葬儀の生前契約が急増している理由とは?ご高齢者にとってのメリットや注意点、契約の流れを徹底解説!
公開日: 2025年08月04日
更新日: 2025年08月04日
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ご高齢の皆様、また、ご高齢のご家族がいらっしゃる皆様、「葬儀の生前契約」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。
ご高齢であってもまだまだお元気で暮らしている方にとって、生前のうちからご自身やご家族の葬儀について考えることは、なんとなく後ろ向きなイメージがあり、消極的な方もいらっしゃるでしょう。
しかしながら、終活という言葉が浸透してきた現代において、今ではご自身の「老いの身支度」として、葬儀の生前契約について前向きに取り組む方も増えています。
こちらでは以下についてご紹介しますので、葬儀の生前契約についてご興味のある方は、ぜひ参考になさってください。
- 葬儀の生前契約の必要性
- 葬儀の生前契約がおひとりさまに選ばれている理由
- 死後事務委任契約と葬儀の生前契約のちがい
- 葬儀の生前契約で決めるべき内容
- 葬儀の生前契約を結ぶまでの流れ
- 葬儀の生前契約を結ぶメリット
- 葬儀の生前契約をする際の注意点
葬儀に関する不安を解消し、安心の余生をお過ごしいただくためにも、葬儀の生前契約について一緒に考えていきましょう。
葬儀の生前契約はなぜ必要なのか?
少子高齢化や核家族化が進む中、「おひとりさま」といわれるおひとり身の高齢者は増加傾向にあります。また、身寄りのない方、ご親族はいても頼れない、負担をかけたくないとお考えの方など、ご高齢者をとりまく状況はさまざまです。
ご高齢者にとって、葬儀の生前契約はなぜ必要なのでしょうか。葬儀の生前契約について理解を深めていきましょう。
葬儀の生前契約とは
葬儀の生前契約とは、その名のとおり、ご自身の葬儀に関する契約を生前のうちに結んでおくことです。
近年では葬儀や供養の手法も多様化していることから、終活の一環として、ご自身の葬儀に関してあらかじめに計画し、生前のうちに契約される方も珍しくありません。実際に、今では葬儀の生前契約や生前予約を受け付けている葬儀社も増えています。
葬儀の生前契約をする理由
身近な方が亡くなると、遺されたご親族は大切な方が亡くなった悲しみの中、関係者への訃報連絡や葬儀の手配など、さまざまな手続きを大急ぎで行うことになります。
しかし、おひとり身の高齢者の方の場合、訃報の連絡先や葬儀の手配を行うご親族が近くにいないことも多く、実際には支援をしているケアマネージャーや施設職員、成年後見人などがその対応に追われるケースが少なくありません。
その際、葬儀プランや費用について故人の希望がわからず、どのように進めるべきか判断できず困惑することもあります。また、葬儀にどの程度の費用がかかるものかを生前に確認できていない場合、費用の準備がつかず、支払い方法についても不透明なまま手続きを進めざるを得なくなることがあります。
しかし、葬儀の生前契約を行うことで、ご自身で各葬儀社のプランを確認し、必要となる費用をあらかじめ準備し、支払い方法についても明確にしておくことができます。これにより、ご自身の希望に沿う形で葬儀を執り行えるのはもちろんのこと、いざという時に支援者や関係者が慌てずに済むことが、葬儀の生前契約をする方が増えている理由です。
おひとりさまに注目されている理由
おひとりさまにとって、葬儀の手配は悩みの種といえるでしょう。ご自身の逝去後、「周りの人に迷惑をかけたくない」とお考えの方にも、葬儀の生前契約はおすすめです。
葬儀の生前契約を結んでおけば、誰に、どのような葬儀を執り行ってもらうか決めておくことができるため、おひとり身の高齢者からも注目を浴びています。
死後事務委任契約と葬儀の生前契約のちがい
これまで葬儀の生前契約についてご説明しましたが、似たような契約として「死後事務委任契約」というものがあります。
ご自身の逝去後、必要となるのは葬儀の手配だけではありません。生前に暮らしていたお部屋の片付け、行政への各種届け出、ガスや電気などライフラインの解約、携帯電話やクレジットカードの解約など、行わなければならない手続きは数多く存在します。
このような死後に発生するさまざまな手続きを、「死後事務」といいます。
葬儀の生前契約は「葬儀に関する契約」であるのに対して、死後事務委任契約は「葬儀を含めさまざまな死後事務に関して決めておく契約」です。
死後事務は遺されたご家族が担うことが一般的ですので、死後事務を託す方がいらっしゃる場合には、葬儀の生前契約を結ぶだけでよいかもしれません。
おひとり身の高齢者で、死後事務についても不安がある場合には、死後事務委任契約を結ぶこともぜひご検討ください。
葬儀の生前契約で決めるべき内容

葬儀の生前契約を結ぶにあたり、以下の内容についてしっかりとすり合わせておくことが大切です。
- 葬儀の形式・規模
- 参列者
- 宗派
この3つについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。
葬儀の形式・規模
葬儀に誰が参列するのか、どこで執り行うかによって、その規模も形式も異なってきます。あらかじめご意向を明確にしておきましょう。
【主な葬儀の種類】
- 一般葬:ご家族や生前に親交のあったご友人などが参列する、昔からの葬儀形式
- 家族葬:ご家族やごく親しい方のみで執り行う、小規模な葬儀
- 直葬:一般的な葬儀を行わず火葬のみとする葬送方法
参列者
どの程度の参列者数が見込まれるかによって、葬儀の規模や予算が固まってきます。
ご親族や親しいご友人だけとするのか、勤務先の方や、昔親交のあった方までお呼びするのか、あらかじめ決めておきましょう。
また、先に予算の上限を決めておき、そこから逆算して参列者数を決めていくのもよいでしょう。
宗派
葬儀は宗教・宗派ごとに形式が異なります。原則的に故人の宗派に沿った形式で葬儀を執り行うことになるため、どの宗派なのか、あるいは無宗教葬なのか、事前確認は欠かせません。
葬儀の生前契約を結ぶまでの流れ

次に、葬儀社の選定から費用の支払いまで、葬儀の生前契約の大まかな流れをご紹介します。
葬儀会社の選定
まずは契約する葬儀社を選定します。ご自宅に近い葬儀社はもちろん、近隣の葬儀社も含め、複数の葬儀社のプラン内容や費用を確認しましょう。
公式ホームページでの情報収集や、資料・見積書の取り寄せ、口コミの確認などを行い、十分に比較検討し、もっとも信頼できる葬儀社を選ぶことが大切です。
葬儀社によっては説明会が開催されていることもあるので、足を運んでみるのもよいでしょう。
葬儀内容の打ち合わせ
依頼する葬儀社が決まったら、担当者と葬儀内容の打ち合わせを行います。
葬儀の形式、規模、参列者の範囲や数、宗派など、基本的な内容を確定させるほか、返礼品や遺影写真の準備、葬儀中に流したい音楽など、細かな希望にも対応可能か確認します。
「まだ葬儀に関する具体的なプランがわからない」という方でも、葬儀社からのアドバイスでイメージが固まってくることもあります。ご納得の葬儀となるよう、まずはご自身の希望をしっかりと伝えていきましょう。
契約の締結とお支払い
打ち合わせ内容をもとに見積もりを出してもらい、ご納得すれば、正式に生前契約を結びます。
費用の支払いについては、契約時に一括支払いの場合もあれば、契約金として頭金のみ支払う場合もあります。
葬儀の生前契約を結ぶメリット

葬儀の生前契約には以下のようなメリットがありますので、おひとり身の高齢者の葬儀に関するさまざまな不安を解消することができるでしょう。
おひとりさまの葬儀の心配が解消される
おひとり身の高齢者の多くは、葬儀を手配してくれる人がいないというお悩みを抱えています。
また、ご親族がいたとしても、普段から交流が乏しく疎遠になっている場合には、しっかりと葬儀を執り行ってもらえるかご不安を感じることもあるでしょう。
信頼のおける葬儀社と葬儀の生前契約を結んでおけば、ご自身の希望に沿う葬儀が実現できます。
総合的な観点から、おひとりさまの葬儀に関する不安を解消する方法として、葬儀の生前予約は非常におすすめです。
事前に葬儀費用が把握できる
葬儀の生前予約を結ぶことで、実際に必要となる葬儀費用が把握できますので、どの程度お金を残しておけばいいか明確になり、資産を管理しやすくなるでしょう。
あらかじめ老後に必要な資金を準備しておけば、あとはご自身の日々の生活や趣味などにお金を使うことができ、余生を安心して過ごすことにつながります。
希望に沿った葬儀ができる
一口に葬儀といっても、その形式はさまざまです。「自分らしい葬儀」を叶えるために、葬儀社も多種多様なプランを用意しています。
また、樹木葬や海洋散骨など、供養の手法も多様化しています。ご自身の希望を実現させるために、生前から契約をしておくとよいでしょう。
遺族側の負担が軽減できる
おひとりさまだけでなく、ご親族がいる方にとっても葬儀の生前契約はメリットがあります。
あらかじめ葬儀について何も用意をしていないと、いざという時に慌てて葬儀社を探したり、お金を準備したりと、遺された方々にとって心理的にも金銭的にも大きな負担となりかねません。
葬儀を生前契約しておけば、いざという時は葬儀の専門知識をもつ葬儀社が迅速に対応してくれます。
お子様やご親族にも心の余裕が生まれ、落ちついた気持ちで故人との最期の時間を過ごすことができるでしょう。
葬儀の生前契約をする際の注意点

おひとり身の高齢者にとって多くのメリットがある葬儀の生前契約ですが、注意すべき点もあります。
契約時の注意点を以下にご紹介しますので、内容を把握しておき、よりよい生前契約が結べるよう準備しましょう。
契約内容の見直しができない業者もある
実際に葬儀がいつ行われるかというのは、誰にもわかりません。葬儀の生前契約を結んだものの、月日の流れとともに、ご本人を取りまく事情が変わることや、お気持ちに変化が生じることもあるでしょう。
葬儀の生前契約を結ぶ際には、プランの見直しや契約内容の変更に対応可能かどうかを確認するのが大切です。
残念なことに、葬儀の生前契約を扱う業者の中には、契約内容の見直しに応じてくれない業者もいます。少しでも不安を感じる場合には、その業者との契約は見送る方がよいでしょう。
解約金が発生する業者もある
生前契約後に解約を申し出たところ、高額な解約金を請求されてしまった、というケースもあるため、注意が必要です。
契約書には「解約条項」という記載がありますので、契約を結ぶ前にしっかりと目を通しておきましょう。
親族へ事前に共有しないとトラブルの原因となる
実際に葬儀を執り行うのは、ご本人ではありません。ご本人がご納得のうえで葬儀の生前契約を結んだとしても、実際に葬儀を執り行うご親族の理解が得られないとトラブルの原因になることもあるため、注意が必要です。
場合によっては、「そんな契約をしているなんて知らなかった!」と、反故にされてしまう恐れもあります。
また、もし生前契約のとおりに葬儀が執り行われたとしても、ご本人とご親族の意向が異なる場合、お気持ちの部分でご親族に大きな負担がかかってしまうかもしれません。
葬儀の生前契約をお考えの方は、契約を結ぶ前に、ご親族としっかりと話し合うようにしましょう。
いきいきわくわくとした老後を過ごすためにも、ご納得のいく葬儀の生前契約を結びましょう
葬儀の生前契約を通して「自分らしい最期」を決めておくことは、「自分らしい生き方」にもつながります。安心の余生をすごすために、ご納得のいく生前契約を結びましょう。
身元保証相談士協会では、おひとり身の高齢者の生前の身元保証から、葬儀をはじめとする死後のお手続きのサポートを通して、老後の生活を「いきいきわくわく」とお過ごしいただくお手伝いをしております。
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