます。

◆介護が必要になったら

①介護サービスを活用する

介護サービスは多様化しています。それぞれの種類・特徴・費用を把握し、地元の市区町村で要介護認定を受けた上で、ケアマネジャーと相談しながらサービスを活用することが大切です。
サービスをうまく活用することで、介護者の負担が大きく軽減され、被介護者のストレスが減らせることが期待されます。

②相談窓口を活用する

地域包括支援センター、社会福祉協議会、保健所、国民健康保険団体連合会などの相談窓口を活用することも大切です。
介護予防、介護サービス、成年後見制度、高齢者虐待などさまざまな相談ができるほか、介護事業者とのトラブルに対するクレームの相談窓口もあります。

家族が介護が必要となり、離職をせざるを得なくなったり、以前と同様に働けなくなったりする人は今後ますます増えていくことが予想されます。
そのような状態になった時、介護による負担を減らしたり、要介護者がよりよい介護を受けられるように介護サービスや地域の相談窓口をうまく活用していきましょう。

介護離職を懸念し、ご家族に迷惑をかけたくないとお考えの方

ここまでご説明した通り、介護離職をすることによる弊害は決して小さなものではありません。
介護に関して、ご家族にはできるだけ迷惑をかけたくないとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような時には身元保証をしてくれる会社や団体を頼りましょう。

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