高齢者施設の精算

入所している高齢者施設を退去する場合、あるいは高齢者本人が死亡した場合、高齢者施設の精算手続を行う必要があります。本人が生存している場合は、未払い債務を精算し、退去手続を行うことになりますが、身元保証人は本人と共に債務、手続を履行する責任を負います。また、本人が死亡している場合、身元保証人が本人の身柄を引き取り、未払い債務の清算、退去手続、残置財産の引取りを行います。

高齢者施設退去、精算にともなうトラブル

国民生活センターでは、2006(平成18)年3月に「有料老人ホームをめぐる消費者問題 に関する調査研究」を実施し、調査結果や提言などを取りまとめました。

全国の消費生活センターに寄せられる有料老人ホームに関する相談はそれ以降も増加傾向にあり、相談内容としては、「契約・解約」に関するものが全体の約8 割を占め、中でも退去時や解約時の返金や精算に関するものが目立っています。具体的には、入居一時金等の返還に関するものや、原状回復費用の精算に関するもの、退去時における月額費用などの精算に関する相談などが寄せられています。

【相談事例1】入居10日後に退去したが返金されない

入院していた80歳代の同居の家族が、退院を求められ有料老人ホームに入居した。急だったので、入居が先になり、契約書面は後に出した。

しかし、入居10日目に入居した家族が亡くなった。月の利用料約20万円については精算があるようだが、「入居契約金」約400万円については返金しないと言う。入居後90日間の契約解除の申し出には全額返金するが、死亡の場合は返金がないと言う。納得できない。一部でも返金してほしい。

【相談事例2】退去時の室料の精算方法に納得できない

家族を有料老人ホームに入居させたが、施設内で骨折したので病院に入院させた。入院中、病状が悪化してやむを得ず退去させることにした。

数日後に退去することになったが、契約書には入院が理由での退去であれば日割り計算で室料精算となると記載があるのに、来月の1カ月分まで請求するという。業者は口頭で説明したというが、そのようなことは一切聞いていない。納得がいかない。

トラブルを回避するために大切なこと

(1)契約する前には入居一時金などの費用について十分説明を受けて確認する

施設やサービスの利用に必要な費用に関して、契約・申込みをする前に、入居時に必要な費用、入居後毎月必要な費用、退去時の費用などそれぞれの時点に必要な費用について、事業者から十分に説明を受け確認することが大事です。特に、入居一時金等の返還や原状回復費用の請求など、退去時や解約時における返金や精算に関するものについて十分に確認する必要があります。このうち、入居一時金等については、退去する際に返還がされるのか、償却はいつの時点からされるか、初期償却の割合(入居期間にかかわらず返金されない金額の割合)や償却期間(経過すると一時金が全額償却され戻らない期間)を確認し、退去や解約した場合の返金額について不明な点をなくし、納得するまで十分検討したうえで契約する必要があります。また、前払金の保全措置が講じられていることと保全措置の内容、短期解約特例制度が設けられていることについても契約書などで確認しましょう。特に入居一時金等が高額なケースでは、トラブルの未然防止のために、これらの規定が契約書等に盛り込まれていることが重要となります。

(2)見学や体験入居を行い、サービス内容などの確認と比較検討を十分に行う

入居した後比較的短期間で退去した場合や、契約・申込みをした後、入居する前に解約をした場合でトラブルになったものがあります。このようなトラブルの未然防止のためにも、契約・申込みをする前には、施設の見学や体験入居などを行い、サービス内容や介護・看護体制などを確認し、家族や信頼できる周囲の人とともに十分に比較検討を行いましょう。情報収集や比較検討にあたっては、各都道府県のホームページ等でも概要を確認することができます。また、契約をする前に施設の予約などのために申込金等を支払う場合は、キャンセルした場合の返金についても確認しましょう。

(3)入居後どのような場合に退去しなければならないか等について事前に確認する

退去条件や入居中の料金の変更をめぐりトラブルになる場合があります。契約・申込みをする前には、入居した後どのような場合(長期の入院が必要になった場合など)に退去しなければならないかという点についても確認し、各自の条件に合った施設を選別して、入居の継続について不明な点、不安な点がなくなるまで十分に検討するようにしましょう。

(4)契約書などの関係書類は事前に入手し、入居後は退去するまで保管しておく

入居の検討段階で入居契約書や約款、重要事項説明書、パンフレットなどの関係書類は事前に入手し、入居前に十分な検討と確認を行い、入居した後は退去するまで保管しておきましょう。

高齢者施設の精算をはじめ、ご家族に迷惑をかけることは避けたいとお考えの方へ

高齢者施設に入居する際、身元保証人としてご家族にサインしていただく方は多いでしょう。
しかしここまで述べたように、身元保証人は退去時の精算やその他の様々な手続きについて、責任を負わなければなりません。
ご自身が亡くなった後、ご家族にはできるだけ迷惑をかけたくないとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そのような場合は、身元保証を請け負ってくれる企業や団体に依頼することをおすすめします。
身元保証相談士協会は、施設入居中の支払いから死後事務手続きまで、まるごと請け負ってくれる専門家の団体です。

おひとり様の方はもちろん、ご家族に迷惑をかけたくない方も検討してみるとよいかもしれません。
無料相談を受け付けているので、気軽に利用することができますよ。

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身元保証相談士協会では、行政書士・司法書士・税理士・介護事業者・葬儀など関連する事業者で連携して対応しております。

 

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