死後事務委任契約とは?「亡くなった後のことは知らない」では済まされない!

  • 葬儀・供養

死後事務とは

死後事務」や「死後事務委任契約」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
死後事務とは、その名の通り亡くなった後に発生する事務手続きのことを指します。
例えば、葬儀・供養の手続きや、役所・関係機関への届出、未払の施設賃料・入院費の精算や片付け等、非常に多岐にわたります。
ご自身が亡くなった後のこれらの手続きは、当然ながらご自身で行うことはできません。身近にこれらを担当してくれる人がいない場合や、希望通りの最期を実現してもらいたい場合には、お元気なうちから死後事務の方針について検討し、死後事務委任契約の締結を通じて第三者に任せておく必要があります。
こちらの記事では、死後事務委任契約の概要や注意点についてお伝えいたします。

死後事務委任契約とは

死後事務委任契約が必要なのはどんな人?

例えば下記に当てはまる方は、死後事務委任契約の必要性を理解し、締結を検討するべきであるといえるでしょう。

  • 身寄りがなく、頼れる人がいない高齢者の方
  • 一人暮らしの高齢者で、家族や親族が遠方に住んでいるという方
  • ご家族に負担をかけたくない方
  • ご家族、ご親族との関係が良好ではない方

死後事務委任契約を締結しておかないとどんな問題が起こる?

わざわざ契約なんてしておかなくても、亡くなった後のことは誰かがどうにかしてくれるだろう」と思う方がいらっしゃるかもしれません。しかし、もし死後事務に関する方針を何も示しておくことなく放置すると、誰が手続きをするべきであるかが不明瞭のままになり、ご逝去後にさまざまな人に迷惑をかけてしまう可能性があります。

死亡届の提出が遅れる

死亡届の提出期限は、死亡から7日以内と定められています。死亡届が提出されていない場合には、葬儀や埋葬の手配ができません。

葬儀や納骨が進まない

特に身近に頼れるご親族がいらっしゃらない方の場合、たとえ遠縁の親族であっても対応せざるを得ません。

施設や病院、住居の大家に迷惑がかかる

施設、病院、大家は、亡くなった方の荷物や家財を勝手に処分することができません。引き取り手を見つけるために、連絡のとれる関係者探しに奔走することとなってしまいます。

ライフラインの停止がされない

電気・ガス・水道といった公共料金は後払いであるため、ご逝去後に支払う必要が生じます。また誰かが支払いを停止しない限り、請求が発生し続けます。これに対応してくれる人が現れない場合、この支払い停止を誰が行うのか、未払金を誰が払うのかが宙に浮き続けたままになってしまいます。

死後事務委任契約は誰に依頼するべき?

死後事務委任契約を依頼できる相手に制限はありません。行政書士、司法書士といった専門家に依頼することも可能です。特に身近に頼れる方がいないという場合には、専門家への依頼を検討すると良いでしょう。専門家であれば、契約書に書くべき内容や書式に関するアドバイスをもらうことができます。

死後事務委任契約でできること

死後事務委任契約では、どのような事務手続きの項目を誰に手続きを任せるかを明確に決めておくことで、希望通りに実現してもらうことができます。

委任できる事務手続きの例

葬儀の依頼

どの葬儀会社に、どの様式(一日葬・直葬など)で葬儀をあげてほしいかを指定することができます。

納骨の手配

どこのお墓へ埋葬してほしいか、あるいはどの寺院の永代供養に納めてほしいか等を示すことができます。

精算・退去手続き

病院への支払い(医療費や入院費)や、最後に住んでいた自宅や高齢者向け施設等の最終月の家賃・管理費の支払い、ならびに退去手続きが発生します。
また、電気代やガス代といった公共料金の解約・精算手続きも必要です。

行政関係

役所への死亡届の提出や年金受給停止の依頼、埋葬料・葬祭料の申請を依頼できます。

デジタル遺品

見落とされがちですが、デジタル機器(スマホ等)のデータ削除・サービス解約・SNSアカウントの削除も委任できます。

連絡

亡くなったことを知らせてほしい親族・関係者がいれば、連絡をとってもらうことも可能です。

ペットの引き継ぎ先

もしペットよりも先に飼い主が亡くなってしまった場合には、ペットを引き継ぎ先となる団体等を決めておかなければなりません。

死後事務委任契約の注意点

周囲に迷惑をかけないため、希望を実現してもらうために作成するのが死後事務委任契約ですから、抜け漏れのないよう備えるのが重要です。こちらでは、死後事務委任契約の締結にあたっての大きく分けて3つの注意点をお伝えします。

任せたい内容は詳細に契約書に入れ込む

死後事務委任契約は、履行される段階で依頼した本人が既に亡くなってしまっているので、本人に直接契約内容を再確認したり変更したりすることができません。そのため、「どんな最期を迎えたいか(例えば、葬儀の様式や納骨先をどこにするかなど)」まで事前にしっかりと考えておき、契約書内で詳細に決めておかなければなりません。「お葬式は小規模で」のような曖昧な書き方は、かえってトラブルや手続きの遅れを招くリスクがあります。

必要な費用を確認する

死後事務委任契約は、誰にどこまで頼むかで費用が変わってきますが、専門家への依頼費用は下記を参考としていただければと思います。

1.後事務委任契約書の作成費用

専門家に作成を依頼することで、確実な内容の契約書を作成してもらうことができます。どこに依頼するかにもよりますが、数万~十数万円程度が多いです。

2.後事務委任の報酬

死後事務手続きを委任した人に対する報酬です。専門家に依頼するのであれば、30万円程度が相場のようです。

3.公証役場の手数料

死後事務委任契約を公正証書で作成する場合には、公証人への手数料として11,000円がかかります。

4.預託金

死後事務手続きでかかる費用(葬儀費用や納骨費用等)を、生前のうちから預けておきます。依頼する死後事務の範囲や内容によって預託金の目安も変わってきますが、死後事務全体でかかる費用としては50~100万円程度となることが多いです。

死後事務委任契約ではできないこともある(遺言書との違い)

死後事務委任契約は、日常生活や身の回りに関するあらゆる事務手続きについて委任することができますが、ご自身が亡くなってからの財産の引き継ぎについては死後事務委任契約では指定できません。預貯金や不動産等のご自身の財産の引き継ぎ先については、「遺言書」で指定する必要があります。反対に、遺言書の中で死後事務についての方針を示しても、その死後事務に関する部分は無効となってしまうのです。
死後事務受任者はあくまで契約書内で委任された「事務手続き」にのみ対応することができる立場のため、財産の引き継ぎ(相続手続き)についてもあらかじめ第三者にお願いするには、遺言書の中で「遺言執行者」を別途指定しておかなければなりません。
遺言書と死後事務委任契約はそれぞれ性質が異なるもののため、死後事務委任契約を作成する際は遺言書も一緒に作成することをおすすめします。
遺言書では財産の引き継ぎ先に関する方針を示し、死後事務委任契約では財産「以外」の事務手続きを指定しておくことで、亡くなった後の手続きがさらに抜け漏れのない確実なものとなります。

死後事務委任契約に関して専門家に相談してみましょう

亡くなった後に発生する事務手続きについて、近くに頼れる人がいない場合には死後事務委任契約を作成して将来に備えるべきであることをお伝えしました。
また、死後事務委任契約は遺言書とあわせて結んでおくことでより強固な備えとなります。
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死後事務委任契約が必要だと感じていらっしゃる方は、まずはどうぞお気軽にご相談ください。

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