介護を見据えた間取りとは?リフォームに使える補助金なども紹介!

高齢になると介護が必要になることがありますが、その時には自宅の間取りも問題となります。
できるだけ自立して安全に生活できるようにするには、どのような工夫が必要でしょうか。

ここでは、高齢者とその介護をする人のために、どのような間取りにしたらよいか解説します。
また、介護を見据えたリフォームの方法や、利用できる補助金についても紹介しましょう。

介護を見据えて家の間取りをリフォームする人が増えている

最近、介護のことを考えて、自宅のリフォームをする人が増えています。
高齢者ができるだけ自立して安全に過ごせること介護のしやすさを鑑み、改装するということです。

総務省では、2014年以降で住宅リフォームを行った施主について、年齢階層別の統計を発表しました(2018年住宅・土地統計調査)。
これをみると、65歳以上の高齢者が施主になっているケースが突出して多く、住宅リフォーム件数の約60%を占めています。

なかでも65歳以上の場合、介護で問題になりやすい浴室やトイレなどをリフォームした件数が多くなっているのです。
介護のことを見据えて、リフォームをした人が多いということが伺えます。

介護を見据えた家の特徴

間取り

介護を見据えて考えたとき、間取りに工夫があると助かります。
高齢者や介護者がスムーズに動けるようにするにはどうすればよいか、日常の生活を振り返ってみましょう。

例えば、トイレや浴室にすぐに移動できるよう、寝室が近い位置にあると便利です。
また、他の部屋に移動する際、いったん廊下に出なくてはならない間取りもありますが、直接隣の部屋に行けるよう複数のドアを付けるケースもあります。

身体が不自由になった人や介護をする人にとって、日常生活での移動距離が短くなるだけでも、かなり楽になるものです。
こうした点を考えて、間取りを工夫しましょう。

水回り

介護を見据えて間取りを考えるなら、浴室・トイレなどの水回りも注意しておきたいものです。
立ち座りの動作が求められ、かつ滑りやすいこのような場所では、壁に手すりがあると安心ですね。

また、浴室内で滑らないような床材やバスタブを選ぶこともできます。
脱衣所が寒くて温度差で体調を崩すことを避けるため、暖房があるとよいでしょう。

浴室と廊下の段差をなくして、つまづきにくくしたり、車いすでも入りやすいよう入口を引き戸にしたりする方法もあります。

玄関

身体が不自由になった高齢者は、玄関の出入りが大変になることがあります。
例えば、玄関ドアが重く空けにくい、歩行器を使って出入りしにくいなどの問題が起こりえます。

そのため、玄関ドアを軽いものにしたり、引き戸にしたりする例がみられます。
引き戸にすれば、歩行器や車いすでも入りやすくなりますね。

また、玄関の上がりかまちや玄関と屋外との間に段差があると、筋力の弱った人には辛く、時には転倒につながることがあります。
手すりやスロープを設置すれば楽で、安全に出入りできるようになるでしょう。

介護を見据えて家をリフォームする際に使える補助金

介護保険

介護保険を利用すれば、介護やその予防のために必要なリフォームに関して補助金を受け取れます。
その手続きについて、順を追って説明しましょう。

介護保険の支給を受け取るためには、まず介護認定を受ける必要があります。
要支援または要介護という認定を受けるために、自治体の窓口で相談をして申請を出しましょう。

介護認定が受けられたら、次は本人の担当となるケアマネージャーと相談をし、どのようなリフォームをすべきなのか考えます。
リフォームの仕方が大体決まったら、施工業者と打ち合わせをしましょう。

業者が見積書と工事図面を作成してくれますので、それを確認してから契約を結びます。
ただし、補助金を受けたい場合はすぐに工事には入らず、まずは補助金申請書類の一部を自治体に提出する必要があります。

提出する書類としては、申請書と見積書・工事図面の他、改修前の写真なども必要となります。
この事前申請の審査が通ってから着工するというわけです。

工事が終わったら、いったん自分で業者への支払いをします。
そのあと、残りの申請書類(工事費の領収書や改修後の写真など)を自治体に提出すれば、初めて住宅改修費支給となるのです。

補助金としては、工事費の7割から9割が支給されますが、上限は20万円となっています。
また、リフォームのための補助金を受けられるのは一回限りです。

市区町村による助成金

介護のためのリフォームをするためには、介護保険だけでなく、自治体の補助金も使えることがあります。
お住まいの市区町村によって補助金の額や受けられる条件が異なるのですが、使えるものかどうか調べておきたいものです。

例えば、横浜市では要介護・要支援の認定を受けた人が区役所に相談すると、リフォームのアドバイスをしてくれます。
その上で、アドバイスに基づいたリフォームの費用を一部負担してくれるのです。

横浜市のこの制度の場合、助成限度額の上限が100万円となっており、介護保険の補助金では賄えない範囲までカバーしてくれます。
ただし、この制度ではすでに介護認定を受けた人のみが対象です。

一方、東京都千代田区のように介護予防のためのリフォームに助成金を出している自治体もあります。
介護予防住宅改修等給付という制度で、介護認定を受けていない65歳以上の人が対象です。

この制度では、手すりの取り付けや床段差の解消、滑りにくい床材の設置、引き戸等への扉の取り換えにかかった費用の1割を補助してくれます。
助成金の限度額は20万円です。

このような制度を使えば、介護を見据えたリフォームがしやすくなりますね。
市区町村の補助金制度は、様々な条件や介護保険との関係がありますので、きちんと調べた上で利用しましょう。

介護を見据えた家のリフォームの中で補助の対象になるもの

手すりの取り付け

手すりをつけると高齢者が移動しやすくなり、転倒防止にもなります
例えば、居室や廊下、段差があるところに手すりを設置しましょう。

また、浴室やトイレ、玄関などにも手すりがあると助かります。
入浴中、浴室の壁に手すりがあれば転ぶ心配が減り、浴槽に浸かる際も安心です。

トイレでも、筋力低下のため、立ち上がるのに苦労する高齢者が少なくありません。
つかまって立ち上がりやすい位置に、手すりを設置しましょう。

玄関では、たたきと床のあいだに大きな段差があり、出入りに苦労する場合があります。
また、靴を履き替える際、転びやすいこともあり、ここにも手すりがあると便利ですね。

手すりの価格は、形状や長さで異なりますが、1mあたり約5000円からとなります。

段差の解消

居室内の段差があると、つまづいて転ぶ原因になります。
敷居の段差は2㎝程度ですが、高齢者の場合は足が思うように上がっておらず、つまづいてケガをすることもあるのです。

これを解消するために、工事で敷居をなくしたり小さなスロープを付けたりすることができます。
施工の方式や部屋数にもよりますが、1か所で約2万円程度の費用が必要です。

また、玄関の外に段差がある場合は、少し大掛かりな工事となります。
外の道路との高低差を埋めるために、コンクリートなどでスロープを作る必要があるためです。

これも段差の大きさによるのですが、約2万から10万円程度の費用がかかります。

安全な床への張り替え

居室内や廊下の床材が滑りやすくて困るという場合は、滑りにくい床材に替えることもできます。
この場合の相場は、1㎡あたり約3000円からです。

車いすを室内でも使う場合は、畳やカーペット敷ではなく、滑りにくい木材やコルクの床だと動きやすく安全ですよ。
コルクの床にするなら、1㎡あたり約9000円からの施工費が必要です。

浴室の床材も、タイル張りなどは大変滑りやすく、高齢者本人だけでなく介護者も転倒の危険があります。
滑りにくい素材の床に張り替えるなら、約10万円からが相場です。

開けやすいドアへの交換

室内のドアや、トイレ、浴室のドアを引き戸にすると、介護が必要になった時は便利です。
上部から吊り下げる形の引き戸なら、敷居もなくなるのでつまづきにくくなります。

工事金額の相場は、約10万円からです。
ただし、開き戸から引き戸にリフォームできるかどうかは、室内の広さにも左右されます。

玄関のドアを軽いものに替えるなら、施工費を含めて約20万円からが相場です。
ただし、ドアの見た目や断熱・防犯の性能で大きく金額がかわります。

一戸建ての場合、玄関に一定のスペースがあれば、開き戸を引き戸に変更する工事も可能です。
この場合は、約30万円からとなります。

便器の交換

トイレが和式の場合、足腰が弱ると用を足しにくくなります。
座るのも立ち上がるのも大変になり、転ぶ危険もあります。

和式から洋式に便器を取り換えるなら、約30~50万円が相場となっています。
ただし、洋式の便器といってもタイプは様々で、それによって費用も変わってくるでしょう。

温水洗浄便座や、便器から離れると自動的に水を流してくれるタイプのものなど、予算や本人の希望によって選ぶ必要がありますね。
気持ちよく楽に用を足せないと、排泄を我慢して体調を崩すことにつながるので、できるだけ快適なものを選びたいものです。

介護を見据えた間取りにすれば高齢者も介護者も安心

高齢者も介護をする人も、安全に楽に過ごしたいもの。
そのためには、将来を見据えて自宅の要所要所に工夫が必要です。

間取りや水回り・段差など、不便で危険な場所がないかチェックしましょう。
リフォームをすれば、安全性を高めることができるかもしれません。

介護保険等の利用で補助金をもらうこともできます。
思わぬ事故を防ぐためにも、高齢になったら介護を見据えて自宅の間取りや設備を見直してみましょう。

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