老人ホームの入居を検討する際のポイントとは

公開日: 2022年05月31日

更新日: 2022年06月01日

  • 介護・高齢者施設

年齢を重ねるにつれ、ご自分だけで生活するのは困難だと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような場合には老人ホームへの入居を検討されるかもしれませんが、数あるなかからご自分に合った施設を選択するとなると、それなりの時間と労力を要してしまいます。あらかじめ入居を検討する際のポイントを押さえておけば、施設選びもスムーズに進めることが可能です。

こちらでは老人ホームへの入居を検討する際に押さえるべきポイントを4つ、ご紹介いたしますので、施設選びを始める前にまずはご参考になさってください。

ポイント1:入居するための条件について

老人ホームには複数の種類があり、介護付有料老人ホームや住宅型有料老人ホームでは大半が60~65歳以上、特別養護老人ホームやグループホームなどは原則65歳以上の方を入居対象としています。
このようなことからもわかるように、65歳で定年を迎えた方であれば各老人ホームが掲げている年齢の条件はクリアできるといえるでしょう。

しかしながら特別養護老人ホームやグループホームは65歳以上であっても、介護認定(要支援・要介護等)を受けている方でないと入居することはできません。老人ホームの種類によっては年齢以外の条件を定めているところもあるため、検討される際は注意が必要です。

では60歳未満の方は老人ホームに入居できないのかというと、そうではありません。

健康型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(介護サービスなし)などであれば、入居できる可能性があります。また、60歳未満の方で特定疾患があり介護認定を受けている場合には、特別養護老人ホーム等に入所することも可能です。

ほかにも老人ホームではありませんが、高齢者向けマンション(シニアマンション)も60歳未満の方が入居可能な施設のひとつです。年齢制限は施設によって異なるため、なかには50歳以上から入居できるところもあります。

高齢者向けマンションの魅力はジムやプールを併設していたり、洗濯・掃除・送迎などの有料サービスを提供していたりと、老人ホームに比べて設備が充実している点です。
しかしながら介護サービスが受けられる施設ではないため、要介護となった際にはご家族の協力や介護保険サービスによるサポートが必須となります。

年齢についてもそうですが、その他の入居条件についてもしっかりと確認したうえで、ご自分のご事情やご希望等に合った施設を選択することが重要です。

ポイント2:老人ホームに入居する目的について

老人ホームに対して「介護を受けるために渋々入居する施設」といったイメージを持たれている方もいらっしゃるかもしれません。

老人ホームへの入居は、身体の自由が利かなくなり日常生活に支障が出始めた、介護が必要になったなどの問題が生じた時に検討される機会が多いと思われますので、そのようなイメージを持たれるのも無理はないといえるでしょう。

しかしながら老人ホームに入居する目的はそれだけというわけではなく、過去に介護を行っていた経験があることから子供にまで同じ思いをさせるのは忍びないと、自ら老人ホームへ入居されることを選択される方も少なくありません

老人ホームに入居する目的を大きく分けた場合、以下のいずれかに該当するかと思います。

日常生活における介護を受けるため

ご自身のためはもちろんのこと、介護を担うことになるご家族の負担を減らしたいという目的から老人ホームへの入居を検討されるケースです。

ご自分だけで日常生活を送るのは困難であったり寝たきりであったりする場合には、子供がその介護を担うのはけして容易とはいえません。子育て中や働きに出ているようであればなおさら、介護の負担は大きなものとして圧し掛かることでしょう。

介護を受ける側としても満足の行く介護が受けられないことにストレスを感じるなど、介護が必要となったことで親子関係にヒビが入る可能性も否定できません。こうした在宅介護の限界により、老人ホームへの入居を決められる方も多数いらっしゃいます。

セカンドライフを送るため

趣味やサークル、リクリエーションなどを楽しむために、お元気なうちから老人ホームへの入居を検討されるケースもあります。

体験できる趣味やイベント内容等は老人ホームの種類によって異なり、自立型の施設ではさまざまな企画を設けるなど、入居者が充実したセカンドライフを送れるようにと積極的なサポートを行っています。

また、高級ホテルのようなサービスや設備を提供してくれる施設も増加傾向にあるため、セカンドライフを楽しむことを目的に老人ホームへの入居を希望されるご高齢の方は今後、増えてくるかもしれません。

いずれの目的で老人ホームへの入居を検討されるにしても、その施設の特徴や環境等が生活を送るうえでご自分に適しているかどうかをきちんと確認しておく必要があります。

ポイント3:老人ホームの入居者の平均年齢について

ポイント1でご説明した通り、老人ホームの入居対象は60歳~65歳以上が一般的ですが、実際に利用している方の平均年齢は80代~90代(社団法人全国有料老人ホーム協会情報)となっています。

比較的身体の自由が利く60代~70代の方はご自宅での生活を選択されることが多く、現実問題として終の棲家について考える必要のある70代~80代あたりから、老人ホームへの入居を本格的に検討されるのかもしれません。
入居先で趣味や話の合う仲間を見つけたいと思っているのであれば、同じ年代の方が多く入居されている老人ホームを選択したほうが良いといえるでしょう。

なお、早い段階から老人ホームへ入居することにより得られるメリットもあります。

早く入居すればそれだけ施設のスタッフや他の入居者との交流時間は増えますし、関係を構築する期間も長く取ることができます。また、入居中に介護が必要となったり、介護度が高くなったりした場合などにもスムーズな対応が受けられます。

「この年齢になったら入居を検討しなければいけない」わけではありませんので、老人ホームでの生活を楽しいと思えるうちに入居するというのもひとつの方法です。

ポイント4:老人ホームを探し始めるタイミングについて

老人ホームへ入居するための年齢や条件を満たしていても、すぐに入居できるわけではありません。超高齢化社会といわれる現代において老人ホームへの入居を希望される方は非常に多く、「探し始めたもののいつ入居できるかわからない」といったケースがほとんどです。

老人ホームを見学してから入居までにかかる期間は一般的に約1か月半~2か月といわれていますが、希望される施設に空きがない場合にはさらに長くなる可能性もあります。

入居できる老人ホームを探すにはかなりの時間と手間と労力を要することになるため、その点を念頭に置いたうえで早急に取りかかることが重要です。

高齢になればなるほど心身ともに大きな負担となることは明らかですので、ご自分の希望する老人ホームに何としても入居したいとお考えの際は、お元気なうちからしっかりと準備を進めて行きましょう。

ここまで、老人ホームへの入居を検討する際に押さえるべきポイントについてご説明しましたが、何よりも大切なのは「ご自分が納得できる生活や人生を送れる環境であるか」ということです。

その判断を行うためには月額の費用やサービス内容だけでなく、日常生活の様子や雰囲気、スタッフや他の入居者の人柄、年間行事などについても詳しく知っておく必要があります。

ご自分で老人ホームを探すことや検討することに少しでも不安のある方は、専門家に相談されることをおすすめいたします。

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