特集 特定非営利活動法人 国境なき医師団日本

公開日: 2024年01月18日

更新日: 2024年01月18日

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世界中の人々の命を守るべく、医療、そして人道援助に日々奔走する国境なき医師団。その名を耳にしたことがないという方は、ほとんどいないのではないでしょうか?
非営利団体である国境なき医師団の活動を支えるのは、世界中の個人から寄せられる温かな寄付。日本でも昨年は40万人以上が「人道援助に役立ててほしい」と、その思いを国境なき医師団へ託しています。今回は遺贈寄付を担当する荻野さんに、国境なき医師団の活動についてお話を伺いました。

国境なき医師団ではどのような活動をしていますか?

「国境なき医師団」と聞くと、医師や看護師といった医療スタッフをイメージされる方が多いのではないでしょうか。ご想像の通り、貧困地域や紛争地域、自然災害の被災地など、医療が足りないところへスタッフを派遣し、命の危機にある人々に医療を提供しています。でも、実は国境なき医師団のメンバーの約半数は、非医療スタッフなんです。私たちが赴く先は、病院がある場所とは限りません。直接的な救命活動だけでなく、電気・ガス・水道などのインフラを含め、医療設備を整えていくことも大切な仕事です。

加えて、現地での活動にとどまらず、活動地の状況を世の中に伝える証言活動にも力を入れています。

© Guglielmo Mangiapane/SOS MEDITERRANEE
©MSF

活動の中で大切にしていることを教えてください。

私たちの立場は、常に独立・中立・公平でなくてはなりません。どんな権力の影響も受けず、私たち自身で意思決定をして活動しています。その立場を貫けるのは、活動資金のほとんど全てが民間からの寄付、もっといえば一般個人の方々の寄付によるものだからです。昨年度は、国境なき医師団日本の総収入の99.9%が民間からの寄付、そのうち91%が個人の方々からでした。特定の政府や国際機関からの支援に頼っていないからこそ、独立・中立・公平な立場を貫くことができます。

また、他団体が行かない、行けないところに行くというのも私たちのポリシーです。国境なき医師団では、スタッフの派遣が必要と想定される事象が起きた時、基本的には48時間以内に調査チームが現地に向かいます。そこで医療ニーズや医療にアクセスできない人々の有無を確認し、どのようなスキルをもつスタッフが何名必要かといった判断をします。物資については、予め通関のうえ世界に5カ所ある倉庫に蓄えておくことで、緊急時に備えています。

国境なき医師団 活動の歴史(一部)

1971 国境なき医師団 設立

フランス人医師、ジャーナリストら13人によって設立

1975 カンボジア難民救援

カンボジア・タイの国境に位置する難民キャンプで、初の大規模な援助活動を行う

1999 ノーベル平和賞受賞

「独立・中立・公平」の原則、ボランティア精神に基づく人道援助活動が評価される

2003 イラク戦争

勃発直後から、イラク国内各地で緊急援助活動を展開

2011 東日本大震災

翌日に現地入りし、医療活動のみならず、物資の提供や仮設住宅の建設なども

2014 エボラ出血熱の大流行

ギニア、リベリア、シエラレオネを中心に過去最大規模の流行。緊急対応の中心的役割を担い、国連など国際社会に対して緊急援助の重要性を呼びかけ続けた

2020 新型コロナウイルス感染症

入国制限等によって、現地に派遣するスタッフが前年比7割減となる時期も

2022 ロシアの軍事侵攻

現在戦争状態となっているウクライナ国内・近隣諸国で、患者の搬送や医療物資の提供を行う

新型コロナウイルス感染症による影響にはどのようなものがありましたか?

エボラ出血熱など特定地域で流行する感染症とは異なり、新型コロナウイルス感染症は全世界的に感染拡大しました。我々にとっても初めての経験で、日本や欧米の先進国でも医療援助活動を行いました。一方、海外への渡航や出入国制限のために、もともと行っていた医療援助活動が困難になるなどの影響がでました。また、日本でも医療体制がひっ迫したように、医療従事者の不足が、新たな海外派遣希望者の減少につながりました。

国境なき医師団への遺贈寄付はどのようなものでしょうか?

遺贈寄付は、遺言によって特定の団体や個人に遺産を譲ることを指します。国境なき医師団では、ご支援いただく寄付において下限額の設定などはありません。いくらからでも遺贈いただくことが可能です。私は入団から9年間遺贈寄付を担当していますが、近年は関心を寄せていただく方が増えており、昨年も非常に多くのご支援をいただきました。

寄付の具体的な使途を教えてください。

緊急医療や基礎医療、必要な物資の提供など多岐にわたります。たとえば、10万円があれば栄養失調のこどもたちに2,800食の栄養治療食を提供することができます。50万円で避難民5,800人に3カ月間の医療を提供でき、100万円ではしかの予防接種ワクチン約22,000回分を提供できます。

金額の大小にかかわらず、皆様からの寄付の積み重ねによって私たちの活動は支えられています。

©MSF

2022年の活動人数

  • 世界75の国と地域で約49,000人が活動
  • 日本からは89名が26の国と地域に派遣

2022 年の活動実績例

  • 外来診療件数
    1627万2300件
  • 入院患者数
    121万4100件
  • 分娩介助件数
    32万700件
  • マラリア治療件数
    426万8600件
  • 外科手術件数
    11万8100件

読者に知ってほしいことはありますか?

寄付など様々な形で支援をいただくことはもちろんありがたいのですが、それ以上に、まずは知っていただくというのが非常に重要だと考えております。我々の活動を知っていただき、その先にボランティアや寄付といったものがあると思いますので、“理解者”を増やしていきたいです。実際に海外派遣を希望する人が家族や職場の同僚にいた場合に「国境なき医師団の活動のためであれば、ぜひ行っておいで」と送り出してもらえるような、そんな理解を得られる団体でありたいと思っています。

私自身は遺贈寄付の担当ではありますが、その前に、「国境なき医師団はこんな活動をしている団体」と広く認知していただくことを目指しております。

©Valérie Batselaere/MSF

最後に読者へのメッセージをお願いします。

今日も世界のどこかで国を追われ、傷つき、飢え、あるいは感染症に倒れて苦しんでいる人がいます。 医療さえ届けば助かったはずのたくさんの命と未来が消えています。皆さまのやさしさは、そんな現実を希望に変えることができます。ご遺贈は少額から可能です。不動産のご寄付もご相談ください。「何から始めればよいのか分からない」という場合も、お気軽にお電話またはメールでお問合せください。秘密厳守、ご相談無料です。

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