がんで苦しむ人や悲しむ人をなくしたい「がんになっても希望をもって暮らせる社会」の実現を目指して
公開日: 2025年06月16日
更新日: 2025年06月16日
- くらし全般

がんは日本人の2 人に1 人がかかる身近な病。公益財団法人日本対がん協会は、早期発見のための検診の推進、がん患者さんやご家族が安心して暮らせるための社会づくり、そしてがんに関する正しい知識の普及啓発を行っています。今回は特定寄付担当マネジャーの岸田さんにお話を伺いました。
日本対がん協会の設立経緯と活動内容について教えてください。
日本対がん協会は1958 年に設立されました。当時、死亡原因の1 位は脳卒中でしたが、今後、がんの死亡数が増えると予測され、早期発見や適切な治療、生活習慣の改善によって、「がん撲滅」を目指そうという趣旨で設立されました。現在、国が掲げている「誰一人取り残さないがん対策を推進し、全ての国民とがんの克服を目指す。」という目標を念頭に、さまざまな活動に取り組んでいます。
- がん予防・検診の推進
がんは早期発見が重要です。私たちは全国にグループ支部を持ち、42 支部で検診を実施しています。しかし、忙しさや恥ずかしさ、経済的な理由で検診を受けない人も多いのが実情です。私たちは、「がん検診デジタル無料クーポン」を貧困世帯やひとり親家庭、非正規社員など検診を受けたくても受けられない人たちを対象に提供する取り組みを行っています。この活動が、より多くの人々に検診を受けるきっかけになればと考えています。 - がん患者・家族の支援
がんになると、治療や副作用のこと、お金や仕事、毎日の暮らしのことなど、さまざまな悩みや心配事が出てきます。無料の電話相談「がん相談ホットライン」では、看護師や社会福祉士などの資格をもつ相談員が、がんに関する不安や悩みに耳を傾け、どうすればよいのかを一緒に考えています。働きながら治療をする方も増えており、社会保険労務士による「がんと就労」に特化した電話相談も実施しています。
こうした活動により、「がんになっても希望を持って暮らせる社会」を目指しています。 - 正しい知識の普及啓発
情報社会の中で、がんに関する正しい知識を伝えることは、非常に大切です。ピンクリボン活動では、乳がんで命を落とすひとが一人でも減るように、乳がんの早期発見・適切な治療の大切さを伝えています。乳がん検診の受診率向上、患者さんとそのまわりの人たちを支える活動にも取り組んでいます。そのため、私たちはがんの正しい知識を広めるために、さまざまな啓発活動を行っています。例えば、がんをむやみに怖がることなく、健康と命の大切さを考えてもらうため、子どもたちのがん教育などに取り組んでいます。


今後の目標やビジョンについてお聞かせください
生活習慣の変化や高齢化などにより、がんになる方、亡くなる方は増えています。一方、5 年生存率は60% を超えるようになってきました。「がん=死」ではなく「治癒できる病気」になってきています。互いに支えあい、誰もが希望をもって暮らせる社会をつくるために、引き続き活動を推進してまいります。医療者、ケアギバー、患者会、関連団体などとも連携しながら、ともにがん征圧を目指します。
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